第七十五話④
一学期最後の、模擬試験が始まった。しかしチョルは、いまいち集中しきれずにいた。[名札を注文したのに、まだ言い出せてない][それに、みんなで街に遊びに行くという話も]モ・ジンソプはああ言っていたものの、後でソンイに突っ込まれていた。「あ、でもジンソプ、明日は模試だよ?」「あー・・知ってるけど、期末もあるからさぁ」[どうせポシャるだろうけど]そう思いながら、チョルは自分とミエとの”約束”を言い出せないことを気にしていた。「・・テスト終わったら観るんだよ」ジンソプの言う通り、模試が終わったらすぐに期末の準備だ。”約束”を果たすのに、そんなに時間は残っていないのだ。 ミエもまた、試験に臨む傍らで、昨夜ベッドで一人考えたことを思い出していた。ボー・・パチッ思い出していたのは、自分のために全速力で駆けて行ったチョルの...第七十五話④
2022/12/31 23:00