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日々これ好日 https://shirane3193.hatenablog.com/

57歳で早期退職。再就職研修中に脳腫瘍・悪性リンパ腫に罹患。治療終了して自分を取り囲む総てのものの見方が変わっていた。普通の日々の中に喜びがある。スローでストレスのない生活をしていこう、と考えている。そんな日々で思う事を書いています。

杜幸
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2023/03/09

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  • 何かが起こる予感

    強い風の吹く日だった。木造三階建ての家は揺れる。風は立ち向かうものではなく受け流すものだと知った。梁がたわんで家全体で受け流していると思うと家の揺れは気にならない。頼むぜ頑張れと応援する。これでまともに耐えたらどこかで崩れるだろう。思えばそれが最後の冬の抵抗だったのだろうか、翌日全てが去り溢れる日差しと15度以上の気温が待っていた。暦はまだ辛うじて三月だったがそれもあと数日だ。 朝7時に目が覚めた。日差しを見て心がうきうきしたのは何故だろう。犬を連れて直ぐに外に出た。風はすっかりなりを潜め空気には角が無かった。何か奇跡が起きそうで、今日は良い日に違いない、そう思った。朝食後に家の窓をすべて開け…

  • 豊かに響く平均律

    ダニエル・バレンボイムの録音に初めて触れたのは指揮者としてではなくピアニストとしてだった。ただそれが何だったかはあまり覚えていない。ベートヴェンのピアノソナタだっただろうか。当時のLPレコードは手放してしまったし、あの頃はバックハウスやケンプなどのいわゆる大巨匠の演奏が好きだった。バレンボイムはリアルタイムだったが世代が少し新しく長老好きな自分の中ではなかなかお鉢が回らなかったのだろう。彼はその後シカゴ交響楽団の常任指揮者を長く務め、ベルリン・フィルからは名誉指揮者を称号されている。が自分にとっては指揮者の立ち位置としても同様で、自分が引き寄せられたのは2009年、彼が初登場したウィーン・フィ…

  • 終わりと始まり

    暖かくなったのか寒いままなのか、よくわからないまま数週間が過ぎている。日中の陽射しは陽だまりを作るがそれはすぐに北風に蹴散らされてしまう。ただ、確実に春が近づく風景は、確かに在る。梅の花はもう散ってしまい樹は肌寒そうに思える。桜の蕾は少しづつ膨らんでくる。足元にフキノトウをみつけ天婦羅にしたのは数週間前だった。摘み残した花は大きくなり食べられそうになかった。かわりに蕗の茎をもいで、油揚げと共に煮物にした。苦みに満ちた食卓は春だった。 雨の降る一日があった。その中で雨に滲む目に鮮やかな色合いが在った。女子学生の袴姿だった。ビニル傘をさして歩きづらそうに歩いている。そんな時期なのか、と思った。三年…

  • 天婦羅せいろ、大盛で

    一人住まいの母を蕎麦屋に連れて行ったのは母が蕎麦を食べたがっているからだった。父も母も四国は讃岐の人間だ。讃岐はうどん。自分も香川生まれで、物心ついたころからうどんを食べていた。我が家は当時転勤で横浜に住んでいたが母と自分達姉弟は夏休みの度に一月間、讃岐に里帰りをしていた。岡山の宇野から自分の生誕地高松までは国鉄の連絡船が運行していた。そこの甲板で食べるうどんが香川からの歓迎の使者だった。 母の範疇では麺類と言えばうどん、そして支那ソバしかなかった。祖母の家の裏手には屋台に毛が生えたような支那ソバ屋の店があった。うどんを食べてから支那ソバを食べる。いずれも横浜よりもずっと美味しかった。自分の味…

  • オープンマイク

    オープンマイクと言う言葉を知ったのはバンド仲間からだった。ネットにはこう書かれている。「店のマイクを飛び入りの客に開放する」と。カフェやライブハウスで行われるのだろう、ステージ飛び入りで歌う。バンドメイトの彼女は自分たちがやっている音楽とは別に80年代からの良質なJ-POPがお好きなようだった。今ではシティポップと呼ばれて海外にも人気のジャンルだろう。彼女の家に遊びに行くととても嬉しそうに聴いていた。音楽とはかくも人を幸せにするのか、と思うのだった。 飛び込みは度胸がいるな、と思う。伴奏者がいるのかいないのかも分からない。彼女はキーボード奏者でもあるのでピアノの弾き語りなのだろうと思う。見に行…

