借金で持ちつ持たれつ。人間関係は面白い「素晴らしい一日(平安寿子)」レビュー
大体の人は単調で長いであろう人生のなかで、一日くらいこんな日があったら面白い。今日は、かつて貸したお金を取り立てる一日を描いた「素晴らしい一日」をレビューしていきます。 素晴らしい一日 (文春文庫) 作者:平安 寿子 文藝春秋 Amazon この小説は6編からなる短編小説で、はじめの作品が表題の「素晴らしい一日」です。 勤務先が倒産、挙句に恋人まで雲隠れする。割と人生のどん底な30歳の主人公・幸恵は、一時付き合っていた男に20万円貸していたことを思い出し、取り立てに行くことを決意します。 取り立て先の"友郎”は憎めない男 別の人に借金を肩代わりしてもらう旅がスタート 仕方なく同行する先で見える…
2023/09/30 19:11