駄菓子屋讃歌

駄菓子屋讃歌

駄菓子屋は子どもの夢だと思う。銅のコインを渡すだけで甘いお菓子をくれる「じーじ」や「ばーば」が好きだった。 校区街より外の駄菓子屋に行ってちょっと背徳感を味わいながらも、近所には売ってないお菓子を買うのが好きだった。脳裏の記憶はモノクロで淡い。 でもなんだか思い出すと懐かしくて笑みが溢れる思い出だったりする。大人になって、駄菓子屋はなぜか入りづらい店になった。 入口が子ども向けなわけでも、お菓子を食べないわけでもないのに、 なぜか駄菓子屋では菓子を買わなくなった。なぜだろうな。五円や十円を握りしめて、ちっちゃなガムとかキャンディーを頬張る。 あれが至福の時だった子ども時代に比べると、私は日常に…