サンデー毎日増刊「これが劇画だ」 70年2月の『サンデー毎日』増刊の「これが劇画だ」という特集の一冊は、「劇画」という言葉を強く意識させるものだった。 個人的に高校の漫画研究会を立ち上げたころの第一作は『ねずみ』という3ページほどの小編で、これは、しがらみの中にいた個人が一歩踏み出してみたらシガラミは幻想に過ぎなかったというオチの物語である。最近みた楳図かずおの醜形恐怖症をテーマにした短編に、同類のものを感じた。 当時の海外製の短編シリーズのテレビドラマ「世にも不思議な物語」の影響があるのだろう。このころの手塚の連載『ザ・クレーター』や『空気の底』も、同じ系統といえなくもない。 その他の自作で…