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書にいたる病 https://rukoo.hatenablog.com/

ものがたりジャンキーの主婦が今まで読んだなかで面白かった小説だけ紹介します。多少乱読気味。特に食べ物が出てくる小説が好きです。毎日更新がんばります。

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2021/04/22

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  • 芥川賞を全作読んでみよう第4回その2『地中海』冨澤有爲男 【感想】地中海の朝焼けに溶けていく二人の男の友情。純文学とは思えないドラマティックさにドキドキが止まらない

    芥川賞を全作読んでみよう第4回その2、冨澤有爲男『地中海』をご紹介します。 芥川龍之介賞について 第四回芥川賞委員 第四回受賞作・候補作(昭和11年・1936年下半期) 同時受賞の『普賢』について 受賞作『地中海』のあらすじ 感想 端正な筆致による美しい風景とドラマ 純文学と思えないドラマティックさ 児島という男と星名青年 今回ご紹介した本はこちら 芥川龍之介賞について 芥川龍之介賞とは、昭和10年(1935年)、文藝春秋の創業者・菊池寛によって制定された純文学における新人賞です。 受賞は年2回、上半期は、前年12月から5月までに発表されたものが対象、下半期は、6月から11月までに発表されたも…

  • 芥川賞を全作読んでみよう第4回その1『普賢』石川淳 【感想】饒舌で混沌とした筆遣いが描く市井の人々の滑稽などったんばったん

    芥川賞を全作読んでみよう第4回その1、石川淳『普賢』をご紹介します。 芥川龍之介賞について 第四回芥川賞委員 第四回受賞作・候補作(昭和11年・1936年下半期) 二作同時受賞について 受賞作『普賢』のあらすじ 感想 饒舌な混沌 茂市という男 不可思議な引力 今回ご紹介した本はこちら 芥川龍之介賞について 芥川龍之介賞とは、昭和10年(1935年)、文藝春秋の創業者・菊池寛によって制定された純文学における新人賞です。 受賞は年2回、上半期は、前年12月から5月までに発表されたものが対象、下半期は、6月から11月までに発表されたもの、が対象となります。 第四回芥川賞委員 菊池寛、久米正雄、山本有…

  • 芥川賞を全作読んでみよう第3回その2『城外』小田嶽夫 【感想】青年官吏の外国での孤独と若き恋の日々を古雅な筆致で描く

    芥川賞を全作読んでみよう第3回その2、小田嶽夫『城外』をご紹介します。 芥川龍之介賞について 第三回芥川賞委員 第三回受賞作・候補作(昭和11年・1936年上半期) 受賞作『城外』のあらすじ 感想 成長する若き愛情 中国への興味 著者の外交官経験 ただ『コシャマイン記』と比べると…… 『城外』はこちらに掲載されています 芥川龍之介賞について 芥川龍之介賞とは、昭和10年(1935年)、文藝春秋の創業者・菊池寛によって制定された純文学における新人賞です。 受賞は年2回、上半期は、前年12月から5月までに発表されたものが対象、下半期は、6月から11月までに発表されたもの、が対象となります。 第三回…

  • 芥川賞を全作読んでみよう第3回その1『コシャマイン記』鶴田知也 【感想】 アイヌの誇り高き酋長の末裔コシャマインの悲劇的な死を抒情詩的にうたいあげる

    芥川賞を全作読んでみよう第3回、その1では、鶴田知也『コシャマイン記』をご紹介します。 芥川龍之介賞について 第三回芥川賞委員 第三回受賞作・候補作(昭和11年・1936年上半期) 受賞作『コシャマイン記』のあらすじ 感想 題材について 物語の徹底的な悲劇性と透徹な神性 今回ご紹介した本はこちら 芥川龍之介賞について 芥川龍之介賞とは、昭和10年(1935年)、文藝春秋の創業者・菊池寛によって制定された純文学における新人賞です。 受賞は年2回、上半期は、前年12月から5月までに発表されたものが対象、下半期は、6月から11月までに発表されたもの、が対象となります。 第三回芥川賞委員 菊池寛、久米…

