あ! ハッとすると同時に動悸がしました (玄関の鍵をしてきただろうか?) 外に出たとき、ちょうど2軒隣の方とバッタリ会い 少し立ち話をしたのですが、 そのあと鍵を掛けたかどうか、うろ覚えです ドキドキドキドキ不安でいっぱいになりました しかし、引き返すのは億劫です 引き返す...
使い終えたバスマットを干そうと、ベランダに続く掃き出し窓をガラッと開けました。 昨日までの光景とどこか違う、そう感じたのは 仕切り板の向こうが真っ暗で、しんとしているからでしょう。 うちは集合住宅のマンションです。 各戸のベランダは隣戸との仕切り板 【非常の際には、ここを破...
菓子折り - この町内の片隅から 2Bのかきかた鉛筆から、スーパーの広告の裏にサラサラとこぼれる文字は、 「探さないでください」 学習机の脇に突っ立ったまま、息を詰めてその文字を見つめていました。 2Bなのに字が掠れてる…見当違いの疑問を覚えながら。 僅かな着替えを入れた赤...
何かの情報誌を読んだのか、ニュースで知ったのか、 その小さなパン屋さんの佇まいが頭の片隅に残っていました。 地元の方しか知らないような狭い路地を迷いながら進むと、 いつも表に自転車が停まっている木造の二階屋が現れます。 看板も何もありません。 多少滑りのわるいガラス戸をギシ...
ヤツがきた 今年もきた 昨日あたりから怪しかった だるい ずるずる引き摺り込まれる 地獄の底に引き摺り込まれる だるい かゆい 顔だか身体だかうずうずする うずうずは、いつくしゃみに変貌するか分からん くしゃみは怖ろしい うっかりすると腰を痛める これ以上苦しい目に遭いたく...
カジュアルな神さま - この町内の片隅から ある日突然、神さまから人を治す力を預かった方のお話しの続きです 神さまとの約束は、決して報酬を受け取ってはならない、 欲を出してはいけない、この2点です すべて妄想。フィクションです 〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜...
カイダン 怪談 - この町内の片隅から 朝から冷たい雨が降りしきる灰色の日でした。 つい3日ほど前は、コートがいらないくらいポカポカ暖かい日でしたので、 冷たい雨が身に染みます。 少しホッとしたのも束の間。 春になろうかなるまいかの頃は、行ったり来たり、着たり脱いだり。 記...
「アカンくても美味しいものは心の健康には良いから、 食べすぎなきゃ食べてええんよ」 こんな世の中でも、ほんの時たま 珠玉のような瞬間、珠玉のような言葉を拾うことがあります。 あぁよかった、こんな瞬間を感じられて あぁよかった、こんな言葉を耳にできて 生きていてよかった、そう...
だいぶ慣れましたが、未だに戸惑うことがあります。 とある公共施設のエレベーターのボタン (どっちが開くほうでどっちが閉まる方だったかしらん?) 一瞬の躊躇いのあと、一抹の不安を胸にどちらかを押します。 いま、息せき切ってエレベーターに辿り着いたどなたかの目の前で、 うっかり...
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あ! ハッとすると同時に動悸がしました (玄関の鍵をしてきただろうか?) 外に出たとき、ちょうど2軒隣の方とバッタリ会い 少し立ち話をしたのですが、 そのあと鍵を掛けたかどうか、うろ覚えです ドキドキドキドキ不安でいっぱいになりました しかし、引き返すのは億劫です 引き返す...
【全てフィクションです】 長いことずっと平和だった そりゃ、ちょっとした諍いや揉め事はあったが、 平和だった コトが起きたら、いつもおじぃの出番 長年の経験と知恵でモノゴトを丸く収めてくれる 誰もがおじぃを頼りにしてた おじぃの言うことは絶対だ タタラと呼ばれる若者が、何処...
気がついたら、穴があいていました。 人ひとり、すっぽり入ってしまえるくらい大きくて深い穴です。 そっと覗き込むと、中は薄暗く、奥の方はどうなっているか分かりません。 穴を避けて生活していました。 最初は不自由でしたが、慣れてしまえばどうってことありません。 人はどんなことに...
