カタカムナ71首を読み解く 人の一生をうつすことができ、去ることができる。
形なすの凡情(凡人の情。凡夫らしい低俗な心。つまらない感情。凡心。)の波浪(水面の上下運動。なみ。)の息は、有為(能力があること。役に立つこと。また、そのさま。)にして、四相(物事や生物の移り変わる姿を四つにまとめたもの。 万物の生滅・無常の姿を表す。 生まれる生、存在する住、変化する異、なくなる滅。 また、人の一生にたとえて、生・老・病・死。)うつされ来る有、去る有。
今、此稲荷の古伝に占るに、無生より現るる生、無形より顕すの形、いきは、盛者必衰会者定離しょうじゃひつめつえしゃじょうり(命ある者はいつか必ず死に、出会った者はいずれ別れるのがこの世の定めであるということ。)は、神仏の二道寛狭の異あれども、其法則違ざること、古伝に有りて明らか也。
71首ではとうとう自らの魂を浮き昇らせ時空を超え新たな体へと転生させる内容が明らかにされた。
死からの転生ではなく、自ら転生を行い時空を超えて天之御中主のめぐりの輪から自在にこの世をめぐることができると云う。
かつて、古代人は忽然とその消息を絶った歴史を見ても、このように自ら魂を転生させていたのかもしれない。
この71首を読み解く中で、猿田彦という名が脳裏に浮かんできた。
サルタヒコ・・・去る 列なりまろがる魂 天之御中主のめぐりの輪の正火の灵 在す処 と言靈にて読み解くことができる。
猿田彦とは天之御中主のめぐりの輪から、転生を繰り返し衆生を導いていた存在だとしたら、かつての弘法大使空海もまた連綿と繋がれた猿田彦の魂のひと時の顕現だったということに繋がる。
火水の教え、火水與(カミヨ)の理を世に説く者。それが猿田彦の役目だったのではないだろうか。
人の魂はすべて連綿と列なっており、また体も繋がり続けて今世を人として皆歩んでいる。各々の役割を今世で思い出すためにも森羅万象の理、つまり火水與(カミヨ)の仕組みを今一度学ぶ時ではないだろうか。
2022/05/03 22:56