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ブログタイトル
脳性まひ者 しんやのひとりごと
ブログURL
https://windshinya.hatenablog.com/
ブログ紹介文
脳性まひの筆者が、折にふれ、浮かぶ思いをつづる。 サンバイザーに割り箸をつけたのをかぶり、頭を動かしながらPCのキーを打ちます。
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3回 / 228日(平均0.1回/週)

ブログ村参加:2020/09/22

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ハンドル名
尾崎 真也さん
ブログタイトル
脳性まひ者 しんやのひとりごと
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脳性まひ者 しんやのひとりごと

尾崎 真也さんの新着記事

1件〜30件

  • う~む これを前向きに、といってもね……

    きのうの昼ごろ、玄関の戸が開いて、「おいっす」 実家の母が、ようすを見に来たのでした。「いやいや、つまんね。なんで、こんなんなったんだべな」 ため息をもらしていたので、なにか、あったのときくと、「外さ出っと、店のいすにでも腰かけで休むっちゃ。すっと知らない人ともしゃべっぺ。それがお互い気晴らしになってたのね。それがいま、どこさいっても、シーンとして、だれもしゃべるひといねんだもん」 まったくその通りだと、ぼくもいつしかいっしょになって、その話をしていました。 ことしは新型コロナウイルスに振り回されつづけた一年です。テレビではさかんにその危険性を報道しています。うつるのも、うつすのも、怖い。ぼく…

  • デカいテレビ

    いまPCモニターとしても使っているテレビは、ことしはじめのほうに買ったものだ。新型コロナが騒がれ出したころだから、二月だったかもしれない。ただ、なんせ40型である。 ひとり暮らしのアパートの部屋は、ふだん四つんばいや正座で過ごしているが、調子のよくないときは車いすもOKの八畳。とはいえ、これでテレビをみるには、デカすぎるんじゃないか。 なぜ、大きいテレビになったか。 PCモニターとして使うには、フルハイビジョン以上の解像度がなければならなかった。たとえば演劇の舞台でスポットライトのあたる部分が狭いと、全体を見渡したくても、光のあたる範囲しかみえないようなものといったらいいか。とにかく一部分の範…

  • マスクごし

    電動車いすに乗せてもらい、うちの近くの公園をひとりで散策していたが、かえって息苦しくてくたびれるから、しばらくやめていた。 うちを出るとき、マスクをしなければならないからである。 伊達メガネで押さえる方法は思いついた。それでもマスクは動いてしまう。マスクがずれて目隠しになったとき、手が思う通りに動かず、なおせない。助手が必要なのである。 新型コロナウイルスが流行りだしてから、ひとりでの散策はひかえていた。ずっとうちの中にいるのも、息がつまってくる。電動車いすでおもてに出れば、すれちがう人が、こんにちは、とか、きょうはあったかくていいですね、とか、そういって会釈してくれる。脳性まひの症状でかって…

  • うちのなかで

    エアコンのリモコンのボタンを押す。うちのなかではこのところ、とりわけこれがなかなか煩わしい、と思うときがあります。 脳性まひの障害でおきる不随意運動がありますが、そのときによって、からだがいつもよりいうこときいたり、きかなかったりします。 狙いをさだめたリモコンのボタンのところに、うでがその意志どおり動いてくれれば、げんこつの角でボタンを押します。 ですが、どうがんばってもあさってへ手がいってしまうときが多く、だいたい鼻でボタンを押します。 25度にして、よし、とくるりとうしろへ向き、パソコンの前に這っていきます。 割り箸のついたサンバイザーをどうにかかぶり、それから正座します。頭を動かしなが…

  • 広場の木陰にて

    区役所へ、用事がありました。 電動車いすで自宅から、10分もかかりません。 午後の窓口受け付けは、1時からだったと思いました。それまでひまだったんで、役所のそばの広場の木陰で休んでいました。 葉擦れの音がしていました。風に吹かれているうち心地よくなり、ぼうっとしてしまいました。 とぼとぼ歩いてくるちいさいのは、1羽のハトぽっぽさんでした。電動車いすのそばまで来て、首を左右にかしげながら見上げています。 「ん?」 そうか、エサがほしいのか。あいにく、ないんだよ。 ぼくはつぶやいていました。ハトぽっぽさんは、向きをくるりと変え、とぼとぼ歩いて行ってしまいました。 ことばが、わかったのか。それとも、…

