あ! ハッとすると同時に動悸がしました (玄関の鍵をしてきただろうか?) 外に出たとき、ちょうど2軒隣の方とバッタリ会い 少し立ち話をしたのですが、 そのあと鍵を掛けたかどうか、うろ覚えです ドキドキドキドキ不安でいっぱいになりました しかし、引き返すのは億劫です 引き返す...
一見すると、すこし歪でふっくらしたチョコビスケットです。 小さく一口かじると、ザックリとした食感の 粗めのビスケットだと分かります。 同時にとろりとしたオレンジジャムが口の中に溢れます。 歪でふっくらしたものは、ビスケットにポテッと塗られたオレンジジャムでした。 チョコに覆...
訪れたのは春まだ浅い3月 アーケードのある商店街に昔からあるパン屋さんです。 この場所に老舗のパン屋さんがあることは 知っていましたが、通りがかりに薄暗い店内に陳列してあるパンを のぞき窓からチラチラ眺める程度でした。 硬いパンが評判と聞きました 硬いパンとは珍しい いつか...
織姫の父である天帝さまから呼び出しがあり、 ぎゅっと心臓を掴まれたような心持ちになった。 身に覚えがある…ありすぎる うまくやってきたつもりだが、天帝さまの目は誤魔化せなかったか? 仕方ない…重い足取りで呼び出しに応じた。 ある侍女の告白 - この町内の片隅から 『ま...
その名を聞くと誰もが 『ほぉー!』 と感嘆の声を上げる、県内トップクラスの進学校に通う息子さんのことで 年下の友人から連絡がありました。 登校しようとすると身体に不調が現れるらしいです。 学校に行けないケースは一括りにできません。 似たように見えても、それぞれ事情が違います...
『もう決めたの。7月7日が過ぎたらお父さまに頼んでみるわ。 …あぁでも7月7日まで1ヶ月もある。 うんざりだわ。明日にでもお願いしてみようかしら』 わたしが、彦星さまと引き裂かれた織姫さまのお世話をするようになって 何年経ったでしょう。 泣き暮らしていた織姫さまが徐々にお元...
スーパーの裏口で真っ黒い塊を見つけハッとしました。 (驚くことはない、ただの猫の塊だ) なんだ、猫だったのか そろそろと近づきましたが、逃げるでもなくジッとしています。 (それは何というものだ?その小さい四角いもの。 四角いものに目をやりながら歩くヒトをよく見かける) スマ...
うろうろしているうちに、自分が何処から来たか分からなくなりました。 焦って闇雲に進んでみても、地下鉄の駅に辿り着けません。 寂れかけた商店街の中程に、こぢんまりとしたパン屋さんを見つけたので 道を尋ねようと中に入りました。 4、5人も入ればぎゅうぎゅう詰めになりそうな小さな...
たった今、パンの焼き具合を確かめる魔女を蹴り上げ、 真っ赤に燃え盛るカマドにぶち込んでやった 渾身の力で扉を閉める。 『ギャーーー!』 この世のものとは思えぬ恐ろしい叫び声 仕方ない ヤらねばヤられていた タラリと伝う汗を乱暴に拭って息をついた 〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜...
最後の講座が終わったあと、 ひとりひとりに『無料占い券』が配られました。 いつだったか、手相占いの講座に通ったときのことです。 講座は終了したものの、核心に触れる内容に達したとは言えず、 特に得たものも無く (これで終わりなのか?)肩透かしを食らったような最後に配られた 『...
『はい、これ』 頼んだ買い物の中から、息子がごそごそ取り出したのは 『カーネーションと淡い色合いのタオルというか?手拭いのセット』でした。 5〜6年前の母の日のことです。 何でも揃う遠くのスーパーまで、車で買い物を頼みました。 『なにこれ?頼んでない』 『きょう、母の日らし...
『来る?』 連休前に息子Aに聞いてみました。 しびれを切らしたころ、やっと届いた返事は 『忙しいでムリ』 ふうふうと途中まで膨らみかけた風船が、ポロッと口から落ちて シュルシュルと萎んでいくのを感じました。 小さくペチャンコになった風船をポイっとゴミ箱に捨て、 (がっかりな...
若葉のころでした。 何通かのダイレクトメールと一緒に一通のハガキが届いたのは… クルッとひっくり返すと真っ白いハガキいっぱいに大きく、 『ヒダリ』 誰が送ってきたか分かりません。 何のことだろう? 何処から届いたのだろう? 気になりましたが、日常に紛れ、妙なハガキのことは忘...
緊張が走って、ハッとして 脳裏が真っ赤になるくらいの悔しさが伝わってきて、 耳をつんざく音がした。 すこし安堵したり、またハラハラしたり。 息を止めて思わず目を瞑った。 息を整えてからまたページをめくり、ホッとした。 そうきたか! そうして少しだけニヤリと笑えた 泣きそうに...
2月上旬の画像 濃い桃色を思い浮かべながら撮りました 最近の画像 時季を逃してしまったので、緑の葉っぱ混じりになってしまいました この駐車場の片隅を濃い桃色に染める『花桃』です。 名所でも何でもありません。人通りも少ないこの場所に咲く花を 気に留める人も居ないと思いますが、...
『こちらです。どうぞ』 枯葉色のドアを開け、中に入る不動産屋さんに続き、 半畳ほどの狭い三和土に立ちました。 1Kの部屋全体に立ち込めるムッと異様な匂いに、 暫し言葉を失くしました。 20代前半の頃、実家を出てひとり暮らしをするため、 駅近の手頃な部屋を探していた時のことで...
誰かに言いたくて仕方なかったのかもしれません。 『浮気』 『不倫』 『相手はシングルマザー』 『探偵事務所』 『弁護士』 『慰謝料』 … 一旦口火を切ったら、歯止めが効かなくなったのでしょう。 怒涛のように聞きなれない言葉が次から次へと 耳に流れ込んできました。 時には静か...
