法律学における理解の足跡

島唄（94）平成から令和へ

  五十歳になる頃を境に、店の運営方針や利潤追求についての考え方に少しの変化が生じてきた。というのも、やはり将来の不安というものが今まで以上に暗雲のように胸中…

2024/02/29 20:43

お詫び

  この小説、もう少しで第四部「風車～AKI～オープン」が終り、第五部（最終章）「終局への宴」に進むところなのですが、ここで少しだけ推敲というか手直しをさせて…

2024/02/27 19:56

島唄（93）パートナーシップ宣誓制度

  底冷えのする夜だった。早いもので、東日本大震災から丁度四年の歳月が経つ二月の終わりである。  秋一も十月にはいよいよ五十歳の誕生日を迎える。彼が常々周囲に…

2024/02/24 14:42

島唄（92）桜梅桃杏に我が身咲ききれ

  秋一とジョージとの愛に深化がもたらされるようになった、その当時、LGBT支援団体であるNPO法人の大森理事長やその関係者たちは以前にも増して足繁く風車に顔…

2024/02/23 19:53

島唄（91）愛のソーシャルスキルトレーニング

  翌週の水曜日、風車の定休日を利用して秋一は東京駅構内の銀の鈴でジョージと待ち合わせてから、高良心療内科クリニックへと向かった。  最初は診察室にジョージと…

2024/02/23 10:17

島唄（90）名医の一喝

上質な素材でできた会社の社長室にあるような大きな机を挟んで高良医師とジョージは向かい合ったわけであり、ジョージの横には付録のような感じでパイプ椅子に座る秋一…

2024/02/21 21:35

島唄（89）心療内科

  アメリカ精神医学界が作成している精神疾患の診断基準・統計マニュアルであるDSMー5において、アスペルガー障害という診断名が削除され、代わりに自閉症スペクト…

2024/02/20 21:13

島唄（88）時代の精神疾患

その頃、風車の売り上げは好調で十年近く堅調な状態が続いていた。しかし、店が混みだすのは午後十時頃からであり、開店の八時からその込みだす時間帯までは、客の出入…

2024/02/18 15:21

島唄（87）ジョージの苦悩

  ジョージのマンションは同じ横浜市内でも横浜駅ではなく東急東横線大倉山駅から商店街を抜けた先の住宅街にあった。小高い丘上に何の分野であるかは分からないが大き…

2024/02/15 13:58

島唄（86）闇底からの声

  客の流れが途絶えた時など、秋一は、すっかり会わなくなったジョージの顔を脳裏に思い浮かべる事が多くなった。花ママに言われた通り、時期的に正式な別れ話の席を持…

2024/02/15 10:09

島唄（85）驚異の知能指数

  「ふうん、そんな事情があったんだ。」  微かな香水の匂いが花ママのトレードマークでもあるスポーティなポロシャツから秋一の鼻腔をくすぐった。  花屋敷の花マ…

2024/02/15 08:18

執筆予定

  続きは水曜日以降になりそうです。諸般の事情から少し時間ができるんですよね。だから、水曜日からしばらく連投して最後の第五部「終局への宴」まで進みたいです(^…

2024/02/12 21:20

島唄（84）秘密の習い事

  「ジョージ、最近何かあったのかい。悩み事があるとかさ。」  日曜日の昼間、秋一の部屋において昨日の酒で怠そうな顔をしながらピラフを食べるジョージに、彼は訊…

2024/02/11 23:41

島唄（83）愛する者の変貌

  ゲイバー「風車～AKI～」はオープンして六年目辺りから絶好調となり、それから彼が店をたたむまでの約十七年間、まるで公務員のように収入は安定した。秋一の四十…

2024/02/11 09:23

島唄（82）百事如意

  翌日の日曜日は父の供養の意味も込めて、彼が生前東京では一番のお気に入りだったという地に赴いた。それは浅草寺であり、昔家族四人で花屋敷遊園地に行った思い出も…

2024/02/10 23:38

島唄（81）家族

  六年間、定休日の水曜日以外元旦も休まずに営業し、連続して休んだことなど一度もなかった秋一であるが、十日間もの休業をしたのはひとえにこの世界で一人前になった…

2024/02/10 21:03

島唄（80）悲劇

  夕食をホテルのレストランでとり、秋一が先にジョージを部屋に帰らせたのは、食後の一服を喫煙室でしたいとうことに加えて携帯電話で八丈島の実家に電話をかけたかっ…

2024/02/10 13:56

島唄（79）新しい恋が過去を変える

  翌日、秋一とジョージは北投温泉に足をのばした。北投温泉というのは台湾最大の温泉郷で、台北市新北投駅にある名湯である。以前旅好きの知人から、その地の素晴らし…

2024/02/10 08:43

島唄（78）台湾旅行

  ゲイバーである「風車～AKI～」をオープンして六年目、仕事は軌道に乗り何もかもが順調と充実の勢いに乗り上がり、お客であるお笑い芸人S田氏を通してテレビ出演…

2024/02/04 22:59

島唄（77）先見の明

  秋一には自分の店を大きくしてやろうという事業欲とか有名になりたいという野心はなかった。将来の夢はただ一つ、風車を未来永劫的に繁盛させることであり、当時少し…

2024/02/04 08:29

島唄（76）オリジナル酒

  「甘かった・・・。私は向いていないようです。」  月曜日、休みを利用して深夜過ぎに花屋敷の花ママが若い仲間を連れて顔を出してくれたのであるが、不快感を与え…

2024/02/03 22:07

第四部 島唄（75）オープン「風車～AKI～」

  病院の屋上もすっかり日が暮れて、夕飯に近い時間帯になったが、秋一には基本的に懐古趣味はない。ここまで人生の来し方を思い懐かしんでは涼子に話して聞かせたのは…

2024/02/03 16:26

お知らせ

  第三部「東京地裁VSオウム真理教」は終了しました。  次回から第四部「風車～AKI～」に進みます。

2024/02/03 08:19

島唄（74）さらば、霞が関

  その後、秋一は何度か「アレナ」のお父さんの店に通ううち、池に小石を投じて出来た波紋のように心の中にさざ波が立つようになる。  冬将軍が本格化する時季には、…

2024/02/03 06:54