  • 上州三峰山

    関越自動車道を北に向かう。ゲレンデスキーに熱中していた頃は毎冬の話だった。しかしテレマークスキーでのバックカントリーの楽しさを知ってからはスキー場は無縁になった。いつか関越道は登山やスキー登山のための道路だった。 高崎より北に向かうならその行先は尾瀬、上越国境、越後の山になる。赤城山、皇海山、武尊山、日光白根山、至仏山、苗場山、巻機山、越後駒ケ岳、谷川岳、平ケ岳と錚々たる日本百名山が目の前に聳える。またスキーに滑り止めのシールを張り踵の上がる装備で登山をする。そんな山スキーのルートも多い。その多くは容易な山ではない。ハンドルを握り北へ向かうといつも気になる山があった。それは高崎の北、沼田市にあ…

  • 日陰の文化・亡き人宛の手紙

    実家には老いた母が一人で住んでいる。介護保険の点数を使い切るように様々なサービスを入れている。ヘルパー、デイサービス、介護器具・・。ありがたい世の中で一週間絶えることなく人が出入りしてくれる。そのサービスまで持ってくるのは大変だった。いつも初めに拒否がある。宅配弁当も嫌がった。しかし「お父さんが建てた家で過ごしたい」というのだから仕方なかった。母あての郵便物は全て自分の家に来るように手を打った。 実家のポストを開けて気づいた。なぜか郵便物があり「親展」とあった。それは父宛だった。彼が勤務していた電機メーカーからはしばしOB会の連絡が着ていたので逝去の旨は伝えていたのだが、誰だろう。 封筒の出し…

  • ゼロポイントのアルパインジャケット

    もともとはコアな登山用品ブランドだったものが今ではすっかり街着のブランドになってしまったものがある。直ぐに浮かぶのはノース・フェイス、パタゴニア、そして国産ブランドならモンベルだろうか。いずれも街着としてのブランドステイタスを自分は知らない。多くの方が着ているから人気なのだろう。 出会いは自分がアウトドアに目覚めた1980年代後半だった。モンベルは国産品であり細かいところまで気を使った製品作りだった。そんなモンベル製品の初めはテント、そしてゴアテックスのレインウェア上下だった。テントはバイクでのキャンプツーリングの為に買った。一方のレインウェアは山に行く予定が決まり慌てて登山道具店に駆け込んだ…

  • 9ボルトが欲しい

    おお、なんと13.8ボルトか。良かった、このまま使つていたら壊れたな。煙の一つも出たかもな。ホッとした。 ギター用のコンパクトエフェクターは9ボルトの乾電池で動く。外部からの直流アダプタも同じ電圧だ。乾電池が切れたので手持ちの他のマルチエフェクタ用のDCアダプタを使おうとした。極性と電圧を確認しようとテスターで計測した。ジャックとプラグの芯線がプラスで外皮がマイナスと言う常識はなぜかエフェクタでは通じない。どのメーカーのエフェクタも逆だった。シャシー側がプラスになるのだから怖くないのだろうか?楽器用の回路はまた違うのだろうか?と言っても仕方ない。気づかずにつなぐと保護回路が働きヒューズが飛ぶだ…

  • IDカード・福之記11

    運転免許書、社員証、学生証、そしてマイナンバーカード・・。誰しもが自分の写真が写ったカードを持っているだろう。 犬の写真が入ったカードなど想像もしなかったが、それなら名前をもう少し丁寧に書けばよかった、と思うのだった。保護犬が家にやってきて四か月経った。まだ飼い主の事を信用していないのか、嫌がることがある。留守番、歯磨きだった。留守番はそれが分離不安だと知っても、そこまで吠えなくてもいいだろうに、と思う。帰宅を待ちわびすぎてドアの扉に飛びつくのだからそれは彼の爪によりたくさんの傷が付いてしまった。もう死んでしまった先住犬は子犬から飼ったので乳歯から永久歯への生え変わり時期を共にした。生え変わる…