『ふふふっ』 天から声が降りてきた? それとも幻覚なのか? ダイジョブ?…自分 薄手のカーテンでシャッと仕切られただけの四角い箱、 靴を脱いで上がったここは大きなショッピングモールの片隅にある試着室です。 試着室に引っ掛かっているS字フックに、細い足をぶらぶらさせて座ってい...
『財布の中にある一番高額な紙幣を取り出してください』 (え!何が入ってたっけ?) ごそごそ探ると、奇跡的に紙のお金が数枚入っていました。 千円札を大事に取り出して目の前に置きました。 『では、紙幣の真ん中からやや左を左の親指と人差し指で挟み、右側は右手の親指と 人差し指で同...
電車の扉がプシューと開きました。 ホームには2人の駅員さんに付き添われた車椅子の男性。 大柄でガッチリした体格の方です。 車椅子ごと乗車するのだろうか?やや緊張しながら待ち構えていましたら、 乗車口の手前でよろよろと車椅子から降り、おぼつかない足取りながらも1人で乗車 され...
駅の券売機でTOICAにチャージしようとしました。 2台ある券売機の前には、どちらも数人が並んでいます。 片方に並びました。 春休み中の中高生くらいの女の子3人が券売機の前で固まっていました。 様子を窺うと、直ぐに切符を買うでもなく、何となく行き先を決めかねて 顔を寄せ合い...
あんな些細なことで怒るなんて思わなかった。 考えなしに言葉を発した自分がわるかったのだろうか? 喉元まで込み上げる塊をグッと飲み込んだわたしは、 上下の取り合わせも何もなく、手近にあった服にサッと着替え、 財布とケータイだけリュックに押し込んで、黙って外にでました。 行くあ...
『ちょっと!あなた!お待ちなさい! アタシを見るのよ!』 突然呼び止められ、きょろきょろと辺りを見回しましたが、 誰もいません。 (空耳かしら? それにしても随分はっきり聞こえたわ?) 『空耳なんかじゃなくってよ!アタシよ! ア・タ・ク・シ! あなたの直ぐ目の前よ。 ボッ〜...
廃屋の裏手に広がる空き地。 いつの頃からか、ここに洗濯機が放置されています。 寂しげに佇む洗濯機が気に掛かるので、ときどき遠回りをするのですが、 その日、通り過ぎようとしましたら 洗濯機の向こうに何かいる! 近所の飼い猫なのか? 住み着いているのか? 暫し見つめ合う1人と1...
その夕方、最寄り駅の構内にて地元の飲食店の 出店イベントがありました。 ケーキ、和菓子、お酒、居酒屋風お惣菜… ちょっとした立ち呑みテーブルの用意まであります。 おいしそうだけど、高そうだな… 賑わい始めた屋台を横目にサッサと通り過ぎようとしたところ、 いちばん端の屋台に食...
『マンション内で、リフォームされるお宅が数軒あるんですよ。 さらに何軒かまとまると、かなりお安くなります。 来月までの期間限定なんですが、いま、ご一緒にされるお宅を募っているので、 訪問させてもらいました』 『実は、先日あるお宅の浴室工事に入ったんですが、 タイルを剥がして...
『配達完了:ご注文商品の配達が完了しました』 遅い時間に、Amazonから配達完了のメールが届きました。 (手渡しだと思って待っていたのに? ポストに入る大きさだったのかな?) 翌朝、わくわくしながら一階の集合ポストを覗いたのですが、 (ウチは集合住宅のマンションです) 荷...
『やっぱり、貰っていくわ。包んでくれる?』 息子に食べさせたいと思って焼いた 林檎のケーキです。 手をつけずに帰ろうとしたので、 持って行って食べなさい、と 勧めましたが、荷物になるからか、気が進まなさそうでした。 まぁいいか、自分が食べれば… そう思いましたが、 貰ってく...
今年も、怖れていた日がやってきた。 ある朝起きたら、目が腫れ上がっていた とてつもなくダルい 何年か前の春先、突然症状が現れて以来、 それは毎年律儀にやってくる。 この頃は空気が乾燥するから、唇がカサカサに荒れて時には血が滲む ダル過ぎて、リップひとつ塗ることすら面倒だ ...
3日ほど覗かなかっただけで、 どっさり溜まっていた。 季節の変わり目に送られてくるズシッと重い通販カタログの類、 ピザ屋、宅配寿司、塾のチラシ、スイミングスクール、 水道修理のシール、リフォームの案内、市の広報… 1階にある集合ポストの中を見ただけで うんざりした。 中身を...
随分前から、公共施設の多目的トイレに、このお知らせが貼ってありましたが、 気がついたら、いつの間にか外されていました。 … もう必要なくなったのかな? と思っていましたら、 館内にまた! ゴミ箱、加工しました (加工 自分) < お知らせ部分拡大 わたしだって、他人様のこと...
叶うことなら、不食の人になり、 人気のない廃墟の陰に居を構え 忍者のように身を潜め、 目立たず、ひっそり生きるのが 望みだというのに… 朽ち果てかけているビル 裏口 毎年イヤでもやってくる『生まれた日』 というものを当事者でも無いのに何故か 覚えている友だちが2人ほどいまし...
いつ降ってきてもおかしくないような鉛色の空でした。 その頃所属していた、サークルの友だち2人と お茶を飲んでの帰り道でした。 朝から心に引っ掛かっていたことが思わず言葉になりました。 『この近くに◯◯くんのアパートがあるよね』 (同じサークルの◯◯くんです) 『あ〜そうだっ...
