他人の幸せ
自分が至らないから、まだ人を救えないとか、教えられないとかいう人があるが、至った人間など昔から一人もない。ただ至らないままに人を導き、教え、救っていると、だんだん至る道に近づいてゆく。他人の幸せを羨んでいるうちはその人は幸せではない。他人の幸せを喜ぶようになると、その人も幸せになる。世界の幸いを自分の幸いと感ぜられるようになって、人間が世界と一つの息に生きていることになる。三人の幸せを喜ぶものより、百人の幸せを喜べる人は大きい。しかし世界の全部の人の幸せを、自分の幸いと感ずることのできる人は、どんなところにいる一人の不幸せな人にも胸を痛めるものだ。晴哉他人の幸せ
2024/03/24 10:22