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158 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog秋草の名もなきをわが墓に植ゑよ 虚子 秋の花、たとえば萩であるとか菊、はたまたかれんな竜胆など。虚子翁に似合う花はいくらでもあるでしょうに、名もなきをと言う。煩わしき現生を終えたなら静かに名もなき秋草とともに眠りたいとおっしゃるのか。
2024/10/31 09:55
196 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog足もとはもうまつくらや秋の暮 草間時彦 この句の季語は秋の暮だがもうひとつ釣瓶落しという秋の季語がある。秋の日がたちまち暮れていくさまをいう、そしてこの句はまさにそのことを詠んでいる。ただ、そのことを暮れ行く足もとに絞り込んで詠んでい
2024/10/30 09:53
130 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blogいざよひのいづれか今朝に残る菊 芭蕉 いざよひ、十五夜を過ぎた月。残る菊、陰暦九月九日の重陽を過ぎた菊にしてもいづれもその美しさに衰えなどない。十日になるが良いではないか、と小宴を張ろうという素堂の好意に感謝し、興ずる心で報いる気持ち
2024/10/29 08:34
157 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blogおもかげのかりに野菊と名づけんか 虚子 「たみさんは野菊のような人だ。」伊藤左千夫の野菊の墓のセリフにあって何故か覚えている。虚子さんも初恋のイメージに野菊を思うようだ。ちと田舎くさく古風だと思うが、それなら何がいいか思い浮かばない
2024/10/28 08:40
195 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog風変るものみな秋の声放つ 文挟夫佐恵 秋になったからと言って風が変るという自覚がない。それと秋の声にもなかった。季節に伴うことごとはあるにはあるが、この句のように押し並べて捉えるとなんのことかと思ってしまう。反面全てに当てはまるように
2024/10/27 12:09
129 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog吹きとばす石はあさまの野分哉 芭蕉 浅間山は長野県と群馬県との境にある2,568メートルの成層火山で活発な活火山として知られている。その浅間山の野分で吹き飛ばされた石の景を「あさま(しさ)」とかけているらしい。いつの時代もしゃれはおも
2024/10/26 12:22
156 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog秋草の襖にひたとよりそひつ 虚子 上五の秋草に私は芒を連想した。それに中七に襖とあるので一定の嵩を感じたのだ。加えて下五によりそひつとあるので高さもあると思ったからだ。ともあれある種の心境を詠んだ句であるがその景に具体性はない。前書
2024/10/25 08:28
194 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog秋風や柱拭くとき柱見て 岡本 眸 人間は一を聞いて十を知るではないが、一つを為すときに同時に十に感応して為すべき者なのかもしれない。ましてや氏ほどに著名な俳人であってみれば尚更感や気配りの素早さ、鋭さといったことに秀でた人もいないだ
2024/10/24 09:59
127 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog月影や四門四宗も只一ツ 芭蕉 長野県の善光寺が複数の宗門によって管理されていることは今日でも常識のようで善光寺四門とか四宗兼学とか言うらしい。この上五の「月影」を真如の月、つまり本当の月、さらに仏の教えはひとつというふうにたとえて
2024/10/23 09:09
155 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog高き窓に芭蕉婆娑たる月夜かな 虚子 高いところにある窓に芭蕉の葉が風に吹かれるのが、袖を翻して踊る姿のように見える月夜であるなあ。婆娑という言葉が初めてであった。しかし、あたりまえと言えばそうだが、知らない言葉って幾つになってもある。
2024/10/22 09:26
193 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog地獄絵の女は白し秋の風 武藤紀子 このblogを書くために、急ぎ地獄絵図をネットで見てみた。ノコギリで刻まれているもの、火で炙られているもの、確かに女性が白く書かれているものもあった。全うに生きるよう諭されているものと思う。作者は、そう
2024/10/21 11:14
126 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog木曽のとち浮世の人のみやげ哉 芭蕉 橡の実は、世捨て人が隠遁の身を養った糧食であるそうな。木曽の谷(長野県)の橡の実を世事に明け暮れしている友人たちへの土産としよう(小学館 芭蕉全句)。私は、橡餅ぐらいしか知らないのだが、何やら田舎のお
2024/10/20 14:25
154 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog丸き窓にともし火うつる芭蕉かな 虚子 この句、明治30年2月8日新聞「日本」とある。この頃といえども丸窓は珍しかったのではないだろうか。その外側には芭蕉の葉が覆っているというのだ。しかもともし火まで写っているという。純和風というより洋風で
2024/10/17 11:18
192 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog秋風やひとさし指は誰の墓 寺山修司 誰かが人差し指を立てて「これって誰の墓だと思う」なんて言ったら「おいおいもう帰って休めよ、だいぶ疲れているようだ。」とか言ってしまいそうだ。寺山修司さんは演出家のイメージが強い。雰囲気のある個性的な