  • 母が来て……

    昼すぎに部屋でひとり、休んでいると、仕切り戸が開いた。泉ピン子に似た母の顔があらわれ、 「おいっす!」 いかりや長介かい、と心のうちでつぶやきながら、おいっす、と返事した。 幸町からバスと地下鉄を乗りついで、ようすをみにきたのだ。ぼくは長町南にアパートを借りて介護サービスを利用しながら暮らしている。母が、 「よし、元気があって、よろしい。ん、おお、いい歌きいったな。だれの?」 「幹mikiさんの〈宙そら〉っていうアルバムCDだよ」 わからない、と母が言う。そんなはずはないとパソコンを立ち上げ、YouTubeで〈仙台ゆりが丘マリアージュアンヴィラCM〉を検索して出してやると、流れる歌に母は耳を傾…

  • 障がい者長崎打楽団〈瑞宝太鼓〉

    闇と静寂を、和太鼓がうち破った。 ばちをふる男たちの二の腕がたくましく、スポットライトでステージ上に浮かぶ乱舞は気迫がある。 二列目の席でみていたぼくは、おなかに響いてくる太鼓の音に、 ――おぉぉ~。 強く訴えかけてくる力のようなものはしかし、生の演奏だから、というだけではあるまい。団のメンバーは、みんな障害を抱えている。生きてきた道は、けっして楽なことばかりではなかったはずだ。太鼓と出会い、表現手段とした。練習の積み重ねの日々、そして人生への想いがこもっているからだろう。 障がい者長崎打楽団〈瑞宝太鼓〉のコンサートがきのう、仙台市太白区文化センターの楽楽楽ホールで催された。観客席の一員に車い…

  • 帽子が飛ばされるぅ~

    葉ずれの音が、ときおりざわついた。 横断歩道の赤信号で待つあいだ、見上げる。並木の緑がだいぶ深まってきていて、風にゆさぶられていた。 半袖のポロシャツに、長袖のパーカーを着せてもらっていた。それでも少し肌寒い。気温は二〇度ぐらいあるはずだが、風が強いせいだろう。平成三十年五月二十三日、空はくもっていた。 予報をネットでチェックし、 ――雨は降らないな。 昼過ぎに用が終わって帰るヘルパーさんに、電動車いすに移乗してもらって外へ出る。ひとりでぶらっと出かけたが、住宅地から大通りに出たところで、風が吹きあれたのだった。 ――やばいっ、帽子が飛んじまう。 押さえようにも、手がうまく動いてくれない。そん…

  • うちのかさまは、行くんかな……

    朝、テレビに泉ピン子が出ているのをちらっとみたら、母の顔に似ているので、 「うちのかさまは、行くんかな」 あしたのことが気になって、知らなかったら伝えようと、電話のところへ這っていった。手がうまく動かないので、鼻で番号ボタンを押す。 はい、と出たので、 「オレだよ、オレ、オレ」 「ハハハ、なんだ、オレオレ詐欺が」 暑くなりそうだから、早いうちに、買い物へ行こうと、支度していたところだったそうだ。予報では25℃を超えるらしい。 ひとり暮らしの母の家の壁には、雑誌の切り抜きが貼ってある。帰省すると、フィギュアスケートの羽生結弦選手を眺めてなにかつぶやいていることがある。あしたその羽生結弦がくるとい…

  • 一年生になったら[E:#x266A]

    薄いダウンジャケットを着せてもらい、電動車いすで用足しへ行く。その道すがらの家の庭で、子どもたちが歓声をあげていた。 「ムカデがいるよ」 「えっ、どこ?」 小学生ぐらいの子が三、四人、しゃがんで地面を観察しているらしい。 冬のあいだ、裸の枝をさらしていた木も、桃色の花におおわれている。 平成三十年四月四日、仙台はまだ、雪が降っていてもおかしくない時季であったろう。なのにここ数日のあいだには、もうすぐ初夏がくるのかと思ってしまう日があった。梅や桜は、早く花を咲かせなきゃとあせっただろう。 予報では、また寒くなるらしい。土から出てきた虫も、あわてて引っ込んでしまうのではなかろうか。 スーパーに着く…

  • 母が来た?!