  • ランステの会員証

    「ステージでへたりたくないのよ、だから走っとかないと。ミックだって今もステージ狭しと踊りながら走り回るでしょ。彼八十歳なのに」 二人とも少し息が上がっていた。酒が入った上に乗り換え駅の階段をダッシュしたのだ。休日前夜の都心の駅でやってきた電車に飛び乗れた。いやぁ、今日のリハは疲れたけど楽しかったね。二時間では足りないね、そんな話からの会話だった。 初めて彼女を観た時自分はプロの歌い手さんなのかと思った。華があった。存在感と言い換えても良い。声量・熱量だろう。スパンコールのついた衣装がスポットライトに煌めいた。ダイアナ・ロスにみえた。ブラックミュージックを演奏する友人のバンドのライブを見に行った…

  • 娘の自転車

    いいの、人の話は聞きたくないの。自分で決めるし人からああだこうだとウンチク聞きたくないの。・・私は一人の時間が欲しいから自転車を買ったの。 くそ、なんで混んでるのかな、渋滞の一番先まで行ってその原因を起こしている「ヤツ」を割り出して謝らした上に排除したい。 僕は余りにおかしくて笑ってしまうのだが同時に申し訳ないと謝りたいのだった。こんな暴言を吐く人とは友達にはなりたくない。しかし認めなくてはいけない。全ては自分から出てきたもの、身から出た錆だと。 最初の言葉は長女から、後ろの言葉は次女から口に出たもの。内容は都度変わるが彼女たちの口から似たような言葉をよく聞く。それは全く僕そのものだった。すま…

  • 山の湯

    登山の楽しみの一つは、山麓の湯だろう。三十年以上昔の政府の肝いり政策・ふるさと創生事業で支給された支援金を元で多くの温泉施設が至る所にできた。下山して緊張が解ける。そこに暖かい湯がある。いつか山が目的なのか湯が目的なのかわからなくなる。有名な温泉地ばかりではなく名もない古くからの温泉地や湯治場もあれは、それこそふるさと創出事業であたりをボーリングして出来た日帰り湯まで、温泉はその気になればすぐに見つかる。 いったいこれ迄幾つの温泉に入ったのか、あいにくと数えていない。登山の回数とそれはほぼ同じだろう。数百カ所だろうか。どの湯も素晴らしいのだが、やはりひなびた共同湯がありがたい。更衣室の篭など数…

  • 僕の椅子

    腰かけると少し音が鳴るのは油が切れているからだろう。もともと余りに大きくて決して気にはいってはいなかったのだ。今の家に引っ越すときに自分の部屋らしい一角を居間の角に設けた。狭い敷地に容積率ぎりぎりまで無理やり立てた三階建てだったが、寝室に加え子供たちにそれぞれ部屋があり、広いリビングがあった。そこに本棚と他の家具で小さなスペースを作ったがそれが自分の部屋ならぬ個人スペースだった。 子供は段ボールでもあればそれを立てて小さな部屋を作る。その上を毛布などで覆い自分の空間を作る。それが楽しい。僕のスペースもそれだった。リビングの隙間に本棚で造り上げた無理やりの空間。そこにはタワー型PCと二台のモニタ…

  • グルーヴィな日々

    グルーブという単語を知ったのは何時だろう。間違いなくそれはアース・ウィンドアンドファイヤ(EW&F)の1981年のナンバー「Let's Groove」だったろう。リアルタイムだった。敢えて邦題にするならば「グルーブしようぜ」になるだろうか。レッド・ツェッペリンとローリング・ストーンズしか聞いていなかった大学生にその音はとても新鮮だった。シンセサイザーベースにボコーダーを被せたリフに艶っぽいボーカルとコーラス、煌びやかなホーン。思えば自分の聞いていたロックサウンドの奥底にそれは根付いていたのだが、そこで自分は初めて直接ブラックミュージックに触れたのだろう。 ではグルーブとは何か?そんな事を聴くよ…

