#411-420 すすき刈る・・・
関西花の寺25ケ所 第3番 金剛院 <義母の短歌>#411-420 すすき刈る指はすすきに切られおり青くさき指唇にあてる 子の帰る報せにともる奥処の灯大根洗い白菜を引き オレンジのシャツが似合える老い男は脚病む老女抱きてゆけり 七十年足踏みしめて登りきし石塊れ坂も平らになりぬ ひるの月透きてかかれり子の傍で仰げばとみに美しくあり 人を待つ刻のいらだち紛らして反故焼く煙の流れ見て佇つ 思い出す姑炊きくれし芹飯の飢えいる舌にうまかりし事 こんにゃくを温めて湿布せよと言う我が足案ずる娘よりの電話 したたりに尽くるなく浮くみなわ粒真白きをみて飽きぬ刻あり 一本の鉛筆指を離れずに水泡のごとく文字重ねゆく…
2022/02/28 14:19