水色の日傘--46

水色の日傘--46

子供のジャンケンでいちいち先を読む者は居ない。あっても少数だろう。最初に何を出すかくらいは決めるものだが後は条件反射のようなものだ。二人がタイミングを揃えてパッと出したら二人ともパーだった。不思議なものだが、何故か最初はパーを出すことが多いのだった。 あいこで…ショッと出したら偶然か読んだの二人ともグーだった。全員がもう一度掛け声をあげた。あいこで…ショッと、今度は橋田がパー。馬場はまたもグーだった。 私は大きな声で宣した。 「パーの勝ち!四組の橋田君の勝ちです」 馬場は思わず崩れ落ち、橋田は両手を挙げて「やったー!」と叫んだ。 四組女子たちから一斉に歓声があがった。三組女子たちからは一旦はた…