徒歩1分にある小さなスーパーでは、週に3日ほど、 先着100名に6枚綴りの30円割引シールが配られます。 その日1日限りですが、 100円以上どの商品に貼って使っても構いません。 6枚のシールが使えるのは、その日限りなので、 使い切ってしまわないと損をするような気がして、 ...
わたし 『家の中を一瞬でキレイにする技を発見した!』 どうにかして消息が知りたい場合、 何でもいいから返事が来そうな話題を探します。 息子A 『なんや?』 しめた!食いついた! 『なんや?』の文字は、脳内でパッと音声に切り替わりました。 わたし 『これや』 しばらく経ってか...
青くさい高校生のガキでもあるまいに、 その人とすれ違うと心臓が高鳴る。 このマンションに入居してかれこれ25年になる。 鉛色の空から雪でも舞いそうな入居者説明会のあの日、集会室にポツンと座る、 あまりにも似過ぎるその人を見た瞬間、驚きで椅子に蹴躓きそうになった。 ところどこ...
今ではほとんど消滅しましたが、 どうでもいい妙な能力?を最大限に発揮できた時期がありました。 能力? 最寄りの図書館では、ひとり10冊まで、2週間借りることができます。 家族分4枚の利用者カードを握りしめて、週末になると通う図書館。 ズラリと並ぶ本の背をジッと見つめます。 ...
我ながら『しょうもない画像』が溜まっています。 何を思ったのか、恐る恐る インスタグラムというものを始めてみました。 リアルの友だちでは、成り行き上3人だけに知らせました。 見る人がいなくても構わない、 見る人がいない方が気楽かな、なんて思っていました。 わたしは、その友だ...
明るい日差しの下、 階段を降り、陸橋下を潜って向こう側に行こうとしました。 ん?何かあります。 看板? えっ! なんと! 一体そいつは何処にいるのか? 恐る恐る辺りを見回しましたが、何の気配もありません。 しんと静まり返っています。 不気味なほど静かです。 抜き足差し足忍び...
そろそろ布団に入ろうと思っていたところに届いた 一通のLINE。 『腹立ちすぎて退職届叩きつけたけど受理されんかったわ。』 息子Aでした。 この子は時折、心臓をギュッと掴むようなことを仕出かしてくれます。 あれは、高校に入学して間もない頃でした。 バスも通っているのですが、...
えぇっとぉ〜〜〜 砂糖を煮溶かして〜 (きび砂糖しかない、まっいいか) 色がつくまで煮溶かして (色がついたかどうかよく分からん、まっいいか) なになに?色が変わったら火を止めてバターをポン! (ガス代かかるから、色がついてなくてもバターをポン!バターもったいな〜) とろ〜...
まずいな… ちょっと頭がボッーとしてきた。 どうしよう…いちいち脱ぎ着するのは面倒だし 荷物になるのも鬱陶しい、このまま館内にいよう。 その判断が間違いでした。 面倒がらず、一枚脱いで体温調節すべきでした。 雨が上がったので、徒歩15分程の図書館を訪れた時のことです。 冷た...
文字通り、血の気が引いた。 先程から、誰か後をつけてくる気配を感じていたので、 走って逃げたかったが、幼子2人抱えていては思うように身動きが取れない。 ましてや1人はベビーカーの上だ。 人気のない高架下の商店街で、 私を追い越したその人は くるりと振り返って、射るような目で...
封を開けて、途中まではすこぶる順調です。 ある線を超えると、逆さ吊りになります。 しばらくは順調ですが、それにも限界があります。 最後はハサミを入れ、スプーンで掬ったり、竹串でほじったり 何とかして取り残しがないよう努力します。 あの話はニュースで聞いたんだろうか? それと...
『…もしかして、◯◯くん、チョコ食べたことなかった?』 下の息子が2歳の頃だったでしょうか。 その頃親しくしていた息子の友だちのお母さんに、 ほんの数時間、息子を預かってもらった時のことです。 用が済んだので、急いで引き取りに伺いましたら、 開口一番 笑っていいのか謝ったら...
その寺には日本一大きい木魚があります。 片手を触れるだけで過去の悪業が消滅するという木魚です。 ここ数年、その寺を訪れていなかったので、悪業が溜まりまくっているかもしれない、 一旦気にし始めたら居ても立っても居られなくなり、寒風吹き荒ぶ中、 電車を乗り継いで訪れました。 マ...
『…クマイデンチュウガッコウの近くに……』 いつだったか、息子との会話の中に出てきた 『クマイデンチュウガッコウ』 という聞き慣れない単語。 即座に脳内変換された漢字は、 『熊井電柱学校』 でした。 即座に脳内に浮かんだ映像は、 等間隔に電柱が立ち並ぶ広い校庭でした。 世...
暮れも押し迫ると、普段は何処にあるのか謎である 臼と杵が登場します。 これも普段は目にすることがない、大きな蒸籠で 餅米を蒸すモワモワした蒸気が漂うと、 師走に入ると徐々に始まる 慌ただしい非日常のクライマックスに 子ども心にもわくわくしたものでした。 目の前が見えないくら...
ジリジリ後退りしました。 文字通り驚愕して、目を疑いました。 初めてソレを見たのは2ヶ月ほど前のことです。 静かな住宅街の一角にあるゴミ集積所にて宙吊りになったソレは、 ゆらゆらと風に揺れていました。 たまたま通りかかった一角でした。 向こうから一組のカップルが談笑しながら...
あの日から、ふとした瞬間に脳内がわくわくします。 連番10枚購入しました。 何度裏切られても、 当選発表の日まで、完膚なきまでに打ち砕かれるその日まで、 当たることしか頭にありません。 みずほ銀行の応接室で『その日から読む本』を恭しく受け取る自分が 目に浮かぶようです。 ...
