采女の玉 十、ご神体
ニニギの計らいで夏生はかろうじてその場を離れた。まわりには日常が戻ってきている。夏生の脳裏を去来したのは父のことである。父は母のことをしっていたのだろうか。疑問がくすぶった煙を上げたのを感じると行く先が決まった。夏生は携帯を手にしながら駅に向かった。最寄駅から夏生は走った。携帯には何も返事がない。家が近づくとサイレンの音が聞こえた。急に高くなるサイレンとともに、騒がしい喧騒音や叫び声が聞こえてく...
2022/04/09 07:47
2022年4月 (1件〜100件)
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