何かが起こる予感
強い風の吹く日だった。木造三階建ての家は揺れる。風は立ち向かうものではなく受け流すものだと知った。梁がたわんで家全体で受け流していると思うと家の揺れは気にならない。頼むぜ頑張れと応援する。これでまともに耐えたらどこかで崩れるだろう。思えばそれが最後の冬の抵抗だったのだろうか、翌日全てが去り溢れる日差しと15度以上の気温が待っていた。暦はまだ辛うじて三月だったがそれもあと数日だ。 朝7時に目が覚めた。日差しを見て心がうきうきしたのは何故だろう。犬を連れて直ぐに外に出た。風はすっかりなりを潜め空気には角が無かった。何か奇跡が起きそうで、今日は良い日に違いない、そう思った。朝食後に家の窓をすべて開け…
2024/03/31 00:18