【鬼滅 if 現代編】第10話「盃」

【鬼滅 if 現代編】第10話「盃」

殺しに行った相手に、逆に窘められて帰るという顛末は、燈子の短い生涯の中でも特に忘れ得ぬ記憶として刻まれる事となった。いつの間にか降り始めた小雨は次第に強くなり、敗北感に打ちひしがれた燈子の頭を、追い討ちをかけるように小突き回す。 「あーあ、何やってんだろ、私」 濡れた制服に体温を奪われ、何度もブルリと震えながら、足は自然と可楽の居る道場へと向かっていた。 「で、可楽に会ってどんな顔を向ける…