第七十一話③
朝、ファン家の電話が鳴っている。そのベルを、ミエはげっそりした顔で聞いていた。「はいもしもし?もー!なんなの昨日から!」「行って来ます・・」「ちょっと!ふらふらしないで真っ直ぐ帰って来なさいよ!わかった?!」調子の悪い電話機にイラつきながら、母は忘れずにミエに釘を刺した。しかし心ここにあらずといったミエの姿を見て、母は思わずため息をつく。ミエは、何度もあくびをしながら道を歩いた。昨夜の衝撃で寝付けず、眠いのだ。あー寝たんだか寝てないんだか・・ていうか今日会ったらなんて言おう・・まず謝って・・でもお互いやらかしたんだからお互い様・・そこまで思ったところで、視線に気づいた。二人はこうしてバッタリと会う運命らしい。「あ・・あの・・」ミエが弁解を口にしようとした矢先、チョルの眼光が厳しくミエを貫いた。ギッッ!「あ...第七十一話③
2022/10/31 23:00