七日七夜・・14 白蛇抄第4話
その夜遅くかなえは馬屋に足を運んだ。思った通り黒影の番の為に青波は馬屋に泊まり込んでいた。人の入ってくる気配に馬達が脅えた様であったがその主が誰か判ると馬も静まり返ってしまう。「遅うに・・・誰であろう」歩んでくるものの静かで、身体の軽い足音がかなえでは無かろうかと思うと青波の胸が高鳴るのである。「青波」「あ」想う人である。青波は居住まいを正しながら「どうなさいました?黒は、大丈夫で御座いますに。こんなに遅うに御外へ脱け出すと乳母やが心配なさいましょう?」「はい。それでも、かなえも城の外に抜けられぬ様になって、逢う事も叶わぬ人が、おると判れば・・・」「え」「童子」「は、はい?」「お会いしとう御座いました」「な、何の事やら」「おとぼけなさりますな。先ほど、影が映りましたに。鬼の影でしたに」「し、しもうた」かな...七日七夜・・14白蛇抄第4話
2022/12/10 11:00