  • 芥川賞を全作読んでみよう第2回 受賞作なしの裏側で躍動する歴史のドラマ

    芥川賞を全作読んでみよう第2回は、第2回にしてなんと”受賞作なし”です。 ちょっとがくっときましたが、色々調べるうち、その裏側にはうねる歴史と人間のドラマがあることに気が付きました。 結構面白かったので、今回は、そのあたりを書いていきたいと思います。 芥川龍之介賞について 第二回芥川賞委員 第二回受賞作・候補作(昭和10年・1935年下半期) 二・二六事件との遭遇 各選評委員の推薦作と波乱 詮議の裏に潜む人間ドラマ 瀧井孝作の代表作 芥川龍之介賞について 芥川龍之介賞とは、昭和10年(1935年)、文藝春秋の創業者・菊池寛によって制定された純文学における新人賞です。 受賞は年2回、上半期は、前…

  • 芥川賞を全作読んでみよう第1回 『蒼氓』石川達三 【感想】 棄てられた民たちの諦念と悲哀が現在の弱者とリンクする

    芥川賞を全作読んでみよう第1回は、石川達三『蒼氓(そうぼう) (秋田魁新報社)』です。 芥川龍之介賞について 第一回芥川賞委員 第一回受賞作・候補作(昭和10年・1935年上半期) 受賞作『蒼氓』のあらすじ 物語の時代背景と感想 時代背景 弱者の愚かさとその普遍的な哀しみ 今回ご紹介した本はこちら 芥川龍之介賞について 芥川龍之介賞とは、昭和10年(1935年)、文藝春秋の創業者・菊池寛によって制定された純文学における新人賞です。 菊池寛と芥川龍之介は盟友で、芥川の葬式で弔辞を読んだのも菊池寛でした。 受賞は年2回、上半期は、前年12月から5月までに発表されたものが対象、下半期は、6月から11…

  • 『奴隷小説』桐野夏生 【感想・ネタバレなし】「私たちは、泥に囲まれた島に囚われている」、異様な想像力が構築する”奴隷たる者”の世界

    今日読んだのは、 桐野夏生『奴隷小説』です。 「奴隷的状況」を題材とした短編を集めた作品集で、身体的にまたは精神的に束縛され、自由を奪われた人々の姿が豊穣な想像力の世界で立ち現れます。 本書を読むことで、奴隷であるとはどういうことは、翻って、自由であるということはどういうことなのか、ヒントが得られたように思います。 それでは、各短編の感想等を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 各短編の感想 雀 泥 神様男 REAL ただセックスがしたいだけ 告白 山羊の目は空を青く映すか Do Goats See the Sky as Blue? 今回ご紹介した本はこちら 桐野夏生の他のおすすめ作品…

  • 『バラカ』桐野夏生 【感想・ネタバレなし】大震災後の世界をさまよう少女の数奇な運命が圧倒的な疾走感と重量で描かれる

    今日読んだのは、 桐野夏生『バラカ』です。 ポスト3.11文学の極北と言って過言ではない巨編でした。 被爆地に突如降臨した少女・バラカ。 彼女の数奇な運命の遍歴と、人々の欲望と弱さのグロテスクさ。 また、全編の根底に流れるミソジニーの根深さにゾッとしたりもしました。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 聖少女 父親と娘・男と女 バラカとは何者か 今回ご紹介した本はこちら 桐野夏生の他のおすすめ作品 あらすじ 豊田悟朗は震災ボランティア中に警戒区域内で犬に守られるように現れた幼い少女に出会う。彼女が口にしたのは「ばらか」という名前だけ。海外で子どもを買う女性と…

