あかねと暮らして
睡蓮の香りの色が満ちた暗い部屋で、あかねは吐息をつき、テーブルの上の炎をゆらした。 どうしたの。 ベッドの上で眠りにつこうとしていたぼくが聴いた。 ピアスをすると、自分が変わるというでしょう? あかねがこちらにふり向いてそう言った。 それがどうしたの。 そんな簡単に変わっていいのかしらと思って。 構わないじゃないか。 欺かれている気がするの。 分からないな。 コスプレもだけど…… 幾らでも変わればいいじゃないか。 そんな簡単に変わって、本当の自分がいるのかしらね。 ほっとけよ。 私だってピアスをしている。 似合っているよ。 似合っている私は誰なの。
2020/09/30 20:39