「図書館の魔女 烏の伝事 (からすのつてこと)」
去年の夏に「図書館の魔女」を読んで、本を読むことの醍醐味を思い知らされました。この「烏の伝事」もきっと気持ち持っていかれるなあと思いながら読み始めたのです。ところが、図書館の魔女が出てこない、えっという気持ちでしたが、でも面白い。今回は山賊(やまがつ)と呼ばれる山で暮らす者たちが、ニザマの姫君を南のほうへと向かう船の出る港に案内するというところから始まります。山賊たちと姫君とそれを守る護衛の近衛たちの旅は、港の廓に着いたところで終わったはずだったのに、山賊たちは、自分たちの命が危ないことに気が付き、夜のうちに逃げ出します。近衛たちは3人ばかりが命からがら逃げ出すことができたのですが、姫君は廓に留め置かれます。港は荒れ放題の様相で、山賊も近衛も逃げ出すことができません。そして、地下の穴倉に住む鼠と呼ばれる子...「図書館の魔女烏の伝事(からすのつてこと)」
2024/02/27 12:58