あの朝
幼稚園行かない! あの日の朝のあるは、突然に、 絶対に幼稚園へは行かないと主張し、 バス停までの道のりにある電柱や看板にしがみついて、 決して歩こうとはしませんでした。 意地悪をする子がいるから、もう幼稚園へは行きたくない。 泣きながらこんな主張を続けるあるの姿に胸が痛みながらも、 心を鬼にして、バス停まであるを引きずりながら連れて行きました。 強くなりなさいと。 私たちは、いつまでも、あるを守ってあげられるわけではありません。 ひとりで歩む強さを身に付けていかなければならないのです。 漸く、バス停へと辿り着き、お迎えのバスが来ると、 引率の先生が、嫌がるあるをバスに乗せてくれました。 先生に…
2022/09/30 20:00