  • 遅咲きのスイセン

    師走から年が明けた睦月あたり、千葉は内房に足を運べば一足早い春に会える。それはスイセンのお花畑だ。スイセンは日本の在来種ではないという。球根を誰かが植えたものが、あるいはそれが野生化したのかかは分からない。 内房には「スイセンロード」と呼ばれる長閑な里道がある。神奈川県の三浦半島の先端からフェリーに乗って東京湾を横断すればそこは近い。車を停めてから細い道を里山に向かっていくとそれは見事なスイセンが随所に咲いているのだった。路傍のスイセンも見事だが正月の花として出荷するために植えている農家さんもあるようだ。スイセンの道をのんびり歩きながら目を西に向けるとイワシ色に輝く冬の東京湾が見える。海岸に戻…

  • 陽だまりとからっ風

    とある群馬県の古刹だった。古刹の裏手には湿地と澄んだ沼があった。数年前に来た時には気づかなかったが砂利敷の駐車場の隣にアスファルトの大きな駐車場があった。それほど有名とも思えぬこの場所にはやや不釣り合いな大きさだった。しかしその一角に真新しいレストランがあった。若い女性がにこやかに笑いながら店先で客引きをしている。普段ならスルーするのだがあまりに素敵な笑顔だったので帰路立ち寄ってみた。ちょっとした甘みや軽食、手作りのお弁当を売っていた。そこはキッチンカーも備えていて、日や時間によっては何処かに売りに行くのかもしれなかった。 三十代だろうか、若い夫婦が切り盛りをしていた。オリジナルデザインの今川…

  • 遊びもほどほどに

    ロックを聴き始めたころはギターの音色は歪んだものと思っていた。そんな音ばかり聞いていた。しかし今では切れ味の良いリズムギターが耳に心地よいのだから音楽的嗜好は変わるものだと思う。それらの音を出すコンパクトエフェクターはギタリストにとっては必須のアイテムだろう。ファズ、オーヴァードライブ、ディストーションなどのひずみ系からディレイ、リバーブなどの空間系、コーラス、フランジャー、フェイザーなどのうねり系など、手に乗る小さな塊は夢の箱か。個人的なギターサウンドの好みはテレキャスターで鳴らすJCになるがツインリバーブも良い音だと思う。では果たしてギターとアンプの間にどんなエフェクターがあるのか、自分は…

  • ソラナックスとゾルビデム

    今までに数えた羊は何匹だろう。その数は数えていないがそんな民間伝承のお世話になったことはある。しかしあまり効果もなく、かえって開き直ってガバっと布団を剥いで起きてしまうことのほうが多かった。すると明日のことが気になり目がますます冴える。仕方なく布団に入りなおす。いつしか寝ている。高校生の頃からそうだった。「寝不足恐怖症」と勝手に呼んでいた。 六年間を超えるヨーロッパ生活の最後の一年は単身だった。なぜか分からぬがその一年は寝付けないことが多かった。海外生活の疲れの蓄積なのか一人住まいのせいか、わからない。会社の人に聞いてとある薬を薬局で買った。医師にかかっていないのだから今思えばどんな薬だったの…

  • やはりそうなりますか

    学生時代の友とは面白い。わずか四年とは言え同じ時間を共有した。当時の彼等の物の言い方も考え方も表情も声もすべて頭に入っているのだから、当時とはシームレスに会話が進むのだった。 あの頃は楽しかったわね。還暦を超えるなんて思ってなかったなぁ、そんな昔話が切り出しになるが、年齢相応に話題が変わっていく。病気自慢に始まる。そして将来の不安へ。もし一人になったとき、何かがあったら誰に発見されるのだろう。溶けていたら嫌だね。溶けるって?人間死んだら腐敗するでしょ、溶けるのよ。やだねと。 認知症になったらどうする?介護保険の枠ですむのかな?汚物を壁に塗りたくりたくないね。何があっても良いように認知症もカバー…