  • 『i』西加奈子 【感想・ネタバレなし】この残酷な世界にアイは存在するのか。生きることへの祝福に満ちた物語

    今日読んだのは、 西加奈子『i』です。 「この世界にアイは存在しません。」 アメリカ人の父と日本人の母との間に養子として育てられたアイは、その繊細さと聡明さで、自分の”恵まれた”境遇に罪悪感を抱きながら育ちます。 世界中で沢山の人が苦しく辛い思いをしていることを真面目に受け止めると、ほとんどの人は息が詰まって生きてはいられないでしょう。 これは、その息苦しさのなかを足掻きながら、それでもその苦しさを苦しみのまま受け止めることに決めた少女の生の旅の物語です。 この世界にアイは存在するのか、ぜひ本編でそれを確認してみてください。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイン…

  • 『闇に香る嘘』下村敦史 【感想・ネタバレなし】27年間、兄と信じた男は本当の兄なのか、全盲の老人が手探りであの日本当にあった出来事を追う

    今日読んだのは、 下村敦史『闇に香る嘘』です。 第60回江戸川乱歩賞受賞作のこちら。著者の下村敦史さんは9年間同賞に応募し続け、5度最終候補に残り落選を経験した先にやっと勝ち取った受賞だそうです。 この経歴だけでも尊敬してしまいます。 中国残留孤児の悲劇的な歴史を綿密な取材に基づいた説得力のあるストーリーでミステリーへと昇華した作品で、主人公が、全盲の高齢男性というめちゃくちゃハードルの高い設定も見所の一つです。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント は 全盲の主人公といえば 書いてあること全てが罠 中国残留孤児の歴史 今回ご紹介した本はこちら あらすじ 村上…

  • 『漁港の肉子ちゃん』西加奈子 【感想・ネタバレなし】生きている限りは、誰かに迷惑をかけることを怖がってはいけない

    今日読んだのは、 西加奈子『漁港の肉子ちゃん』です。 インパクトのある題名に随分前から気になっていたのですが、なんとなく暗い話な気がして避けていました。 そんなとき、明石家さんまさんプロデュースでアニメ映画化する、という話を聞いて、これは暗い話じゃないかも……と思い切って読んでみました。 劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』公式サイト 想像していた物語とは全く違う、暖かくて強い”家族”の話でした。 また、「あとがき」が本編に比するほど素晴らしい作品でもあります。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 漁港の肉子ちゃん 天真爛漫な母と自意識でいっぱいの娘 打算のな…

  • 『吸血鬼』佐藤亜紀 【感想・ネタバレなし】革命の火種燻るポーランドの寒村にあらわれる吸血鬼の正体に国と民の残酷な断絶を見る

    今日読んだのは、 佐藤亜紀『吸血鬼』です。 舞台は1845年のオーストリア帝国領最貧の寒村・ジェキ。 土着の風習が色濃く残る土地で、次々と人が怪死していきます。 が、ホラー小説やファンタジーなどではなく、著者の歴史に対する深い洞察に基づいた小説で、これ1冊で19世紀のポーランドの在りようが大体わかってしまいます。 ちなみに、翌年の1846年はクラクフ蜂起が起こった年で、この出来事も物語に大きく関係してきます。 しかし、色々と調べていて思ったのですが、ポーランドという国は、あらゆる国に分割され統合され、歴史にもみくちゃにされた不遇な国ですね……。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あら…

  • 『インドラネット』桐野夏生 【感想・ネタバレなし】卑小さを突き詰めた人間の切なさと東南アジアの深い闇が融合する現代の黙示録

    今日読んだのは、桐野夏生『インドラネット』です。 政情不安が日常に根付くカンボジアを舞台に、コンプレックスの塊のような卑小な男が、人生のたった一つの光を切ないほど追い求めた成れの果てを見せられました。 異国情緒豊かな描写、濃ゆい登場人物、振り回される情けない主人公、どろどろの話なのに、何故か神話の世界を垣間見るような神々しさが文章にあります。 読後、無性に切なくて胸をかきむしりたくなりました。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 情けない主人公への苛立ち 誰かの影として生きる切なさ 今回ご紹介した本はこちら あらすじ 非正規雇用、低賃金で働く八目晃は、何の取…

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