裏返したそれは、真っ白でした。 よ〜く見ると、隅の方にミミズが這ったようなヨレヨレの字で 『自分で書いてください』 とありました。 とうの昔に失くしてしまいましたが、 中学2年、隣の席の男の子から届いた年賀状です。 年々、年賀状がメンドーになります。 夏までに返そうと意気込...
『そういえば、先生が交通事故に遭って、2ヶ月くらいお休みしたことあったね〜 いっぺんに気が緩んだよね。』 それまで賑やかに思い出話を共有していた6人の和やかな顔が 一斉にスッと怪訝な色に変わりました。 ひとりが、 『先生が交通事故で休んだことなんてあった?』 そう口にすると...
『次の◯◯駅では、特急列車通過待ちのため、2分ほど停車いたします。』 このアナウンスの電車に当たると、すごくがっかりしてしまいます。 ホームに到着し、バラバラと何人かが降りたあと、 開け放ったドア、 シンと静まり返った車内で 名も知らぬ人たちとボケッ〜と待つ時間は、 ほんの...
その人は、聞こえないと思ったのでしょう。 その人が下を向いて苛立たしげにボソッと呟いた言葉はハッキリ聞き取れました。 『セルフがあるのに!』 舌打ちまで聞こえてきそうで、一瞬凍りつきました。 久しぶりに利用したコンビニには、 有人レジの隣に、以前は無かった完全セルフレジが設...
『疲れるといつもココが痛むんです。』 その人が指差す箇所に軽く手を触れた私は、ギクッとした。 何百人もの心身の不調を訴える人々を快癒に導いてきた私にとって それは初めての違和感だった。 (必ず一瞬で感じるのに、触れても見ても何も分からない。 不思議だ?ヒトの姿をしているがこ...
何故そんな予約を取ったのか、分かりませんが その日、午後2時40分〜何かの体験教室の参加予約を取ってありました。 そのことに気づいたのが当日の午後2時30分です。 額を冷たい汗が流れるのを感じました。 キャンセルの連絡をすれば済むことですが、 どうしても行きたい気持ちが強く...
近くの踏み切りで人身事故があったと聞きました。 亡くなられたそうです。 今月初旬にも事故がありました。 それほど思い詰めるってどんな心境なのか 分かりようもありませんが、 悲しみだったり、 後悔だったり、トラウマだったり この先いつまでも、大波やさざ波の形で、 関わりがあっ...
調べましたら、このような記事がありました。 なるほど、そういう事情があったのか、と思いました。 先日、待ち合わせの駅改札付近でボッーとしていたとき、 パッと目に飛び込んできた『2.死体。』の2文字 ① 生きて乗車したが、降りるときに死体となってしまった例が 相次いだのか? ...
『はい!こちら、お悩み電話相談室です。』 『もしもし……あの…』 『はい、どうされましたか。ゆっくりでいいですよ。』 『ありがとうございます。あの…どんなことでもいいですか?』 『はい、もちろんです。こちらで対応いたしかねます場合は、 他の窓口へご案内もできます。』 その時...
さっきから軽快にペラペラ喋っていた先生が、突然 『ハックション!』 くしゃみをされました。 ここは、ポッカリと口を開けて横たわるしかない歯科医院です。 何という名称なのか、じっくり見たこともありませんが、 歯石を取る機械?で口の中をガッーと処置されている時のことでした。 口...
そこは、古びた旅館の一室でした。 わたしと、もう1人の誰かが部屋の中にいます。 その誰かは頭から布団をかぶってジッとしています。 『ねぇ外に出てみようよ。』 誰だか分からないその人に声を掛けましたが、 ブルブル震えるだけで、返事がないので、1人で部屋を出ました。 一歩部屋を...
隣から、突然賑やかな笑い声がしました。 荷物を発送するため、郵便局の窓口で説明を受けていた時です。 ここを退職された元職員の方が旅行のお土産を持って、 元の職場を訪れたという格好のようでした。 元職員の方は、窓口の衝立を挟んで、局長らしき方ともう1人と 賑やかに話してみえま...
カンカンカンカン! 遠くから踏み切りの警報音が聞こえます。 いつ聞いても血が騒ぎ、わくわく高揚する音です。 どっちかな?上りかな下りかな? 陸橋下で今か今か、と待ち構えていました。 不意に人の気配を感じ、ハッと見回しましたら、 遅刻でもしたのか、こんな時間に制服姿の男の子で...
訪れた時間が遅かったので、商店街は閑散としていました。 (何処か食べるところはないか?) 煮豆、佃煮、漬物……そうきたか! 白いご飯がなくちゃな〜 こんぶ わかめ ひじき 戻すのに時間かかる 魚だけ旨い? なんか不安… 玉子巻 オムレツいいね! …シャッター 食べれん 痛い...
大抵の場合、朝は果物を口にするだけですが、 その朝は、ハムを焼いて卵を焼いて、オクラも焼いて、食パンも焼いて そこら辺にあるものを手当たり次第、 紅茶と共に頂きました。 空腹だと誘惑に負けるからです。 週末は、年に一度の地域のお祭りでした。 お目当ては、市役所東側で開催され...
静かに電車がホームに入ろうとしています。 『間もなく〜〜◯◯、◯◯駅に到着いたします〜』 窓の外をボッーと眺めていましたが、そのとき突然ハッ!と 気がつきました。 (何ということだ!鍵を持ってくるのを忘れた!) 一気に気持ちがドヨンと重たくなりました。 泣きそうになりながら...
次々と揚げ上がる『牛蒡と人参のかき揚げ』を 吸い取り紙に置く間も惜しみ、揚げる端から口にしながら、 心の中で叫んでいました。 違う! 食べたいのは、蓮根の天ぷらだ! その日、急に蓮根の天ぷらが食べたくなって、野菜売り場を物色したのですが、 隅から隅まで探しても、蓮根が置いて...
