chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
義母の短歌 https://okamura920.hatenablog.com

義母が98歳で永眠いたしました。義母が書き溜めた2,000首以上の短歌を少しづつ公開いたします。コメント願えたら幸いです。

定年退職後気ままな半農半X生活をしています。今年傘寿を迎え半農も少しずつ調整中です。

okamura920
フォロー
住所
福知山市
出身
福知山市
ブログ村参加

2022/01/18

arrow_drop_down
  • #1221-1230 みずからに・・・

    関西花の寺25ケ所 第13番 法金剛院 ご朱印 <義母の短歌>#1221-1230 みずからに滅ぶ日知るや根かぎり一期一会を啼きつくす蝉 夏の庭終わりを告ぐる花ばかり桔梗手折りて待つ返り咲き わが春を仄かに染めし青年は何処に老いの彩染めいるや 花のごとやさしき言葉咲かしめて面映ゆきかな似合わぬ女 山茶花も椿みず木も花桃もわが植えたればうからに等し 罠にかかりもがく猪人間をこよなく憎みているやも知れず 立秋の声聴き眺むる山山の濃緑の翳り秋を抱ける 啄木鳥の木を攻めつつくさまに似て又起き上り握る鉛筆 六左衛門村で求めしハンカチに描かれて散らぬ花菖蒲いくつ 紅さして気分転換試みる麦藁帽子に女を隠し …

  • #1211-1220 夢にだも・・・

    関西花の寺25ケ所 第12番 久安寺 <義母の短歌>#1211-1220 夢にだも賑わい欲しく胸に手を組みて寝るなりつくづくひとり 昨夜見たる夢やおぼろに朝の卓トマトは赤しはちきれるまで 見えぬ戸を押し開くごと墓地に入り一寸伸びたる草の芽を摘む 所有権はまだわれにあり高速路設置の杭立つ畑の草引く 何得んと欺くまで土に執するかおゆびの力かたかたゆるぶ 他界にはあらぬ証の飛行音数秒聴こえて静けさ戻る 帰らんか早戻るべし二度三度誰をうながすとわが独り言 渇覚え草引く頭上に啼く鴉「カワックカワック」夏は真盛り 待つことは常なり男買い物の妻待つ長きを書店に過ごす 花言葉「遅すぎる愛」とう梅もどき鈴成りの…

  • #1201-1210 子育てに・・・

    関西花の寺25ケ所 第12番 久安寺 <義母の短歌>#1201-1210 子育てにやつれし母の乱れ髪子供心に梳き上げたかりし 幾分か美化なし語る幼な日の暗き部分はわれも忘れむ 内外の孫に賑わう隣家より弾める鞠のごとき足音 夜祭りの出店の屋台組む男女の背中に厳しき生業の汗 気象予想に傘のマークの失せし朝とみに輝く太陽眩し 通る度由来を思う石の上に石を積みたるのみの野仏 「鬱知らず」きっぱり言いきる友のいてまこと鬱とは怠惰の言い訳 寝ねがたく吹くハーモニカに童謡のリズム案外複雑なりき 装飾のきららは要らぬ文字盤のはっきりみゆる掛時計探す 油蝉まづ啼き出でて蜩の和するにひとりの耳傾ける <管理人のお…

  • #1191-1200 池の面に・・・

    関西花の寺25ケ所 第12番 久安寺 <義母の短歌>#1191-1200 池の面に映る緑に戯れて遊ぶ金魚のことさら赤し 看取り人われに告知は秘められて癌にあらずときっぱり言いき 思春期に「欲しがりません勝つまでは」染められし思想いまだも褪せず かくれんぼうの鬼のごとくにひとりなり岸を畑をゆきつ戻りつ さまざまの屈折ありて陽の目みぬ切り岸に咲くどくだみの花 よじれつつ太れる藤のごとくにも容易く深めし皺にはあらず 何鳥か肩を掠めし驚きを変化となして今日を終らむ 積み置きし草は土にと還りいて摂理の妙の身に親しかり 見るは良し聞くもよし言わ猿になりきれずいて唇押える 黒揚羽バーベナ揺らして跳び立てり蝶…