  • つがい

    ♪しょ、しょ、しょじょじ、しょじょ寺の庭は・・・ さて皆出て来い来い来い、となるのだろうか。てっきりこの唱歌はこのお寺が場所なのか、とずっと思っていたがどうやそれは違うようだった。千葉の木更津らしい。しかし童謡の場所を探し当てて何の得があろう。なにごとも現実解に結び付けるほどつまらない事は無い。想像の世界で遊ぶことは楽しい。 実際にニ十体以上の狸の置物が参道に並ぶこの寺にいると、彼らはやはり月夜に誘われて出てきたと思う。そこは確かに月がいかにも綺麗な場所に思えるのだから。 歌はともかくも、どうやらこちらはこの寺の話らしい。 和尚さんは居眠り中。すると彼が何処かで手に入れた茶釜から手足首が出た。…

  • 雪の残滓

    白一色の無機質な壁、重く響く画像診断機の音。雪が降り続くとすべての風景は白に閉ざされる。美しいものも汚れたものも覆われて、区別がつかなくなる。白とは不思議な色だ、と滉一は思った。 自分の病で来たのではないにも関わらず、白い部屋は何故か心を落ち着けてくれる。眼の前の壁が縦に伸び他に広がった。それはなぜか滉一を包みこんでしまう。彼はいつか白い壁に溶け込んでいた。そこに安堵があった。 CT室.、MRI室、血管造影室、放射線治療室。どれほどの「室」に通ったのだろう。脳腫瘍の術後様子を見る。血管にカテーテルを入れる。放射線を頭に当てる。それは彼が癌と戦った記憶だった。 九十になる母親を車椅子に乗せ、かか…

  • こだわる人

    何事も自分の好きなことに熱中している人は傍から見ていて面白い。と言うよりも、良くもそこまで掘り下げるなと関心してしまう。手始めに彼にそれを質問した時、あまりのその世界の奥深さと彼のこだわりに畏れ入ってしまった。 彼は嬉しそうだった。念願の物を手に入れたという。それはとあるロックバンドのLPレコードだった。そのレコード盤は自分も高校生の時に持っていた。しかしレコード盤は家でしか聞けない。当時はカセットテープをポータブルで再生するウォークマンが世に出たころで自分もそんな夢の道具に夢中だった。通学の際にはヘッドフォンを耳にしていつもそれを聞いていた。LPレコードはそれをカセットテープに録音する際に一…

  • 迷走

    ここの所苦戦している。堅苦しく窮屈なのは何事も思った通り事が進まないからだった。鶏が先か卵が先か、ブログに挙げる原稿の話もうまくいかない。ネタが溢れている訳もない。それは部屋の中で座っていると浮かぶという質のものではない。妻と話をする中で、朝晩の散歩の中で、しがないパートの職場にて、時を忘れて趣味を楽しむ時に、友と笑う中で。そんな時にふとある思いが芽吹くのだった。それを頭の中で彩色していく。ネタが浮かばないのは家に籠りきりなのか、それとも感性の枯渇か。ブログは自分にとっては筆慣らしであり、本当にやりたいことは別にあるがこの調子ならそれなど遥かに遠い世界に思える。 自分の頭は以前より物事を深くロ…

  • 泪の量

    一日に一体どれだけの涙が出るのだろう。人間の体の半分以上は水分という。体はある意味貯水池なのかとも思える。そこから出ていく水分と言えば、排泄物、汗、そして泪だろう。すると体重六十キロならば三十リットルの水分を放出できるのか。そんは話は医学的には成立しまい。まず脱水症状がおき生命にかかわるだろう。しかし涙ならいくら出てもたかが知れているのではないか。小さな目玉から溢れるだけだから。 我ながらよく泣くようになったな、と思うのは老境に入ってからだった。正確には会社を早期退職しガンに罹患してからだった。子供から青年を経て成人へ。親に育てられ何処かで独立して家庭人へ。いくつものステージが人間にはある。そ…

  • 迷ったうえで・真空管自作アンプ2

    数か月前に造り上げた真空管アンプ。実は一度しか火を入れていない。卓上で聴く分にはこれも手作りのデジタルアンプと自分で組んだスピーカーユニットで満足のいく音が出ているからだった。1970年代までのブラックミュージックにロックは音が大きいほど心地よいが我が部屋では難しい。控えめな音量で充分だ。実際バンドの練習のためにそれらを小さな音で手短に流すことも多い。が、ピアノ、チェンバロ、オルガン、オーケストラ、合唱が無理ない音量で豊かに聞こえればまずは良いのだった。 良いオーディオとは何だろう。それは選びに選んだ高級なアンプやスピーカー、そして電柱から特別に供給する安定した良質な電源。それをアンプに伝える…