気になった透かしブロックたち あっは〜ん 妖しい笑みに吸い込まれそうになったわたしを、 現実に引き戻したのは、無造作に引っ掛けられた洗濯ばさみ達でした コノサキ タチイリキンシ ゴエンガアレバ マタイツカ とあるごみ捨て場にて 気になった置物?オブジェ? 1ヶ月以上経っても...
70年断食の印ヨガ聖者、科学者も仰天 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News 買い物に出かけた息子から一枚の画像が送られてきました。 おにぎり1188円! 30%引きで899円!(税込。税込いちいちめんどくさ) 物価高ついにここまで! もう生きてらんねー いよいよ不食...
ロ(ろ)の字形式に並べられた長机を囲む面々に、薄い冊子が配られました。 【カンタン料理 さなこのレシピ】台本 出演 料理研究家 東條さなこ (以下さなこ) アシスタント 石田スズカ (以下アシ) さなこ「用意する道具はこちらです」 テーブルの上には丼鉢と大きめのスプーンが...
この子、いつからウチにいたんだろう? 脱水時の音が大きくなったような気がする洗濯機を、不安げに見つめました。 いま壊れたら困る いや…「壊れる」なんて言葉を軽々しく口にしてはいけない 一晩考えた挙句、 次の日から、洗濯機に向かって声を掛けることにしました。 スイッチを入れる...
※ すべてフィクションです 「はい!カーーット!」 監督の合図にハッと我に返った。 ささくれ立った畳 一口だけのコンロ 剥がれ落ちた壁紙を隠すためのポスターがペラっと剥がれかけている 西日が眩しい 窓からの眺めは、あの頃と変わらない 〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜 ...
使い終えたバスマットを干そうと、ベランダに続く掃き出し窓をガラッと開けました。 昨日までの光景とどこか違う、そう感じたのは 仕切り板の向こうが真っ暗で、しんとしているからでしょう。 うちは集合住宅のマンションです。 各戸のベランダは隣戸との仕切り板 【非常の際には、ここを破...
菓子折り - この町内の片隅から 2Bのかきかた鉛筆から、スーパーの広告の裏にサラサラとこぼれる文字は、 「探さないでください」 学習机の脇に突っ立ったまま、息を詰めてその文字を見つめていました。 2Bなのに字が掠れてる…見当違いの疑問を覚えながら。 僅かな着替えを入れた赤...
何かの情報誌を読んだのか、ニュースで知ったのか、 その小さなパン屋さんの佇まいが頭の片隅に残っていました。 地元の方しか知らないような狭い路地を迷いながら進むと、 いつも表に自転車が停まっている木造の二階屋が現れます。 看板も何もありません。 多少滑りのわるいガラス戸をギシ...
ヤツがきた 今年もきた 昨日あたりから怪しかった だるい ずるずる引き摺り込まれる 地獄の底に引き摺り込まれる だるい かゆい 顔だか身体だかうずうずする うずうずは、いつくしゃみに変貌するか分からん くしゃみは怖ろしい うっかりすると腰を痛める これ以上苦しい目に遭いたく...
カジュアルな神さま - この町内の片隅から ある日突然、神さまから人を治す力を預かった方のお話しの続きです 神さまとの約束は、決して報酬を受け取ってはならない、 欲を出してはいけない、この2点です すべて妄想。フィクションです 〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜...
カイダン 怪談 - この町内の片隅から 朝から冷たい雨が降りしきる灰色の日でした。 つい3日ほど前は、コートがいらないくらいポカポカ暖かい日でしたので、 冷たい雨が身に染みます。 少しホッとしたのも束の間。 春になろうかなるまいかの頃は、行ったり来たり、着たり脱いだり。 記...
「アカンくても美味しいものは心の健康には良いから、 食べすぎなきゃ食べてええんよ」 こんな世の中でも、ほんの時たま 珠玉のような瞬間、珠玉のような言葉を拾うことがあります。 あぁよかった、こんな瞬間を感じられて あぁよかった、こんな言葉を耳にできて 生きていてよかった、そう...
だいぶ慣れましたが、未だに戸惑うことがあります。 とある公共施設のエレベーターのボタン (どっちが開くほうでどっちが閉まる方だったかしらん?) 一瞬の躊躇いのあと、一抹の不安を胸にどちらかを押します。 いま、息せき切ってエレベーターに辿り着いたどなたかの目の前で、 うっかり...