2024/10/16 10:52
125 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog身にしみて大根からし秋の風 芭蕉 大根の辛味は、「イソチオシアネート」と言う成分によるものだそうです。 すりおろしたり、切ったりしたときに大根の細胞が破壊されることで生成され、夏どり栽培では辛味が強くなり、逆に冬どり栽培では弱くなる
2024/10/15 12:03
153 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog百舌鳥なくや棺下して二三人 虚子 私が幼児の頃にはまだ我が地域には土葬があって子供心に怖かったものである、昭和三十四、五年の頃であった。この句は明治二十九年十一月五日『自選類題虚子句集』「日本人」とあるので、当然土葬の一シーンと解した
2024/10/14 12:19
191 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog秋風のふくままろくろ廻るまま 川北半泥子 半泥子は魯山人と並称される近代を代表する陶芸家。明治十一年生まれ。俳人梶島一藻に師事(毎日新聞社版 名句の所以 小澤實)。この句の後には「生きにけり」といった己が人生への詠嘆が込められていよう。
2024/10/13 12:01
124 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blogいざよひもまださらしなの郡哉 芭蕉 貞享五年(1688)年八月更科紀行。上五中七とひらがなで柔らかく時の流れを月に託し、さらに下五で場所を言う。十五夜を過ぎまだ十六夜をこの更科の地にいる。そしてそのことにたっぷりと酔い浸っているのである。
2024/10/11 11:53
152 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog住まばやと思ふ廃寺に月を見つ 虚子 よくわからない句である。上五「ばや」は「自己希望」の終助詞で、住みたいと思うと解した。だが、それは廃寺だと言う。住職も居なくなり、寺の佇まいを残した寺家屋と解した。そこから見る月は格別であろうとは
2024/10/10 10:44
190 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog秋風にあらざるはなし天の紺 高橋馬相 この句、下五の「天の紺」で読みが止まってしまった。単なる天空ではなく宗教的天に広がる空間のことであろうか。 地上を吹く風の全てが秋風となった、という季節への感慨が天の紺へと続くことを言いたいのか
2024/10/09 10:07
123 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog俤や姨ひとりなく月の友 芭蕉 季語、月の友は、秋の月見に招いた客のことを言うと歳時記にあった。問題は中七の姨である。解説によると姥捨山(長野県)に捨てられて泣く老女とある(小学館 芭蕉全句)。これはいくら読み込んでも出てこない、難しい配置
2024/10/08 13:42
151 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog手をそれて飛ぶ秋の蚊の行衞かな 虚子 この句は打とうとする手を逸れて逃げる秋の蚊を詠んで、その行方の中に秋の空気をも読み込んでいる。この柔らかな空気感が虚子的で現代俳句からすれば曖昧で類想感があって敬遠される性質のものかもしれないが、
2024/10/07 13:33
189 『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blogうてばひゞくわれと思ふや秋の風 久保より江 一読後、自惚れた女流俳人だと思った。二読、これは周りに自慢する心境ではなく、特定の誰かを意識しての虚勢だと感じた。解説文を読み医学博士たる夫への恨み辛みとわかった。とすればこの句、慎ましく「
2024/10/06 12:08
122 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blogあの中に蒔絵書きたし宿の月 芭蕉 まんまるく浮かび出た宿の月、その中に絵などを描いてみたいと稚気溢れるこ粋な句である。「蒔絵」の意味に身構えたが、普通に水墨画ほどの意味と解した。○○ちゃん好きだよ。などと書ければ今時とてつもなくバズる
2024/10/04 09:44
150 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より
Ryo Daimonji Blog何草ぞも蝸牛の葉を食うて居る 虚子 これは難しい。上五「何草ぞも」と中七下五の意味がよくわからないのである。何草ぞも、何の草であろうかと係助詞ぞ、もを重ね強く疑問を訴える。そしてその草が蝸牛の葉を食うて居るというのだが、蝸牛の葉は
2024/10/03 11:04
188『名句の所以』(著:小澤實)から
Ryo Daimonji Blog秋風に吹かれて開く扉かな 篠原温亭 この句に場所や何の扉かなどは一切書かれていない。こういう場合、心具合、心境、感覚を言っている場合が多いと思う。春風であれば少し希望を感じるのだが、秋風となると希望や期待というより無に近い観察眼を感
2024/10/02 11:51
121 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)
Ryo Daimonji Blog桟やいのちをからむつたかずら 芭蕉 確かにつたかずらは不思議な存在感がある。紅葉した時の美しさは派手さはないのだが目を見張る美しさがある。この句、上五に「桟」を置き「かけはし」と読ませる。そして命にからむつたかずらと命と命を渡すものと
2024/10/01 11:19
2024年10月 (1件〜100件)
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