遠方から来客があったので、あちこち案内でもしようと、 恐る恐る光差す地上へ上がりました。 寂れた商店街の一角です。 シャッターの色合いがいい具合です。 春夏秋冬、シャッターが下りる店ばかり立ち並ぶ商店街の裏手に回ると、 数軒の廃屋が静かに佇んでいます。 床屋さんだったのでし...
オレは売れない漫画家である。 名前はまだない。 よって実入りも…悲しい。 いつか芽が出ると信じて精進する日々だ。 月にいちど、この店でこの定食を食らうことがオレの数少ない楽しみのひとつだ。 オレはひとり静かに孤独を背負いながら、ここのかつ丼定食を食らいたい。 その時間は誰に...
実家の合鍵は預かっています。 母がひとりで住んでいます。 息を止め、カラカラと音を立てる引き戸を開け、 全ての灯りが消え、シンと静まり返る室内に忍び込みました。 朝が早い母は、既に布団の中でした。 なるべく驚かさないよう、そっと肩に手をやり、 『お母さん…来た』 囁くように...
近所の閉院したクリニック前の地面です。 何十年も前から、こんな感じです。 小さかった息子は、ここを通るたびに 『口!口!』 興味津々でした。 ある日思いついて、他にもこのような地面がないだろうか? 塩むすびと水、タオル持参で、そこら辺をちょっと探しに行って来ました。 撮影 ...
草叢に白いボールがいっぱい落ちてる? 近寄って確かめましたら、先日から見たくて見たくて仕方がなかった『きのこ』でした。 こんなに早く願いが叶うなんて! 嬉しくて、つい何枚か撮ってしまいました。 ひょろひょろと彼岸花も咲いていました。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~...
同じ『綾鷹』に見えるけど、10円分の差は何だろう?と思いました。 その日、水分を携帯することを忘れました。 辺りにはコンビニもスーパーも無さそうです。 我慢するか、すこし戻って池の水を飲むか?迷っていたら 目の前に一台の自販機が! しかし10円分の差に躊躇い、池の水にも躊躇...
頭から布団をひっかぶり、腫れぼったい顔でぐるぐる考えました。 (何でか分からんけど、しんどくてご飯も作れない。ここにいると彼らに… 注: 対象は主に2人の息子… 彼らに、食べるものも作ってやれない。すごく悲しいツラい。 やらなきゃ!でも動けない。動かない。 自分を責める気持...
それは、交通事故で頭を強打したことと関係があるのか、全く別物なのか 分かりません。更年期障害と呼ばれる類なのかも知れません。 検査結果が全ての判断基準である病院の先生にお聞きしても分からない ことでしょう。きっと否定されることでしょう。 自分の身体のことは、長年付き合ってい...
食べられない子どもでした。 そのまま成長して、あまり食べられない大人になりました。 通っていた保育園では月に1〜2回、ご飯給食の日がありました。 炒飯です。 味付けご飯は特に苦手でした。 分量も多いので持て余し気味でした。 毎日毎朝、震えながら誰にも知られぬように、神に祈っ...
しばらくぶりに覗いたスーパーが、いつの間にか半分セルフレジになっていました。 何処に行ってもそうなんですが、いつも何となく決まった人のレジに並びます。 後ろが支えていなければ、二言三言、言葉を交わすこともできます。 半分セルフレジで品物をスキャンしてもらい、黙ったまま 慌た...
ときどき通りかかる廃屋の裏手です。 先日、ここを通り過ぎてしばらく先に進んでからハッとしました。 急ぎ引き返して1枚! 3月に通りかかった時は寂しい景色だったのに、半年経った 今では緑がもじゃもじゃ 物語の中心である?洗濯機の姿はほぼ隠れてしまっています。 (てか、洗濯機...
他の方の記事にもありましたが、わたしも息子の姿が見たくて、一目でいいから 姿が見たくて職場まで行ったことがあります。 公共性のある職場なので、一般人がウロついていても、それほど目立たないだろうと 踏んだのですが、その日、館内に入ると来客はポツンと自分だけでした。 目で探して...
弾むような賑やかさと共に玄関の扉がガラリと開きました。 買い物に出かけていた母と、3歳下の妹が帰ってきたようです。 わたしが小学校高学年くらいの頃だったでしょうか。 なぜひとりで留守番していたのか分かりませんが、 おそらく誘われただろうに、なんとなく『ヒネタ』思いが湧き上が...
そこに辿り着くまで、目的を果たすまで、決して戻らないと分かっている 安定した日常の切れっ端を ところどころに散りばめながら、 ある時は静かに潜みながら、ある時はこの世の理不尽さに 憤りで脳裏を真っ赤に染めながら復讐のために逃亡する、 そんな話です。 社会の中で普通に生きてい...
頭蓋骨骨折、硬膜下血腫の経過観察と安静のため、1ヶ月ほど入院しました。 病院にいる間は、安心感もあったのでしょう。 頭痛を覚えることはほとんどなかったのですが、 家に帰ってからは、キリキリする日常の慌ただしさもあり、 その為か今までになく頭痛を覚えることが多かったです。 そ...
『例えば、ダンナはあのとき人前で自分をバカにしたとか、自分より舅姑を 優先したとか。 そういったひとつひとつの出来事は、男からしたら些細なことに感じるかも しれないけど、 屈辱感が積もりに積もっていくのよ。… (中略) いわば永久不滅ポイントよ。』 ※もう別れてもいいですか...
『腰痛解消動画』とか 『1分で治る腰痛体操』 なんてタイトルを見るとふらふらと飽きもせず動画を開いて あれこれ真似して動かしているのですが、どうもスッキリしない気がします。 そのうち手首まで痛くなってきました。 (もういいや!めんどくせー 神はわたしを見放した!神も仏もいる...
