貧者の一灯・妄想物語
ある時ジェリーの前からトムがいなくなりました。トムは自分の命の終わりが近づいていると知ったとき、こっそりジェリーの前から姿を消したのです。ジェリーの前で弱ってた自分を見せたくなかったのです。トムはジェリーの心の中でずっと喧嘩相手として生きつづけたかったのです。トムがいなくなったのに気づいた時、ジェリーは悲しみはしませんでしたが、「これから退屈になるな」と思いました。ジェリーにとってトムとの喧嘩は、最高にスリルのあるゲームだったから。胸の奥が不思議にチクチクはするのですが、それが何なのか、ジェリーにはわかりませんでした。そんなある日ジェリーの前に一匹の猫が現れました。トムよりのろまで体も小さい猫です。喧嘩相手のトムがいなくなって寂しかったジェリーは、今度はこの猫を喧嘩相手にしようと考えました。いつものねずみ...貧者の一灯・妄想物語
2022/12/31 15:12