  • #1181-1190 灼熱に・・・

    関西花の寺25ケ所 第12番 久安寺 <義母の短歌>#1181-1190 灼熱にダリヤの赤も褪せゆけり力及ばぬことばかりなる 外は雨双膝抱えあご与け企みひとつ象なしたり 花終る蓮の花托の変貌に女ひと世の移ろいをみる 蓮の葉に溜る小雨のこぼれては又こぼれては廻る水車か 唯ひとつ花咲く星と読みしかばいや尊かり痩せし畑も 短冊を書くべき芋の葉の露を律義に母の採りくれし七夕 夜祭りに乏しきなかより白銅貨呉れたる母の血わがある限り 乾きつつ残れる疲れに半日を眠り続けてなお茫といる ひとり住み羨しとみる人ありやなし人恋鳥よ明日は何処指す 日曜もはた休日も他人のもの宙吊りのカレンダー何時とても裏 <管理人の…

  • #1171-1180 身ひとつを・・・

    関西花の寺25ケ所 第12番 久法寺 <義母の短歌>#1171-1180 身ひとつを殻に仕舞える蝸牛山崎方代ふとも思えり 観念の唇への字に茶の木刈る為し終らねば空は仰げぬ 今日の日を埋めんとして鎌を砥ぐ明日のことまで今思うまじ 肉魚拒む胃の腑へ鮮らしき有色野菜の味覚を送る さるすべり今を盛りの花蔭に昨日と同じ想いは抱かず 残されてこぼせし泪に芽を吹きし歌とう魔の花咲かせてみんか 勝敗の厳しき角力に目を逸らす負けの怯えの人一倍に 少年の茶髪に包む思春期の昂ぶり乗せて跳びゆくバイク 際立ちて星のきらめく大空の果てなき闇を截る飛行雲 伐るまでの未練心も残り火も消えて八つ手のひと掬いの灰 <管理人のお…

  • #1161-1170 手を濯く・・・

    関西花の寺25ケ所 第12番 久安寺 <義母の短歌>#1161-1170 手を濯く池面の波紋拡がりて苦渋持つごと貌ゆがむなり はたた神昼寝にゆるぶ耳裂きてしどろもどろのわが目覚めなる 恋のうたかけらも持たねたっぷりと夢を操る七十二歳 バッグ忘れわが乗れざりし観光バス醒めて思えば死者ばかりなる 残し置く小さき鶏頭四・五本のめぐりの草等命拾いする 目の高さの生き諾いて送る日日気随にもえて無気力ならず 脱ぎ捨てし破れ軍手を草の根は縦横無尽にてキルティングなす 選ばれて花咲かせるは幾粒か余りにちさし芥子の粒子の 梅雨空の重き空気に芥燃す煙は低く這いまわるなり うた詠みと絵描き肩よせ視つめいる蟻の巣造り…

  • #1151-1160 仏にも・・・

    関西花の寺25ケ所 第12番 久安寺 ご朱印 <義母の短歌>#1151-1160 仏にも鬼にもなれず凡凡と胡瓜刻めり長梅雨明けて 聴き馴れし耳にも清し老鴬の啼く音愉しも街人といて 数秒に思案決まりてCMのベット求める経済観念? 見慣れたる野猫いづくに眠るとや歩みおぼおぼ草むらに消ゆ 深窓の女子と言わんねむの花触れなば崩れむ細き花びら 「後家寡婦」とう言葉を遠き死語となしグレイ明るくわれは独身 減反に一等田も欠伸なす関りなけれど納得ゆかぬ じりじりと夏盛り上る文月のつばなほよほよ呆けてそよげる 口開く用なき虚しさ斯かるとき人は此の世の暗部を覗く 面上げて平然とゆかん残り世の平らと思わぬ坂道なるも…

  • #1141-1150 車停め・・・

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 <義母の短歌>#1141-1150 車停め携帯電話掛ける男見えぬ鎖に繋がれている かたくなに賽銭上げず手を合わさずそれで素直な女と言えるか 跳べるだけ跳ばせてやれば良いものをビニール袋つい追いかける ちまちまと地球の表面削りゆき荒れ地に花を咲かせる女 四面楚歌の時代もありしが晩年の此処は浄土か壁などあらぬ 欲得もなく戻り来て冷水に手足濯げば明日がみえる 傘をさし人っ子ひとり居らぬ径ひとつ咲きたる向日葵見にゆく 蹲る小さき影も汗噴かむ梅雨明けの暑さ声に出でけり 咲き出づるどの花を庭の王とせんおのもおのもの一心の彩 過去に持つ汚点幾つか捨場なく包めどつつめど折…