    部屋のふとんの上でしばし休んでいると、玄関のドアのひらく音がして、歌声がきこえてきた。 「は~るばる来たぜ[E:#x266A]」 すかさずぼくは、大きな声で、 「は~こだて~[E:#x266A]」 はて、だれの歌だったか。北島三郎だ、と思い出した。 そうして部屋にいるぼくを、泉ピン子に似た顔がのぞく。 「元気でよろしい」 母(七十代)がようすを見に来たのだ。 ぼくは長町南のアパートで介護サービスを利用しながら暮らしている。体が思うように動かせないのは、脳性まひという障害のためだ。 ヘルパーさんの出入りが二、三時間おきにある。母がたまに来るのは、ぼくがひとりでいる時間帯だ。車だと三十分ほどの幸町…

  • これから通院で(^^ゞ

    (この写真は、きょう撮ってもらいました) これから、かかりつけ医院へ行ってきます。 定期薬をもらい、インフルエンザの予防接種をしてもらおうと思います。 このつぶやきを打っている時点で午後一時五分、部屋の窓から見える空は、雲が広がっています。 雨が降らなければいいですが……

  • 急に冷え込んだとて

    夕方に、ぐんと冷え込んだ日があって、すっかりあわてた。 とりあえずその日は短時間で準備できること、石油ファンヒーターを出してもらった。 寒くなると、体の不自由なぼくにとって、電気敷布も必需品なのである。 次の日に電気敷布をふとんにしいてもらう。数日後、縫い物ができるヘルパーさんが来て、その敷布を、ずれないようにぬいつけてもらった。 電気敷布を使うのは、明け方に寒くなったときである。体が思うように動かず自分でふとんがかけられないからだ。電気敷布のダイヤルは、手が利かないときは鼻を使えば動かせる。 冬は寒くなり、そして夏は暑くなる。 めぐる季節や日々の天気をぼやいたところで、向こう側をコントロール…

  • 眠っているときの警報、なんとかならないか

    朝早くに枕もとで大音量がして、たたき起こされた。 ケータイに使っているBluetoothスピーカーだった。寝ていても電話に出れるよう、枕もとにおいている。 地震がくるのかと、やっと頭をもたげ、携帯画面をのぞく。 ミサイルが飛んでくるかもしれないっていう警報だった。北朝鮮で発射したらしい。ハワイへ向けた実験か。 途中の日本に落ちるかも、ということだろう。 人と人、国と国。 世界に宗教は数々あれど、心理学の研究結果も数々あれど、現実は気の遠くなるほど複雑でややこしい。なかなか平和にいかないもんだ、とぼくは観念している。むずかしいことはもう、考えたくもない。 この不自由な体で避難しろったってな、ミサ…

  • 仙台七夕祭りで

    地下鉄勾当台公園駅のエレベーターで地上へ出ると、出店が並ぶあたりは、人の波だった。 仙台七夕祭り見物へ、きのう午後から出かけた。 家族づれや浴衣姿のカップルが、むこうからきてすれ違う。 車いすを押してくれていたヘルパーさんは、おだやかな男の人だった。 「人が込んでるけど、祭は雰囲気ですよね」 ぼくも、うなずく。 すいているほうへ、車いすを押してもらう。おなかがすいてきた。 「なんか、食べたいですね」 そう伝える。ところが、へんだな、と首をかしげた。車いすが、高校生らしき女の子のグループのほうへ、そろり、そろり、と進んでいくではないか。水色やピンクの浴衣の花模様が、かわいらしかった。そこで気づい…

