6月23~30日に開催された第102回日本水彩画展において、台湾の風景を鮮やかに描き続けた画家・陳榮和(1928〜2005)の作品が再び展示された。1970年代に11年連続で入選を果たした彼の再出展は、台湾の文化的アイデンティティを日本に伝え、日台の美術交流史に新たな光を投じる。今回の展示は、陳氏の娘さんが日本水彩画会に父親の資料を提供したことから実現した。同会は陳氏の入選記録や、同期の画家カヤノ氏、ヨシダ氏、タカイカワ氏、中江氏らのリストをスキャンして提供。1970年代の美術活動をたどる貴重な史料となり、陳氏の功績を再評価する契機となった。日本統治下の台湾・屏東に生まれ、台湾師範大学美術系第一期生として水彩画で首席卒業した陳氏は、画家としてだけでなく、屏東女中や台北市士林商職で美術教師を務め、日本ぺんて...台湾の風景に託した思い陳榮和日本水彩画展での再出展