クマでもわかるシュティフター
はじめに。 詩的リアリズムという言葉をご存知? だいぶ前にフォンターネを紹介したときに触れたもので、写実主義と呼ばれたりもしますね。 リアリズムという言葉からもわかるように、写実主義作家は現実的な事柄を描写にとりこむのです。 この文学思潮においてフォンターネと並んで有名なドイツ人作家がシュティフター(1805-68)。 ボヘミアで生まれたシュテフターは、はじめ作家ではなく風景画家を目指していました。 自然を愛する彼は故郷の森などを多く描いていたそうですが、彼が抱く大自然への思いは文学作品にも色濃く現れています。 彼の代表的な短編集『石さまざま』などには、自然とそこに住む人間との関係性がもの静か…
2020/11/30 06:41