町田康『口訳 古事記』
十五年前くらいに、書店で現代語訳の古事記を見かけて、なんとなくぼんやりと古事記に興味があった私はそれを購入した。文庫版だし、表紙に描かれた埴輪のイラストもキュートで、これなら読めそうだなーと思ったのだ。でも駄目でしたね。 この十五年間、いったい何度「よし読むぞ!! わー!!!」と気合を入れてその文庫本を手に取っては挫けてきたことでしょう。きつい。難しい。行けてもイナバの白ウサギまで。「もっともわかりやすい現代語訳」と定評があるらしいけれども、俺には無理だ、と私は思った。私のような「淡い興味」だけでは、読み進めることができなかった。 でもこの『口訳 古事記』は、最後まで読めた。面白かった! なに…
2024/06/09 22:27