遅読のバウンティハンター
手がかりはここに絞られたな、とグリーンは手帖を置いた。ダイナーのなかにいる彼はチリチキンを齧って、今度は持ち込んだ新聞をめくった。運勢は最高に近いとある。 新聞をたたんでカウンターに置き、手帖をふたたび手にした。九人、いや、グリーンを入れた一〇人の客、それから調理人とウェイトレスの二人がいる店内。バウンティハントの対象の、やつの電話番号が書かれた手帖を見、三回コールして切ってやった。やつはここに誘導される。 背後で爆音がして、ウェイトレスの悲鳴が上がり、ふりむいたときには硝子が粉々になっていた。店内のカウンターに無人のブルドーザーがカウンターに突っ込んで、エンジンが止まった。ブルド
2024/12/27 18:00