『玄関先に配達されたお米を盗られたことがあります』 モコさんの(勝手にお名前だして申し訳ありません)記事に書かれた一文を読んで 遠い記憶が蘇りました。 自転車の後ろに2歳になるかならないかの息子をチョコンと乗せて 少し離れたスーパーで買い物をした日のことです。 近所のスーパ...
真っ白いティッシュの上に置かれたものは、クルッと丸まった 一本の細い髪の毛でした。 キュッと引っ張ったら、5センチはありそうです。 その前日から片方の目がゴロゴロしていました。 睫毛でも入ったのか?と鏡で確認しましたが、何も無さそうです。 ちょっとしたことでも気にしやすく、...
どうしても納得できなかったことが2つありました。 ひとつは、9:1という過失割合のことです。 『横断歩道は歩行者の横断のための場所ですので、横断中の歩行者がいないなど 歩行者の通行を妨げるおそれのない場合を除き、自転車に乗ったまま通行しては いけません。』 交通の方法に関す...
乱暴に椅子を蹴り上げる音にビクッとしました。 内容は聞き取れないものの、怒って抗議するような声が 聞こえました。 ここは、広いワンフロアを幾つかのブースに区切ってあります。 小さな騒ぎは、いちばん端っこのブースからです。 話は遡ります。 図書館で見つけた本の巻末にあった『全...
ここ数日、頭の中は 『痛い、痛い、痛い!』 一色でした。 そうならない為に、年に数回、決まったところで 調整して貰っているのですが、 この春先から、肝心の整体師さんに連絡が取れません。 その経緯から不信感もあるので、躊躇っていましたが、 それどころじゃない程、腰の痛みが増し...
役所の『交通事故相談センター』はハリボテだったので、 振り出しに戻りました。 さて…この先、どうしたらいいのか… 相談できる人も強力な味方もいません。 検索とやらもしたことがありません。 検索とやら、思いつきもしませんでした。 先の見通しもなく、 何も持っていない自分でした...
覚えがないくらい昔から貼ってあります。 図書館が入っている建物の1階にある、多目的トイレのゴミ箱付近に貼ってあります。 なぜ、例としていちばん最初に『ぬか床』が? 『ぬか床』…ここのゴミ箱に投げ捨てて行った人がいるのだろうか? けっこう嵩張るだろうに、どうしてわざわざここに...
近所にある寂れた商店街の一角に、ときどき『無人販売所』が開店することが あります。 潮干狩りで採りすぎたと思われるアサリ、熟し過ぎた柿、薬草?(毒草?)… その日は、ギュッと潰したらすぐグシャリと壊れそうな容器に入れられた メダカでした。 12匹1000円 やる気が無さそ...
『頭を強く打ったんでしょ?頭は全身を司るところだから、 徹底的に診てもらった方がいいです。 セカンドオピニオン知ってますか?』 何度か通った挙句、こんな回答しかもらえませんでした。 そこは、役所の中にある『交通事故相談センター』です。(無料) 聞きたいことは、セカンドオピニ...
『これが、精一杯です。これ以上は何ともなりません。 誠心誠意尽くして作ってきました。』 退院してしばらく経ったある日の昼下がりのこと、 突然訪問された、加害者側の保険担当者さんに 見せられたのは、 示談提案書でした。 幾つかの項目別に金額が書かれ、最後に合計金額が記載されて...
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あ! ハッとすると同時に動悸がしました (玄関の鍵をしてきただろうか?) 外に出たとき、ちょうど2軒隣の方とバッタリ会い 少し立ち話をしたのですが、 そのあと鍵を掛けたかどうか、うろ覚えです ドキドキドキドキ不安でいっぱいになりました しかし、引き返すのは億劫です 引き返す...
【全てフィクションです】 長いことずっと平和だった そりゃ、ちょっとした諍いや揉め事はあったが、 平和だった コトが起きたら、いつもおじぃの出番 長年の経験と知恵でモノゴトを丸く収めてくれる 誰もがおじぃを頼りにしてた おじぃの言うことは絶対だ タタラと呼ばれる若者が、何処...
気がついたら、穴があいていました。 人ひとり、すっぽり入ってしまえるくらい大きくて深い穴です。 そっと覗き込むと、中は薄暗く、奥の方はどうなっているか分かりません。 穴を避けて生活していました。 最初は不自由でしたが、慣れてしまえばどうってことありません。 人はどんなことに...
気になった透かしブロックたち あっは〜ん 妖しい笑みに吸い込まれそうになったわたしを、 現実に引き戻したのは、無造作に引っ掛けられた洗濯ばさみ達でした コノサキ タチイリキンシ ゴエンガアレバ マタイツカ とあるごみ捨て場にて 気になった置物?オブジェ? 1ヶ月以上経っても...
70年断食の印ヨガ聖者、科学者も仰天 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News 買い物に出かけた息子から一枚の画像が送られてきました。 おにぎり1188円! 30%引きで899円!(税込。税込いちいちめんどくさ) 物価高ついにここまで! もう生きてらんねー いよいよ不食...
ロ(ろ)の字形式に並べられた長机を囲む面々に、薄い冊子が配られました。 【カンタン料理 さなこのレシピ】台本 出演 料理研究家 東條さなこ (以下さなこ) アシスタント 石田スズカ (以下アシ) さなこ「用意する道具はこちらです」 テーブルの上には丼鉢と大きめのスプーンが...
この子、いつからウチにいたんだろう? 脱水時の音が大きくなったような気がする洗濯機を、不安げに見つめました。 いま壊れたら困る いや…「壊れる」なんて言葉を軽々しく口にしてはいけない 一晩考えた挙句、 次の日から、洗濯機に向かって声を掛けることにしました。 スイッチを入れる...
