第3章-----(2)
闇があった。 どこまでも広がりが続く、空と地面の境すらない世界だった。いや、はるか遠くの、永遠の時空をこえた先の空のほうだけがうっすら青白い。 アルシュはそこに立ち尽くしていた。 あたりは静まり返って、不気味な静謐に包まれている。(ここが――) 深淵の底。 アルシュたちが暮らす現実とかさなりあうように存在する、死後の世界のひとつ。 世界はひとつではなく、次元回廊でいくつもの世界が繋がっていることは...
2024/07/22 18:35
2024年7月 (1件〜100件)
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