  • 母におしえられ

    きのうは実家の母(七十代)が、昼過ぎ、ぼくのアパートにようすをみに来ました。 玄関のドアが開き、 「おいっす」 ぼくは返事をしました。 「おぉ」 「なんだべ、元気ねえな」 「元気だよ、おいっす」 と返事しました。 タツタッタッタ、玄関からキッチンを通って、泉ピン子に似た顔がのぞき込み、 「しんや、なんの日かわがっか。ウナギ買ってきたからや。半分ずつ食うべ!」 「え?」 土用の丑の日、そんな時季なんだと知りました。 目の前のことをこなしていくばかりで、気づけば月日の流れは、早いもんだと、黄昏れることもあったりします。いまのぼくはそんな日々です。 が、離れて暮らしている母が、元気そうだと、ホッとし…

  • 耳元でささやく声に

    自宅でふとんに寝ていると、左の耳元で、女の人のささやく声がして、 「しんや、しんや…」 はっと目が覚めました。 時計をみると、六時四五分、あと十五分で起床時間です。部屋にはまだ、ぼくしかいません。 夏になると、〈ほんとにあった怖い話〉というオムニバスのスペシャルドラマをやっていたりしますが、夜、ひとりしかいない静かな部屋でぼんやり眺めながら、つくりもんだな、と思ったりしています。 今朝の耳元でささやく声も、外のカラスの鳴き声が、そいうふうに聞こえたんだろうな、と思いました。 かりにお化けだったとしても、それはそれでぼくは平気なのです。 お金のからんだりする人や団体のいうことは信用しません。 が…

  • 垣根の謎の黄色い花

    ザ・モール仙台長町の交差点側の生け垣に茂った濃緑の葉にまじって無数の黄の花が、咲いていました。 この前電動車いすで通ったときは、見ごろは終わりかな、と思ったのですが、どうやらいまが盛りの花らしい。 なんていう花なんだろう。 毎年眺め、ネットで検索しても出てきませんでしたが、またパソコンに向かい、調べてみました。 「いま咲いてんだから〈初夏〉といれて、〈黄色い花〉、〈生け垣〉でどうだ」 すんなり写真つきであらわれました。 これだ、なるほど。 〈キンシバイ(金糸梅)〉というそうです。 写真が撮れればいいのですが、手が不自由で、ちょっとむりでした。 興味をお持ちの方は、ネットで検索を…… ひとつ、も…

  • 日本のお偉いさんへ

    「共依存症」 「統合失調症」 「更年期障害」 「双極性障害」 まだかじったばかりですが、本をいろいろ読んでおりました。日本の福祉サービス利用者のひとりとして、不安をだいているからです。 病気が重くなると、専門家でも対応が難しいそうです。 介護職のひとたちのメンタルの管理を、ちゃんとやってもらえる仕組みを作ってもらわないと、福祉サービスの利用者は、安心した生活を送れません。活動や人付き合いも、少しでも楽しく生活がしたいと思っても、逆に阻まれてしまうのです。 支え手のプロであるはずの人たちが、壁になってしまうのです。 厚生労働省も、高級官僚も、政治家も…、そのへん、認識してらっしゃるのか なんでと…

  • あの黄の花は

    長町南の大通りの若緑の並木の葉が、いつのまにか濃くなっていた。店の建ち並ぶ歩道を、電動車いすで行く。 向かいからの風がときおり強く吹き、あわてて下を向いて帽子が飛ばされるのを防ぐ。 ほかの県から来たひとは、仙台は風が強いですね、という。冬が寒く感じるのはそのせいもあるかもしれない。緑が濃くなるいまごろの時期、特に暑い日は、その強い風も、かえって心地よい。 平成二十九年六月九日、昼過ぎに電動車いすに移乗してもらい、しばし長町南(仙台市)の自宅から散策へ出た。 六月ももう半ばになる。梅雨入りすれば、明けても今度はギラギラした陽の光にやかれる季節になり、ひとりでの散策はとうぶんできなくなると思ったか…

