日常が別物になる『灰とダイヤモンド』(東 曜太郎)
今さらお前が俺に道徳を説くのか?勘弁してくれよ。ここはヤミ市だぜ。小学校じゃねえんだ。(本文より) 日本の過去をフィクションで体感できる カトリシリーズで知られる作家の新境地。 戦後混乱期のヤミ市で暮らす少年の目で 過酷でままならない現実を描いた作品だ。 子どもらしくいられず背伸びする彼らの 向こう見ずな冒険に釘付けになったよ~。 これは子どもの読者も引き込まれるだろ。 戦争について被害・加害の両面で捉えた 深みある視点には学びのタネがぎっしり。 インフレ地獄のくだりも勉強になったよ。 今この国で生きている幸運を思い知って 価値観を揺さぶられるかもしれないな~。 難易度は紹介作品の中では普通の…
2025/07/08 22:53