駿河療養所 双葉志伸さん(3)
ふたたびは来るとは思はぬ厚生省座り込みして食ふ握り飯癩園の限界の野に山羊ひきてこれより先は行けぬ土地なり油蝉しきりに啼ける吾が足の皮はがれゆくその音の中吾が身より切り離されし左足手術の隅にただの物体松葉杖つきてまたげる下水路に映れる冬の青深き空点筆の先が光りて落ちており亡き田村君偲ばれてならぬ太陽と霧が戦い明けくれば箱根の山に浮ぶ虹あり盲導鈴時雨の中に鳴りてゐる三叉路を迷はず友よ帰れよ養はれ生きゐ...
2024/07/14 18:50
2024年7月 (101件〜200件)
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