  • 生きていく強さ

    電動車いすを歩道のわきに寄せて、一息つく。心地よい風が吹く季節になった。小さな花が、かすかにゆれている。 長町南(仙台市)も四月にしては、温かな日が多かった。先日は区役所や郵便局などへ用があって出かけた。 脳性まひの障害のためはっきり話せなくても、受付窓口の職員さんがなんとか聞き取って代筆してくれる。だから、そちらの用足しは簡単な手続きならひとりですませられる。 昼過ぎまで自宅訪問していたヘルパーさんが用が終わって帰る。そのとき、玄関から電動車いすへ乗せてもらうのだ。 用足しに行き、それが早く済んだときは、公園やショッピングモールへ寄ってみたりする。 外へ出ても、心ない人にであって、気が滅入る…

  • 天使の笑顔

    夕べ、テレビをつけたら、〈卒業〉をテーマにした歌番組をやっていました。しみじみと、そんな季節なんだとひとりつぶやいていると、きいたことのある声がします。 曲の紹介をかね、それにまつわる思い出、視聴者からの投稿ですが、読みあげていたのは、あのかわいらしい子役の本田美結ちゃんでした。 もう小学校を卒業したそうだから、子役とはいわないか。『家政婦のミタ』のテレビドラマで、あんなにちいさかったのに、中学生になるんだそうです。 ぼくはぼくで気づけば、五年ぐらい先には『サザエさん』の、あのつるっぱげのお父さん、磯野波平がせまっています。 とほほ……。 夜になると、疲れがたまって、なんにもしたくなくなります…

  • 空気が冷たくて

    指先が特に、思うようには動かせない。外へ出ると、たびたび、 「ティッシュを……」 介助者がいなければ、鼻がかめないのである。脳性まひ、という障害のためだ。 電動車いすに乗せてもらっても、ひとりでの散歩はとうぶん大自然の神がゆるしてくれそうにない。冷たい空気の刺激で涙がぼろぼろ、鼻水も流れて、冴えないオッサンの顔が、さらにたいへんなことになってしまうからだ。 自宅にいると午前十時に、玄関のドアがひらく。 「よろしくお願いします」 ヘルパーさんがきて、ぼくはキッチンへ這っていった。 冷蔵庫をあけてもらって、中をみる。足りなくなっている食材があった。 ヘルパーさんについてもらい、電動車いすで近くのス…

  • 建物がゆれて

    自宅の部屋にひとり、ぼくは布団の中で眠っていた。携帯電話につないでいるスピーカーフォンが、枕もとでさわいでいる。 「地震です。地震です」 寝ぼけ眼でテレビのリモコンを押そうとするが、手があさってのほうへいってしまう。脳性まひという障害のために起きる不随意運動というもので、日によって、思わぬほうへ手がどったんばったん動くばかりだったりする。 手がダメなら、鼻を使えと、鼻でボタンを押す。やっと、テレビがついた。頭がはっきりしていないが、朝の6時ぐらいだろうか。起床介助のヘルパーさんが自宅に来るまでは、あと1時間近くあった。 建物のきしむ音がして、ちょっと大きな揺れがなんどかあった。 津波がきます。…

  • ハロウィンの魔法使い?!

    暗闇でひとりになると、とたんに静電気や建物のきしむ音がする。就寝介助が終わって部屋の明かりを消し、ヘルパーさんが、おやすみといって玄関を出たあとだ。 ちなみにぼくには脳性まひという障害があり、手足が満足には動かせない。介助が必要なため、日中は二、三時間おきに自宅にヘルパーさんがくる。 夜はまわりが静かだからだろう、といつもは気にもしないが、このところはなぜか就寝後、やけに大きな音がしていた。かけてもらった布団の中で、ハッと目をひらいてしまうことが多い。 布団の横にすわっている気配がするが、ひとりでいる部屋にお化けがいたって、べつにかまいはしないのである。 街のあちらこちらで、カボチャをくりぬい…