  • #1131-1140 振り向けば・・・

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 <義母の短歌>#1131-1140 振り向けば野面のはてのひとつ星水痩せし川に闇を降らせる 奔放に半日すごし戻り来て常なるひとりの夕餉も良けれ 新生姜素直にしそに染まりゆくもはや何にも染まるなきわれ 求め来し木魚叩きて死者を呼ぶわが手を合わす唯一の仏 予定になき按摩機求めし空財布バッグに収めて悔いは残さじ 鴉にも憂さのあるにかげんなりとひと声ふた声錆トタンの上 タンポポの絮毛がふわふわ跳ぶように出で来し街も所詮止まり木 蕗をたき山椒煮つめるわが厨日々是精進料理の匂い 草引きたきお指と戻りたき足を納得させる時雨来たれり 庭持ちし息子は俄に興味持ちわが花畑の見…

  • #1121-1130 手の指は・・・

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 <義母の短歌>#1121-1130 手の指はあれも此れもと忙しくて足もなずきも蹤きゆきかねる 子の住所電話番号書きしメモバックの中にお守りのごと 闇の匂い心の隅にひそむこと知られてならじ紅引き直す 見ゆるもの夕べの彩に移りゆきうつそみわれのみ取り残さるる 日常の些細な変化も告げたかり片山陰にひとり住まえば 思い出は仄かに白き帆を張りて眠りに落ちん狭間にゆるる 一泊の娘いそいそ去りゆけり夢より覚めし蝶のごとくに 退会の記念と賜びし花みずき生くる土得てわが丈超せり あの人も此の人も皆忙しくて詮なく巡る雨の花畑 空中を掻きまわしつつ長梯子納めて漏らす長き溜息 <…

  • 1111-1120 切り岸の・・・

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 <義母の短歌>#1111-1120 切り岸の錦蘭たやすく堀り呉るるたのもしきかな男老いても ひなげしのもっこり殻を脱ぎすてて開くをみても疲れは癒えぬ しがらみに歌会ひとつ見送りて乾く心に読経は長し 誰よりもさむき心を今日は持ち冷やし中華のパック買いぬ まだ若きどくだみ夏の香を放ち鴬日暮れを鳴きてやまざり 悪に遊ぶ隠れ心も稀れまれに謀りて善人ぶるにはあらず 鎌当てし指より滴る鮮血を美しと視つ滾る命よ 曇天を飛び交う鳥の影もなし草刈る鎌音途切れがちなり わが脛を樹木と紛うや蟻ひとつ登り下るを暫しは許す 鳥の声今日艶めきて聴こゆるを鎌置きて仰ぐ心豊かに <管理人…

  • #1101-1110 みずからに・・・

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 <義母の短歌>#1101-1110 みずからに農解き籠ると決めしかど半日保たざり野着引き寄せる 手を合わせず向き合う野仏青葉蔭聴かぬ貌なりわれも願わず 花桃の繚乱すぎし若葉縫い吐息のような風吹き抜ける 藤棚の倒れしままの花盛り山鳩の来て地に遊べる むらさきの息ほのぼのと地に向きおだまき多くはのぞまぬかたち 蝶ふたつ明日無きさまに縺れ合い豌豆の花に紛れゆきたり 花びらの内側見せて崩れゆき紫木蓮滅びへ向かう 毒秘むる身とは知らずや金鳳花目にはやさしく黄に輝ける 風は初夏残り椿の一輪が北に向かいてぱっちり開く 終わる花咲きいずる花命ありて儀式のごとく米をとぐなり…

  • #1091-1100 町住みの・・・

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 <義母の短歌>#1091-1100 町住みの友が呆けたるつくし摘む童女のごときをうからの眸にみつ 「蕗おとるな」誤字も混れど威力あり車のアベック引き返したり 帰化タンポポ野面占むるを偏見のまなこに見下ろす島国根性 ささ濁る池面に写る花影をこわさぬ程にアメンボ走る 腐たれ木に虫は虫連れ寄り添える小さき平和わが乱したり 身めぐりに良き友増えゆく晩年を戸惑うまでの華あるひとり 夏の川地球の静脈さながらにゆるゆるめぐる思惟持たぬもの 熊笹を辷る風音山住みのわきても久し耳に沁みいる 草見れば指が勝手に動くゆえ蹤きゆく他なし五尺の体 月光を浴びて鎮もる池の面は奈落の使…