青い空に映える何か知らん花 花の名前、あまり知らない チューリップとかたんぽぽとか桜とか紫陽花とかカラーとか 雪柳とか(いちばん好き) 金魚草とかとか…だったら分かる (けっこう知ってるじゃん笑 自分で言うな) なんだか知らなくても あーキレイって思えた それだけでいい そ...
ある侍女の告白 其の七 侍女 - この町内の片隅から 「痛い。痛い。痛い」 朝からひっきりなしに頭を駆け巡る言葉は「痛い」 ただ一言です。 身体のどこかが痛いということは、なんて情けなくて悲しいことでしょう。 空気が抜けて、しゅるしゅるしゅると萎んでいく風船のように頼りない...
地元のフリーペーパー1月号で企画される 「お年玉プレゼント」を毎年楽しみにしています。 何軒かの店舗と協賛で、さまざまな商品が提供されます。 ことしは、18店舗協賛 お食事券、ワイン、商品券、フルーツサンド、アカスリサロン… 嬉しいな どれにしようかな? わくわくしながら選...
ふわふわってのが食べたい 強烈な思いを抑えきれず、レンジでバナナチョコケーキなるものを 作ってみました。 材料を混ぜて、5分レンジにかけるだけです。 オートミールも混ぜてみました。 うーむ? 何というか?微妙だ…適当すぎたか? 近所に、週末だけ営業している米粉のパン屋さんが...
一見すると、すこし歪でふっくらしたチョコビスケットです。 小さく一口かじると、ザックリとした食感の 粗めのビスケットだと分かります。 同時にとろりとしたオレンジジャムが口の中に溢れます。 歪でふっくらしたものは、ビスケットにポテッと塗られたオレンジジャムでした。 チョコに覆...
訪れたのは春まだ浅い3月 アーケードのある商店街に昔からあるパン屋さんです。 この場所に老舗のパン屋さんがあることは 知っていましたが、通りがかりに薄暗い店内に陳列してあるパンを のぞき窓からチラチラ眺める程度でした。 硬いパンが評判と聞きました 硬いパンとは珍しい いつか...
織姫の父である天帝さまから呼び出しがあり、 ぎゅっと心臓を掴まれたような心持ちになった。 身に覚えがある…ありすぎる うまくやってきたつもりだが、天帝さまの目は誤魔化せなかったか? 仕方ない…重い足取りで呼び出しに応じた。 ある侍女の告白 - この町内の片隅から 『ま...
その名を聞くと誰もが 『ほぉー!』 と感嘆の声を上げる、県内トップクラスの進学校に通う息子さんのことで 年下の友人から連絡がありました。 登校しようとすると身体に不調が現れるらしいです。 学校に行けないケースは一括りにできません。 似たように見えても、それぞれ事情が違います...
『もう決めたの。7月7日が過ぎたらお父さまに頼んでみるわ。 …あぁでも7月7日まで1ヶ月もある。 うんざりだわ。明日にでもお願いしてみようかしら』 わたしが、彦星さまと引き裂かれた織姫さまのお世話をするようになって 何年経ったでしょう。 泣き暮らしていた織姫さまが徐々にお元...
スーパーの裏口で真っ黒い塊を見つけハッとしました。 (驚くことはない、ただの猫の塊だ) なんだ、猫だったのか そろそろと近づきましたが、逃げるでもなくジッとしています。 (それは何というものだ?その小さい四角いもの。 四角いものに目をやりながら歩くヒトをよく見かける) スマ...
うろうろしているうちに、自分が何処から来たか分からなくなりました。 焦って闇雲に進んでみても、地下鉄の駅に辿り着けません。 寂れかけた商店街の中程に、こぢんまりとしたパン屋さんを見つけたので 道を尋ねようと中に入りました。 4、5人も入ればぎゅうぎゅう詰めになりそうな小さな...
たった今、パンの焼き具合を確かめる魔女を蹴り上げ、 真っ赤に燃え盛るカマドにぶち込んでやった 渾身の力で扉を閉める。 『ギャーーー!』 この世のものとは思えぬ恐ろしい叫び声 仕方ない ヤらねばヤられていた タラリと伝う汗を乱暴に拭って息をついた 〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜...