  • 並んだご婦人さんに

    散策への道すがら、キンモクセイの香りが、ほのかに漂ってくる。近くの家の庭に木があるが、もう咲いたのだろうか。 アスファルトの路面を枯れ葉がちらほら、乾いた音をたててころがっていく。 長町南はこのところ、雨の日が続いていたので自宅にいる日が多かった。せっかくの晴れ間である。 脳性まひという障害で手足が満足に動かせず、話すにも舌がもつれてはっきりしない。そのため、介護サービスを利用しながら暮らしている。 きょう二人目のヘルパーさんが用が終わって帰るとき、外においてある電動車いすへ移乗してもらった。十二時三十分ごろである。 「お気をつけて」 次のヘルパーさんの訪問は二時間後だから、それまでに戻れば玄…

  • 役所へ用があって…

    昼過ぎまで自宅に訪問していたヘルパーさんが帰るとき、玄関の外の電動車いすへ移乗してもらい、 「お気をつけて……」 役所へ用があって、ひとりで向かった。 平成二十八年八月二十四日、長町南(仙台市)は午前中曇っていて、 「ひとりで外を行くには、ちょうどいいかもしれない」 焼けるような暑い日が多かったのでホッとしていたのに、電動車いすに移乗してもらった昼ごろに、急に陽がさしてきた。 住宅地の道の端っこを進み、大通りへ出る。街路樹の深い緑の葉がそよぎ、きらめいていた。 信号を待つあいだ、晴れてきた空を仰いで、ため息がもれる。 なんだか、暑くなってきたな。予報は曇りのはずなのにな……。 歩行者用の横断歩…

  • 障害者である前に

    電動車いすで進む路面に、建物の影がくっきり浮かびあがる。 雲間からの陽の光が並木の葉に映え、目を細めた。 平成二十八年七月二十九日、長町南(仙台市)は朝のうち雲が広がっていたが、徐々に陽がさしてきた。 昼前、自宅玄関から外の電動車いすに乗せてもらった。近所での用足しである。 銀行の入り口へ進んでいる途中で、 「こんにちは」 と小さな声がした。 コンクリートの壁を背にしている男の子がいて、目が合った。小学三、四年生だろうか。建物の中で用を済ませているお父さんか、お母さんを待っているところなのかもしれない。 その子へにっこりうなづき、あいさつをして、入り口へ進んだ。手足が不自然に曲がり、かってに動…

  • 手をかりずとも、ぼくだけの小さなしあわせ

    窓辺で膝立ちになり、いくらか利くほうの左のひじで、レースのカーテンをめくる。 空には暗い雲がひろがって、道の並木の葉がゆれていた。雨が降って、どんよりしたけしきが広がっている。 うでを引っ込め、レースのカーテンが閉じる。 平成二十八年六月三十日、長町南(仙台市)は朝から雨が降っていた。 おもてへ出られない日は、パソコンを使って銀行のオンラインサービスで残高を確認し、取引明細を見ながら家計簿ソフトへ入力していく。 脳性まひのため体が満足に動かせないだけでなく、言葉も舌がもつれてはっきりしない。利用しているサービス窓口や店でも、電話で用を済まそうとすると、 「酔っ払っているんですか」 ガチャンとき…

  • へんなゆめ

    十畳ぐらいの部屋がいくつかある、白っぽい建物の中に、なぜかいた。 知らない14、5の子たちばかりがたくさんいて、ぼくは、下級生になっている。 みんな何かを待っているようだが、それがわからない。絵を描いていたり、小物を組み立てたり、あるいはおしゃべりしていたり、それぞれかたまって、すきなことをしていた。 それより、これからみんな、どこへ行くのか、と、だれかに聞きたかった。 「ちょっとだけ、いっしょに行ってみる?」 上級生らしいお兄さんが、かがんで聞くので、うなずいた。 外へ出ると、幅の広い道が、建物の前にあった。渡った先に、楽しいところがあると、みんながいっている。 いっしょに行こうとした。空か…

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