  • #1081-1090 一脚の・・・

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 <義母の短歌>#1081-1090 一脚のゲートル時折巻き戻す命の隅の一点の灯 てのひらを開きて視つむる生命線どこまで信じてわが安らわむ 完璧を目指しつ崩るる一角の奇妙な快楽いびつも良からむ 口挟みて何がどうなるセーターの毛玉まさぐる指の呟き 茣蓙敷きて見るものもなき里桜咲きしずもりて白ほむらなす 昨夜よりの雨に怠惰の身を起こし鉢にあしたの希望の種蒔く われのみに聴こゆる程か音のして小鳥の走る椿の木陰 俯して疲れに耐ゆる宵やみに明日も晴るるとふくろうの声 カレンダー数字のみなる淡泊の艶も衒いもなきが良ろしき 土佐みずき枯れしと思う下枝に花つけいたり点れるご…

  • #1071-1080 一文字に・・・

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 <義母の短歌>#1071-1080 一文字に擴げし翼飄々と弧を描く鳶に迷いのあらず 避けきれぬ会席ひとつに身を連ね水泡を掬う虚しさにいる 琴線にふれて明るき友の声置きし受話器の匂わむばかり めくるめく透きて湯舟に春の水身ひとつ沈むに惜しくもあらぬ 夫の忌月わが生れ月一月はいずれ華なき雪の中なる 深海の暗きに似たる曇天を絞るがごとく細き雨降る 戻り来て厨にたてり一度とても人の手になる夕餉に遭いたし 咲くにつけ散るにつけても諸花の一心込めて彩添えるなり 三人子はまだ幼くてわが歌集読む夫のいる絵のような夢 集会の明かりは消えて押しつけの計画ひとつ決まりたるらし …

  • #1061-1070 世に起たむ・・・

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 <義母の短歌>#1061-1070 世に起たむ鎧を脱げば飄々と吹かるる落ち葉の軽さにいたり クロッカスの花閉ずる夕静かなる充足はあり泥の手洗う ひとり住むくらしのリズム身に沁みていつか木乃伊になるやも知れぬ 三っの鍵それぞれ異なる音を持ちわが守られつ将縛られつ 手拭いをバシッとさばき首に巻く男に亡夫の後ろ姿みたり とろとろと眠りに落ちし数分にサスペンスドラマの二人死にいき 引き延ばす会話の限り「おやすみ」と受話器を置けば俄かにさぶし 木蓮の花の盛りに逝きたしと寒中空指すつぼみに思う 葉の揺れて一心不乱に啄める一樹の傍辺足しのばせる とみこうみ彩を合わせる彼…

  • #1051-1060 季のきて・・・

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 <義母の短歌>#1051-1060 季のきてまんさくの花ひわひわと寄らねばそれと解らぬ程に 福寿草はたクロッカス野水仙春淡々と黄の彩にはじまる 私を必要とする人探しに出かけてみんか雲の去りなば 引き取りて貰えしことを良しとせん織機繋ぎし捻子棒叩く 地の人の漬けしと聴けばたくわんの色の冴えぬを好みて買えり 何時来ても二筒しか仕入れぬ農協のすしのパックのひとつを買いぬ 開凾の忘らるる日もあらずやと怪しみにつつ投函したり 元気かと老いたる人にいたわられかえす言葉の突差に出でず 私に何が出来るか住専もオウムもきりきり縛り上げたり 散る日なき記憶の中の蓮の花やまとの…

  • #1041-1050 群鳥の・・・

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 <義母の短歌>#1041-1050 群鳥の遠ざかる列たわみつつ指すひと方のそれぞれの宿 山を背に山に守らる谷ごとの吾が知る限りの聚落思えり 陽の差せば心ぞよめき戸の外の雪にやすらぐ農知る因果 待つことの無聊に倦みて取る受話器うしろめたかり刻盗人の 屑箱のスチールパックピシッと鳴る捨てられし憂さ吐き出すごとく もろもろの思いはあれどかにかくに安けき老後賜びしを謝する 土乾けば先づ水仙の草とらんチュウリップの芽も笑い出したり 歌詠みの遊びと見ている眼差しにことさら明るく手を振りやれり 人様の思惑気にしてみしとても困った時の足しにはならぬ 人の傘足に触れしがきっ…

