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  • 給水地点

    宿泊ありの出張二日目から帰宅中。仕事の合間にはプライベートの時間を持つことができて、心の底からリラックスができた。妻と離れて、妻と違う人と時間を過ごし、妻とは行くことのない場所に行き、妻とは話すことのない話題に興ずる。満たされなかった欲求、満たされなかった関心、満たされなかった自尊心を補給した。また砂を噛むような日常へと戻っていくけれど、今回の補給で1ヶ月くらいは乗り切れそう。7月後半にも同じような給水地点を用意できたので、それまで頑張って走り抜けようと思う。頑張れ自分

  • 友との別れ

    新規事業立ち上げメンバーの1人から、退職するという報告を受けた。構想を持ちかけてから3年間、事業の根幹となるコンセプトづくり、サービスの動線設計でいつも的確な意見をくれた私のブレーンだった。彼無しには、この事業が顧客に提供できるレベルまで仕上がることはなかった。彼がいなければこの事業は、私の性格同様でいろんな人の無責任な意見に右往左往して、ブレブレの構想になり、今頃立ち消えになっていたはずだ。ようやく収益化が見えてきた矢先の離脱。あまりに手痛い損失である。彼はもともと、才気に溢れて他社から引く手数多で、彼自身の向上心を満足させるような仕事と役割を会社も与えられていなかったので、退職意向は強かっ…

  • 枷と咎

    自分が率いている新規事業で総額1200万の発注があった。これまで50〜100万単位が関の山だったので、一気にグレードアップ。この規模の案件がコンスタントに取れるようになると、もうこの事業だけで独立採算に持っていけそうだ。チームメンバーは皆、待ち望んでいた大型案件に小躍りしていたが、自分はもうどこか他人事の気分でいる。仕組みや仕掛けは入念に設計したので、あとは営業サイドで煮るなり焼くなり好きにしてくれたらいい。どう調理されても不味くはならない。手柄も名誉も勝手に分配してくれて構わない。そんな投げやりな気持ちになっている。その投げやりな気持ちは、私が妻と離婚できる見込みがないことによる絶望感から来…

  • 空蝉

    今回も離婚に失敗してしまった。もはや、妻に離婚を決心させることは無理なように思う。2人の関係を分つのは死別の時のみ。その重苦しく圧倒的な現実に押し潰されて、気力が湧かずにいる。昨日のトラブルは、もっぱら妻が担当している家事を、私が迂闊に手を出してしまったことに端を発する。家事をしなくてトラブルになったのではなく、家事をしてトラブルになったのだ。やるタイミング、やり方について妻が並々ならぬ思い入れを持っていたようで、それを乱されたこと。加えて、妻の担当家事に私が手を出すことで、間接的に家事の遅延を詰られているような気持ちにもなったことで、なんで勝手に〇〇したん?と激昂した。私としては、私の行為の…

  • パートナーシップ向上の秘訣と皮肉

    妻から「最近なんだか頼もしい」という評価をもらった。悩みや愚痴を妻がこぼしているときに、ただ相槌を打つだけでなく、率直に意見を言ったり、励ましたり、といったアプローチがあり、「私には味方がいる」と安心感を覚え、問題に対して前向きに立ち向かえるのだそうだ。「やっぱ、管理職になってから心境の変化があったんじゃない?他者から期待をかけられ、立場や責任を与えられるとしゃんとなれる、っていう人だって別に悪くないと思うよ。」妻は機嫌よくそう続けた。そういうものなのかもな、と私はそこで適当な相槌を打って言葉を濁した。私自身は管理職の位を与えられる前の3月と、与えられた後の4月で特に心境の変化はない。相変わら…

  • 前髪を掴む構えで静止

    自分が言い出しっぺで始めた新規事業、3年目にしてサービス提供のプラットフォームがシステム化され、事務工数が激減した。見栄えもかなり良く出来たので、利用者の体験価値も向上が見込め、今後の新規受注や既存顧客の利用拡大に期待ができるアップデートとなった。ここでサービスの改善に一息入れて、販売に注力したい気持ちが湧いたが、今後の事業拡大を見込んで逆算したときに、業務提携先を拡大しておかないと詰むな、という予感がした。営業活動は自分以外にもできる。今の需要感のままだと、既存の業務提携先のキャパがなくなるまで、まだまだ余裕があるように見える。スタッフも口を揃えて、提携先の拡大はまだ先でいいんじゃないかと言…

  • 薄墨

    23時台のランニングが好きだ。街から人が消え、自分の足音と息遣いだけが響く。そんな夜更けに、音楽も聴かずに黙々と走る。家の近所には一周2km強の巨大な溜池があり、その周囲がランニングコースになっている。自宅から池までの間に高低差がかなりあるので、普段遣いはしていない。ただ昨日は仕事の大きな山場を乗り越え、加えて妻から1時間ほどの説教があってメンタルがぐちゃぐちゃになったので、自傷行為的に厳しい池コースを走りたくなった。家から2kmほど走って池に着くと、ろくに街灯のない中で見る池は巨大な空洞に見える。傷んだ心で走る身には、暗い死の魅惑がある。ランニングコースが池の方に緩やかに傾斜していて、気を確…

  • 人生は楽しくなくて良い

    最近仲良くしている女性とLINEをしていて、「スーパーで安売りされてる惣菜とお酒を買って、一人でご飯を食べてて、こんな人生で良かったのかなと虚しくなる」という愚痴をこぼされた。「あんどうは、なんか充実しているよね」と。彼女は億を越える予算のプロジェクトを複数回す事業責任者で、日本中を日々せわしなく飛び回って関係各所との折衝を繰り返している。申し分ない報酬と地位を得て、様々な業界との人脈を日々構築して、この会社でも、おそらく今後転職する会社でも、ずっと表舞台で活躍できる人材だけど、プライベートでは子どもを授かることなく離婚して、シングル生活になっている。すると、年収500万未満で低空飛行しながら…

  • パートナー機能をパーツに分ける

    5月、妻との生活が苦痛でしかなくなり、このままだと精神が壊れてしまう、という身の危険を感じていた。離婚届を持ち出すも妻に別れる気はなく、かといって自分に死ぬ勇気もない。八方塞りに思えて脳が爆発仕掛けた瞬間、自分が考えまいと頑丈に施錠していた部位の鍵が壊れた。もう徹底的に自分本位に生きよう、と。自分の幸福を最優先にして躊躇をしない。なんだ、自分の悩みはこんな簡単なことで解決するじゃないか。自分に課していた倫理観をぶっ飛ばすだけだったのだ。私が最も満たされていなかった部分は、パートナーからの愛情だった。赤の他人がひとつ屋根の下で暮らし続けていくには、利害の一致だけではやっていけない。自分にとって負…

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