最後の講座が終わったあと、 ひとりひとりに『無料占い券』が配られました。 いつだったか、手相占いの講座に通ったときのことです。 講座は終了したものの、核心に触れる内容に達したとは言えず、 特に得たものも無く (これで終わりなのか?)肩透かしを食らったような最後に配られた 『...
『はい、これ』 頼んだ買い物の中から、息子がごそごそ取り出したのは 『カーネーションと淡い色合いのタオルというか?手拭いのセット』でした。 5〜6年前の母の日のことです。 何でも揃う遠くのスーパーまで、車で買い物を頼みました。 『なにこれ?頼んでない』 『きょう、母の日らし...
『来る?』 連休前に息子Aに聞いてみました。 しびれを切らしたころ、やっと届いた返事は 『忙しいでムリ』 ふうふうと途中まで膨らみかけた風船が、ポロッと口から落ちて シュルシュルと萎んでいくのを感じました。 小さくペチャンコになった風船をポイっとゴミ箱に捨て、 (がっかりな...
若葉のころでした。 何通かのダイレクトメールと一緒に一通のハガキが届いたのは… クルッとひっくり返すと真っ白いハガキいっぱいに大きく、 『ヒダリ』 誰が送ってきたか分かりません。 何のことだろう? 何処から届いたのだろう? 気になりましたが、日常に紛れ、妙なハガキのことは忘...
緊張が走って、ハッとして 脳裏が真っ赤になるくらいの悔しさが伝わってきて、 耳をつんざく音がした。 すこし安堵したり、またハラハラしたり。 息を止めて思わず目を瞑った。 息を整えてからまたページをめくり、ホッとした。 そうきたか! そうして少しだけニヤリと笑えた 泣きそうに...
2月上旬の画像 濃い桃色を思い浮かべながら撮りました 最近の画像 時季を逃してしまったので、緑の葉っぱ混じりになってしまいました この駐車場の片隅を濃い桃色に染める『花桃』です。 名所でも何でもありません。人通りも少ないこの場所に咲く花を 気に留める人も居ないと思いますが、...
『こちらです。どうぞ』 枯葉色のドアを開け、中に入る不動産屋さんに続き、 半畳ほどの狭い三和土に立ちました。 1Kの部屋全体に立ち込めるムッと異様な匂いに、 暫し言葉を失くしました。 20代前半の頃、実家を出てひとり暮らしをするため、 駅近の手頃な部屋を探していた時のことで...
誰かに言いたくて仕方なかったのかもしれません。 『浮気』 『不倫』 『相手はシングルマザー』 『探偵事務所』 『弁護士』 『慰謝料』 … 一旦口火を切ったら、歯止めが効かなくなったのでしょう。 怒涛のように聞きなれない言葉が次から次へと 耳に流れ込んできました。 時には静か...
『ふふふっ』 天から声が降りてきた? それとも幻覚なのか? ダイジョブ?…自分 薄手のカーテンでシャッと仕切られただけの四角い箱、 靴を脱いで上がったここは大きなショッピングモールの片隅にある試着室です。 試着室に引っ掛かっているS字フックに、細い足をぶらぶらさせて座ってい...
『財布の中にある一番高額な紙幣を取り出してください』 (え!何が入ってたっけ?) ごそごそ探ると、奇跡的に紙のお金が数枚入っていました。 千円札を大事に取り出して目の前に置きました。 『では、紙幣の真ん中からやや左を左の親指と人差し指で挟み、右側は右手の親指と 人差し指で同...
電車の扉がプシューと開きました。 ホームには2人の駅員さんに付き添われた車椅子の男性。 大柄でガッチリした体格の方です。 車椅子ごと乗車するのだろうか?やや緊張しながら待ち構えていましたら、 乗車口の手前でよろよろと車椅子から降り、おぼつかない足取りながらも1人で乗車 され...
駅の券売機でTOICAにチャージしようとしました。 2台ある券売機の前には、どちらも数人が並んでいます。 片方に並びました。 春休み中の中高生くらいの女の子3人が券売機の前で固まっていました。 様子を窺うと、直ぐに切符を買うでもなく、何となく行き先を決めかねて 顔を寄せ合い...