  • #1031-1040 乳歯二本・・・

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 <義母の短歌>#1031-1040 乳歯二本ニッと見せては乳欲りし末の子不惑の髪白み初む 落ち込むもはやきが起つもはやきなりなまじ媚びざるうた詠みゆかな 夕昏れの雨を抱える空の色何かある色悲しみの色 春の雪貧乏草の株毎にまろく積もれりなんとなけれど 夏かぜのわれにみかん水飲ませくれし若き母住む七十路のまなうら ふるさとも母校もわれには絵そらごと確かなふる里子の為守らむ 信号待ちの車すり抜けるオートバイゆとりを持たぬ孤独のそびら 二年前の髪の毛一本伸びぬまま挟まる頁をねんころに読む 冬の鬱燃すにかあらん遠ち近ちに煙りの見えて峽暖かし 眼のうろこぽろり剥がれて…

  • #1021-1030 春雪に・・・

    手作り短歌集(四)(平成八年四月より八月まで) 昨日までに、義母の手作り短歌集(一)に蒐集された432句をカテゴリーに分類し掲載いたしました。短歌集(ニ)以降に蒐集された短歌も日を改めてカテゴリーに分類し掲載予定です。 今日からは手作り短歌集(四)に蒐集されている短歌を順次掲載していきます。これらの短歌は、平成八年四月から八月の間に詠んだものです。 引き続き、今後ともこのBlog(義母の短歌)のご愛読をお願いいたします。 <義母の短歌>#1021-1030 春雪に明るき窓の昏れ果てて長きながき夜洞のようなる ゆだね置く人のあらねど避けられる限りの雑事除けてわが生く 輪郭のなき貌輪郭のみの貌描か…

  • カテゴリー:人・子供

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 母の手作り短歌集(一)巻に掲載された432首を11のカテゴリに分類した11番目(最後)のカテゴリー【人・子供】(4首)の短歌を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー:人・子供(一巻掲載4首)> #43 さくらんぼ捨ててレモンをしゃぶりいる幼子の味覚はかれぬままに #115 まじろぎもせずにみつめるみどり児の瞳に我は何と写らむ #290 毬飛ばし幼遊びしグランドに手袋片方露に濡れいる #421 草木みな朽ちるにあらで葉を落とす目覚めて欲しき人の幾たり <管理人のつぶやき> ■ゲロゲロと カエルがしゃべる田植の田 隣の山から鳥が答える

  • カテゴリー:街・町

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 義母の手作り短歌集(一)巻に掲載された432首の内、十番目のカテゴリー【街・街】(7首)に分類した短歌を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー:街・町(一巻掲載7首)> #35 酔えるがに闇にうごめくネオンの灯塵も芥もこめてきらめく #49 此れ程の人歩みいて我を呼ぶ声なき街の雑踏をゆく #166 警備員をマネキン巡査とふと紛う雨中旗持ちて動かずおれば #176 単純にひとりある夜の刻に倦み出で来し街のネオンにも酔えず #273 朝風にマフラーなびかせ過ぎし女若さみなぎる風まき散らし #345 ためらわず鄙びし店の扉押し小さな女の喜びを買う #400 …

  • カテゴリー:時代・時

    関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺 ご朱印 義母の手作り短歌集(一)巻に掲載された432首の内、九番目のカテゴリー【時代・時】(21首)に分類した短歌を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー:時代・時(一巻掲載21首)> #19 大真面目に竹槍の稽古つけられし悪夢の時代の紙芝居わらえり #21 透み通る明治の教えうちにあり我れ神風をうたがわざりし #24 十銭を汗ばむ程に握りしめ大神宮祭の出店なつかし #93 生き来しの異なり言いて棚下に級友と喰む白桃は甘し #94 昭和初期小娘の日当十八銭米一升は購えざりし #190 世は移り腕白どもの影はなく群れてはじけるあけびのあくび #195 さ…

  • カテゴリー:風景・景色

    関西花の寺25ケ所 第10番 摩耶山天上寺 手作り短歌集に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。 義母の手作り短歌集(一)巻に掲載された432首の内、八番目のカテゴリー【風景・景色】(27首)に分類した短歌を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー:風景・景色(一巻掲載27首)> #42 幾とせを水に研がれし岩肌の過ぎ来し踏みて釣人の座す #44 ダムの水激つ飛沫の真白くてたちまち澄めり峡の小霧に #77 山襞の麓の緑おしわけて孵化する如く列車出でくる #86 底知れぬ溜息一つ漏れ出でぬ永遠の住居の墓碑は哀しき #160 雀追う案山子は見えず稲刈り跡わだち残れり足跡なくて…