※ すべてフィクションです 「はい!カーーット!」 監督の合図にハッと我に返った。 ささくれ立った畳 一口だけのコンロ 剥がれ落ちた壁紙を隠すためのポスターがペラっと剥がれかけている 西日が眩しい 窓からの眺めは、あの頃と変わらない 〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜 ...
使い終えたバスマットを干そうと、ベランダに続く掃き出し窓をガラッと開けました。 昨日までの光景とどこか違う、そう感じたのは 仕切り板の向こうが真っ暗で、しんとしているからでしょう。 うちは集合住宅のマンションです。 各戸のベランダは隣戸との仕切り板 【非常の際には、ここを破...
菓子折り - この町内の片隅から 2Bのかきかた鉛筆から、スーパーの広告の裏にサラサラとこぼれる文字は、 「探さないでください」 学習机の脇に突っ立ったまま、息を詰めてその文字を見つめていました。 2Bなのに字が掠れてる…見当違いの疑問を覚えながら。 僅かな着替えを入れた赤...
何かの情報誌を読んだのか、ニュースで知ったのか、 その小さなパン屋さんの佇まいが頭の片隅に残っていました。 地元の方しか知らないような狭い路地を迷いながら進むと、 いつも表に自転車が停まっている木造の二階屋が現れます。 看板も何もありません。 多少滑りのわるいガラス戸をギシ...
ヤツがきた 今年もきた 昨日あたりから怪しかった だるい ずるずる引き摺り込まれる 地獄の底に引き摺り込まれる だるい かゆい 顔だか身体だかうずうずする うずうずは、いつくしゃみに変貌するか分からん くしゃみは怖ろしい うっかりすると腰を痛める これ以上苦しい目に遭いたく...
カジュアルな神さま - この町内の片隅から ある日突然、神さまから人を治す力を預かった方のお話しの続きです 神さまとの約束は、決して報酬を受け取ってはならない、 欲を出してはいけない、この2点です すべて妄想。フィクションです 〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜...
カイダン 怪談 - この町内の片隅から 朝から冷たい雨が降りしきる灰色の日でした。 つい3日ほど前は、コートがいらないくらいポカポカ暖かい日でしたので、 冷たい雨が身に染みます。 少しホッとしたのも束の間。 春になろうかなるまいかの頃は、行ったり来たり、着たり脱いだり。 記...
「アカンくても美味しいものは心の健康には良いから、 食べすぎなきゃ食べてええんよ」 こんな世の中でも、ほんの時たま 珠玉のような瞬間、珠玉のような言葉を拾うことがあります。 あぁよかった、こんな瞬間を感じられて あぁよかった、こんな言葉を耳にできて 生きていてよかった、そう...
だいぶ慣れましたが、未だに戸惑うことがあります。 とある公共施設のエレベーターのボタン (どっちが開くほうでどっちが閉まる方だったかしらん?) 一瞬の躊躇いのあと、一抹の不安を胸にどちらかを押します。 いま、息せき切ってエレベーターに辿り着いたどなたかの目の前で、 うっかり...
青い空に映える何か知らん花 花の名前、あまり知らない チューリップとかたんぽぽとか桜とか紫陽花とかカラーとか 雪柳とか(いちばん好き) 金魚草とかとか…だったら分かる (けっこう知ってるじゃん笑 自分で言うな) なんだか知らなくても あーキレイって思えた それだけでいい そ...
ある侍女の告白 其の七 侍女 - この町内の片隅から 「痛い。痛い。痛い」 朝からひっきりなしに頭を駆け巡る言葉は「痛い」 ただ一言です。 身体のどこかが痛いということは、なんて情けなくて悲しいことでしょう。 空気が抜けて、しゅるしゅるしゅると萎んでいく風船のように頼りない...
地元のフリーペーパー1月号で企画される 「お年玉プレゼント」を毎年楽しみにしています。 何軒かの店舗と協賛で、さまざまな商品が提供されます。 ことしは、18店舗協賛 お食事券、ワイン、商品券、フルーツサンド、アカスリサロン… 嬉しいな どれにしようかな? わくわくしながら選...
ふわふわってのが食べたい 強烈な思いを抑えきれず、レンジでバナナチョコケーキなるものを 作ってみました。 材料を混ぜて、5分レンジにかけるだけです。 オートミールも混ぜてみました。 うーむ? 何というか?微妙だ…適当すぎたか? 近所に、週末だけ営業している米粉のパン屋さんが...
一見すると、すこし歪でふっくらしたチョコビスケットです。 小さく一口かじると、ザックリとした食感の 粗めのビスケットだと分かります。 同時にとろりとしたオレンジジャムが口の中に溢れます。 歪でふっくらしたものは、ビスケットにポテッと塗られたオレンジジャムでした。 チョコに覆...
訪れたのは春まだ浅い3月 アーケードのある商店街に昔からあるパン屋さんです。 この場所に老舗のパン屋さんがあることは 知っていましたが、通りがかりに薄暗い店内に陳列してあるパンを のぞき窓からチラチラ眺める程度でした。 硬いパンが評判と聞きました 硬いパンとは珍しい いつか...
織姫の父である天帝さまから呼び出しがあり、 ぎゅっと心臓を掴まれたような心持ちになった。 身に覚えがある…ありすぎる うまくやってきたつもりだが、天帝さまの目は誤魔化せなかったか? 仕方ない…重い足取りで呼び出しに応じた。 ある侍女の告白 - この町内の片隅から 『ま...
