山幸と豊玉姫
隼人族の祖である海幸は《南九州勢》である。 日本書紀神代下 第九段 本伝 始起烟末 生出之兒 號火闌降命 是隼人等始祖也 火闌降 此云褒能須素里 日本書紀神代下 第十段 一書第二 火酢芹命苗裔 諸隼人等 至今不離天皇宮墻之傍 代吠狗 而 奉事者矣 本伝と複数の一書からなる日本書紀は、神の象徴する地域が逸話ごとに異なることがある。例えば、国譲り神話の大己貴は、本伝が唐古鍵の大己貴、一書第一が纏向の大己貴、一書第二が山陰の大己貴である。 よって海幸と山幸も、逸話によって異なる地域を象徴する可能性がある。第十段では、一書第二以外の逸話の海幸は、南九州勢ではないかもしれない。その可能性を残しつつ推測す…
2023/10/09 00:24