  • オンライン診療

    ここ数日悪寒が取れなかった。職場からの帰りで寒風を浴びたら体の芯から胴震いだった。温かい風呂に無理やり入ったが風呂から出るとまたもや歯が鳴った。 案の定夜半には発熱だった。布団にくるまり蓑虫のように寝るだけだったが寒気が取れない。頓服としてもらっている解熱剤をのむと一時的に熱は冷めるがイタチごっこに近かった。発汗してそれで寒くなるのだった。 仕事、母の通院付き添いなど予定していた行事はすべてキャンセルした。病院にかかりたいと思っがコロナ以降、今は発熱外来という診療科が出き、多くは予約制だった。体調も悪いのにスマホ相手にそんなことはできなかった。簡単そうな治療としてオンライン治療が目についた。成…

  • VY FBな日

    ・・・- -・-- ・・-・ -・・・ 僕はそんな符号を口に出していた。 ・をト、-をツーで読み替えるとトトトツー、ツートツーツー、トトツート、ツートトトになる。何じゃこれはと思うがこれにはある規則性がある。しかし理解するためには覚えなくてはいけない。が、その気になればだれでも覚えられる。そして一度覚えると忘れない。最初の文字はアルファベットのV。次はY。そしてF、Bとなる。VYFBだ。 三日間風呂に入っていなかったのは怠けていたからでもなく体調が悪かったからだ。ずっと熱が続き、解熱剤を飲んでは効能が切れまた飲む、そんなイタチごっこだった。自分でも呆れるほどにひたすら寝た。三日目の午後にようや…

  • 図書の旅38 海と毒薬 遠藤周作

    ●海と毒薬 遠藤周作 角川文庫 昭和35年 コロナが世の中を変えてから発熱程度で気軽に通院する事が出来なくなった。発熱外来と言う予約制の診療科が出来た。病院に来る人の多くは発熱だろうから発熱外来とは何だろう、と思うのだった。昨年末に軽い誤嚥を起こしてから咳が止まらなくなり熱もあった。そこで久しぶりの医院に訪れた。そこは小さな内科医院で家庭的なオペレーションだったのであまり口うるさくないのだろう、と想像した。 社会人になった年に両親は同じ区内だがすこし西側に引っ越した。そこが自分の実家となった。そこに住むようになってから最初にやったのが病院探しだった。もともと喘息持ちだったがやや治まっていた。し…

  • 邪心の入る余地はない

    関東には三大厄除け大師がある。何処だろうと調べるが川崎のお大師様と足立区の西新井大師はよく出てくるがもう一つとなると香取市の観福寺と書かれているサイトもある。すべてが真言宗だ。栃木の佐野厄除大師を挙げているものもある。調べると天台宗だった。実家の宗派は日蓮宗だが自分は宗派にこだわりが無い。万物に神在り、全く日本人だ。 夫婦の年齢は二つ違い。すると二人共に厄年を迎える。前厄と後厄だった。厄除け祈願していかほどの効果があるかは知らぬが、やっておいて損はないだろう。手始めに川崎のお大師様に行った。ここは毎年の初詣では明治神宮、成田山新勝寺と並び人出トップスリー。行列が嫌いなので正月に行くことはない。…

  • 商売上手

    昔から米は十キロの袋だった。いつしかそれは五キロになり今では二キロを買っている。家族も減りそこまでご飯を食べるわけもなく、麺類やパンも食べる。それに二人の食卓なのだからなかなか減らない。二キロはシルバーエイジには適当なサイズだった。 お米二キロの袋はブランドに拘らなければスーパーで千円程度で手に入る。しかしブランドは異なるかもしれぬがそれが1300円で売られるとしたらずいぶんと良い商売をしているなと思う訳だ。 関東も関西もそうだろうが電鉄会社がスーパーマーケットを経営する事例は多い。自分は関東の城南地区しか知らぬが、北から京王ストア、オダキューOX、東急ストア、京急ストア、相鉄ローゼンとなるだ…

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