その名を聞くと誰もが 『ほぉー!』 と感嘆の声を上げる、県内トップクラスの進学校に通う息子さんのことで 年下の友人から連絡がありました。 登校しようとすると身体に不調が現れるらしいです。 学校に行けないケースは一括りにできません。 似たように見えても、それぞれ事情が違います...
『もう決めたの。7月7日が過ぎたらお父さまに頼んでみるわ。 …あぁでも7月7日まで1ヶ月もある。 うんざりだわ。明日にでもお願いしてみようかしら』 わたしが、彦星さまと引き裂かれた織姫さまのお世話をするようになって 何年経ったでしょう。 泣き暮らしていた織姫さまが徐々にお元...
スーパーの裏口で真っ黒い塊を見つけハッとしました。 (驚くことはない、ただの猫の塊だ) なんだ、猫だったのか そろそろと近づきましたが、逃げるでもなくジッとしています。 (それは何というものだ?その小さい四角いもの。 四角いものに目をやりながら歩くヒトをよく見かける) スマ...
うろうろしているうちに、自分が何処から来たか分からなくなりました。 焦って闇雲に進んでみても、地下鉄の駅に辿り着けません。 寂れかけた商店街の中程に、こぢんまりとしたパン屋さんを見つけたので 道を尋ねようと中に入りました。 4、5人も入ればぎゅうぎゅう詰めになりそうな小さな...
たった今、パンの焼き具合を確かめる魔女を蹴り上げ、 真っ赤に燃え盛るカマドにぶち込んでやった 渾身の力で扉を閉める。 『ギャーーー!』 この世のものとは思えぬ恐ろしい叫び声 仕方ない ヤらねばヤられていた タラリと伝う汗を乱暴に拭って息をついた 〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜※〜〜...
最後の講座が終わったあと、 ひとりひとりに『無料占い券』が配られました。 いつだったか、手相占いの講座に通ったときのことです。 講座は終了したものの、核心に触れる内容に達したとは言えず、 特に得たものも無く (これで終わりなのか?)肩透かしを食らったような最後に配られた 『...
『はい、これ』 頼んだ買い物の中から、息子がごそごそ取り出したのは 『カーネーションと淡い色合いのタオルというか?手拭いのセット』でした。 5〜6年前の母の日のことです。 何でも揃う遠くのスーパーまで、車で買い物を頼みました。 『なにこれ?頼んでない』 『きょう、母の日らし...
『来る?』 連休前に息子Aに聞いてみました。 しびれを切らしたころ、やっと届いた返事は 『忙しいでムリ』 ふうふうと途中まで膨らみかけた風船が、ポロッと口から落ちて シュルシュルと萎んでいくのを感じました。 小さくペチャンコになった風船をポイっとゴミ箱に捨て、 (がっかりな...
若葉のころでした。 何通かのダイレクトメールと一緒に一通のハガキが届いたのは… クルッとひっくり返すと真っ白いハガキいっぱいに大きく、 『ヒダリ』 誰が送ってきたか分かりません。 何のことだろう? 何処から届いたのだろう? 気になりましたが、日常に紛れ、妙なハガキのことは忘...
緊張が走って、ハッとして 脳裏が真っ赤になるくらいの悔しさが伝わってきて、 耳をつんざく音がした。 すこし安堵したり、またハラハラしたり。 息を止めて思わず目を瞑った。 息を整えてからまたページをめくり、ホッとした。 そうきたか! そうして少しだけニヤリと笑えた 泣きそうに...
2月上旬の画像 濃い桃色を思い浮かべながら撮りました 最近の画像 時季を逃してしまったので、緑の葉っぱ混じりになってしまいました この駐車場の片隅を濃い桃色に染める『花桃』です。 名所でも何でもありません。人通りも少ないこの場所に咲く花を 気に留める人も居ないと思いますが、...
『こちらです。どうぞ』 枯葉色のドアを開け、中に入る不動産屋さんに続き、 半畳ほどの狭い三和土に立ちました。 1Kの部屋全体に立ち込めるムッと異様な匂いに、 暫し言葉を失くしました。 20代前半の頃、実家を出てひとり暮らしをするため、 駅近の手頃な部屋を探していた時のことで...
誰かに言いたくて仕方なかったのかもしれません。 『浮気』 『不倫』 『相手はシングルマザー』 『探偵事務所』 『弁護士』 『慰謝料』 … 一旦口火を切ったら、歯止めが効かなくなったのでしょう。 怒涛のように聞きなれない言葉が次から次へと 耳に流れ込んできました。 時には静か...
『ふふふっ』 天から声が降りてきた? それとも幻覚なのか? ダイジョブ?…自分 薄手のカーテンでシャッと仕切られただけの四角い箱、 靴を脱いで上がったここは大きなショッピングモールの片隅にある試着室です。 試着室に引っ掛かっているS字フックに、細い足をぶらぶらさせて座ってい...
『財布の中にある一番高額な紙幣を取り出してください』 (え!何が入ってたっけ?) ごそごそ探ると、奇跡的に紙のお金が数枚入っていました。 千円札を大事に取り出して目の前に置きました。 『では、紙幣の真ん中からやや左を左の親指と人差し指で挟み、右側は右手の親指と 人差し指で同...
電車の扉がプシューと開きました。 ホームには2人の駅員さんに付き添われた車椅子の男性。 大柄でガッチリした体格の方です。 車椅子ごと乗車するのだろうか?やや緊張しながら待ち構えていましたら、 乗車口の手前でよろよろと車椅子から降り、おぼつかない足取りながらも1人で乗車 され...
駅の券売機でTOICAにチャージしようとしました。 2台ある券売機の前には、どちらも数人が並んでいます。 片方に並びました。 春休み中の中高生くらいの女の子3人が券売機の前で固まっていました。 様子を窺うと、直ぐに切符を買うでもなく、何となく行き先を決めかねて 顔を寄せ合い...