  • カテゴリー:亡夫・夫

    関西花の寺25ケ所 第10番 摩耶山天上寺 手作り短歌集に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。 義母の手作り短歌集(一)巻に掲載された432首の内、七番目に多く(28首)が含まれるカテゴリー【亡夫・夫】に分類した短歌を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー:亡夫・夫(一巻掲載28首)> #20 愛籠めて抱いてゆけり納骨の道に樒の白き花散る #26 母逝きて写経せし亡父そのままに今心経写す寂しさ噛みしめ #48 この峡に一人残して慌て者金婚式待たで逝きたる人は #52 長月を捲まず勤めし夫逝きて我に賜える年金の泉 #54 汝よりも半日たりとも早く逝く望みし夫の早すぎる他…

  • カテゴリー:暮らし・田舎

    関西花の寺25ケ所 第10番 摩耶山天上寺 手作り短歌集に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。 義母の手作り短歌集(一)巻に掲載された432首の内、六番目に多く(35首)が含まれるカテゴリー【暮らし・田舎】(暮らし・田舎・農業など)に分類した短歌を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー:暮らし・田舎(一巻掲載35首)> #4 後継者なく売りし田の代坪千余円今日受けしなりみ祖に詫びる #8 積む雪にすべりまろびし校舎への坂急にして今も残れる #16 遠ち近ちに耕運機の音とどろきて農なき我も心急がるる #32 鉄塔から鉄塔へ張る線上を猿と紛らう工夫下れり #46 圃場整備…

  • カテゴリ:家族

    関西花の寺25ケ所 第10番 摩耶山天上寺 手作り短歌集に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。 義母の手作り短歌集(一)巻に掲載された432首の内、五番目に多く(40首)が含まれるカテゴリー【家族】(息子・娘・孫など)に分類した短歌を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー:家族(一巻掲載40首)> #6 線香の薫りかそかに残れるを孫には告げずお下がりを喰む #27 孫といて病む脚忘れ縄跳びに入りし脚が土を離れず #28 農に明け農に終りし父母が夢にも野良着で在す切なさ #29 病む我を連れて帰ると云う嫁の飼猫の顔が唐突に浮かぶ #30 肩少しゆがめて歩く亡父に似て肩下…

  • カテゴリー:自然・季節

    関西花の寺25ケ所 第10番 摩耶山天上寺 手作り短歌集に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。 義母の手作り短歌集(一)巻に掲載された432首の内、四番目に多く(50首)が含まれるカテゴリー【自然・季節】に分類した短歌を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー:自然・季節(一巻掲載50首)> #1 白鷺の群れて舞い立つ秋の空友禅模様の絵を曳く如し #9 如月の半月高く懸る道冷気の肌刺しうつむきて帰る #10 棕梠の葉が杉木立縫う木洩れ陽に揺れているなり三月の風 #13 春雷のとどろきゆける部屋隅に叱られし童の如く座れり #15 地を這える薄き影なり脚曳きて淡陽が中を家の…

  • カテゴリー:独り・老い

    関西花の寺25ケ所 第10番 摩耶山天上寺 手作り短歌集に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。 義母の手作り短歌集(一)巻に掲載された432首の内、三番目に多く(50首)が含まれるカテゴリー【独り・老い】に分類した短歌を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー:独り・老い(一巻掲載50首)> #2 会話なき一日終わりて消す灯り闇に重たき秋の雨音 #7 六人の子育てし媼脚萎えて老人ホームに臥すという哀し #14 一握りの野蕗摘みきて煮つめおりそれで事足る暮らしと思う #17 媼逝く報い少なき一代なりと葬にたつ人交ごも語る #18 八十四の媼有金盗られしと泣いて縋れり背さす…

  • カテゴリー:自分・生活

    関西花の寺25ケ所 第10番 摩耶山天上寺 ご朱印 手作り短歌集に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。 義母の手作り短歌集(一)巻に掲載された432首の内、二番目に多く(82首)が含まれるカテゴリー【自分・生活】(義母自身の事、生活、歌など)に分類した短歌を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー:自分・生活(一巻掲載82首)> #33 洗い髪梳きにつつ聴く落とし湯の乱れの調べ闇に吸わるる #47 コツコツと響く靴音健やかに今日関節の痛み少なく #50 掌の汚れ心の灰汁を流すかに蛇口にしっこくかざして洗う #53 草刈る掌鍬ふるう腕汗拭う何時も従きくる私の影も #61 …

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、okamura920さんをフォローしませんか?

ハンドル名
okamura920さん
ブログタイトル
義母の短歌
フォロー
義母の短歌

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用