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2020/02/14

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  • クマとよむ『坂の上の雲』⑤【司馬遼太郎】

    はじめに。 坂の上のクマ 第五弾。 日露戦争もそろそろ正念場。 あらすじ。 旅順を落とすべく、現地を見下ろすことのできる とよばれる山地を攻略して形成逆転を図る日本軍。 状況が悪化していくなかで、無能な乃木に代わって指揮をとるために旅順へ向かう児玉の様子が描かれます。 児玉の大胆な作戦の変更が功を奏し、二○三高地は日本軍によって制圧され、それに続いて旅順要塞も陥落する。 思うこと。 璽霊山の詩をジャーナリストである志賀重昂によませるシーンがお気に入り。 旅順をめぐる戦いのなかで、筆者によって散々コケにされてきた彼が、詩人としての類まれな才能がここにきて評価されます。 爾霊山 嶮なれども豈攀じ難…

  • クマでもわかるシュティフター

    はじめに。 詩的リアリズムという言葉をご存知? だいぶ前にフォンターネを紹介したときに触れたもので、写実主義と呼ばれたりもしますね。 リアリズムという言葉からもわかるように、写実主義作家は現実的な事柄を描写にとりこむのです。 この文学思潮においてフォンターネと並んで有名なドイツ人作家がシュティフター(1805-68)。 ボヘミアで生まれたシュテフターは、はじめ作家ではなく風景画家を目指していました。 自然を愛する彼は故郷の森などを多く描いていたそうですが、彼が抱く大自然への思いは文学作品にも色濃く現れています。 彼の代表的な短編集『石さまざま』などには、自然とそこに住む人間との関係性がもの静か…

  • クマでもわかるルートヴィヒ・ティーク

    はじめに。 ドイツのぷちロックダウンはまだまだ続くみたい。 ドイツ・ロマン主義の作家を語るうえでティーク(1773-1853)の存在は欠かせません。 フリードリヒ・シュレーゲルや、前に紹介したノヴァーリスとも親交を結んでいたそうです。 類い稀な才能を若い頃から発揮したティークは、20歳ごろから職業作家として活躍していました。 彼の代表的な作品は諷刺喜劇『長靴をはいた牡猫』(1797)や、メルヒェン『金髪のエックベルト』(1797)などなど。 中世の物語を発掘して近代風に語り直したりしたそうな。 メランコリー 小説家としてのみならず、劇作家、さらには詩人として高い評価を得ていたティーク。 今回は…

  • クマでもわかるジャン・パウル【ぷち作品編】

    はじめに。 少し前の記事の続き... baroquema3.hatenadiary.jp プチ・ロックダウンにも関わらず、ドイツに帰ってきました。 ということで、また少しずつ書いていけたらと。 陽気なヴッツ先生(1793) 実際には「アウエンタールの陽気な先生マリア・ヴッツ」という名で1793年に刊行されたこの作品。 題名が示すように、牧歌的な要素が作品の重要なものとして扱われています。 この物語は、ある田舎教師の一生を伝記風に描いたもので、ジャン・パウルの最も有名な作品のひとつ。 ちなみに牧歌とは本来、古代ギリシア・ローマにさかのぼるもので、牧人や農夫の生活を主題とした詩歌を指すものでした。…

  • クマとよむ『失楽園』下【ジョン・ミルトン】

    はじめに さてさて、今回は失楽園の続き。 サタンはどのように復讐するのでしょう... baroquema3.hatenadiary.jp あらすじ 悪意をいっそう強めたサタンはイブを陥れようと美しい蛇に姿を変えて近づき、彼女を誘惑して神に食べることを禁じられた善悪の樹からその実を食べてしまいます。 さらにはアダムまでもイブの勧めに従い実を食べ、2人からは「無垢」が消え去り、「羞恥」が彼らを覆います。 アダムとイブは互いに言い争うも、己の罪を悔い改め、神は彼らを受け入れます。しかしながら、彼らがエデンの園に留まることは許されず、園からの追放が命じられるのでした。 思うこと 座天使、主天使、権天使…

  • クマとよむ『失楽園』上【ジョン・ミルトン】

    はじめに。 サタンの復讐。 今回は、だいぶ前から読みっぱなし状態だった失楽園について書いておきます。 失楽園 上 (岩波文庫 赤 206-2) 作者:ミルトン 発売日: 1981/01/16 メディア: 文庫 ミルトンの紹介をしたのも懐かしい...。 baroquema3.hatenadiary.jp あらすじ 物語の大枠は、アダムとイブがサタンの奸計によって堕落し、最終的にエデンからの追放を命じられるというもの。 上巻では主に、堕落したサタンがいかにして神に対する復讐を図るかが描かれます。 アダムに対して天使ラファエルは、どのようにサタンが地獄へと追放されることとなったのかを語ります。 サタ…

  • クマでもわかるジャン・パウル

    もうすっかり秋ですな。 <ジャン・パウル> 幻想やウィットに富んだ文体で優れた作品を多く生んだジャン・パウル(1763-1825)。 彼が活躍したのは、古典主義からロマン主義へと文学のあり方が移行していく時代でした。 ジャン・パウルはこうした当時のドイツ文壇の流れや、同時代を生きたゲーテ やシラーからは距離をとっていました。 後に紹介するヘルダーリンやクライストとは異なり、彼は生前から高い評価を受けていました。 そんな彼の有名作品は、『陽気なヴッツ先生』(1793)や『生意気盛り』(1804)など。 次回は陽気なヴッツ先生について!

  • クマでもわかる啓蒙期 II

    はじめに。 今回は啓蒙期の哲学面を少しみてみましょう。 前回扱った啓蒙期の側面とは嗜好を変えて、今回は思想面を主に。 この時期の哲学から得られた知識はとても重要なもので、欠かせないモノ。 僕らがイメージする「自由」や「民主主義」のような思想は、啓蒙期の哲学無しには存在しなかったのです。 ルソーやカントなどを紹介しながら、啓蒙期の哲学的な面を概観していきます。 啓蒙の時代 <ジャン・ジャック・ルソー> 少しドイツ文学から逸れるけど...今回はルソーの思想について。 ルソーの著作の中でも、『社会契約説』(1762)は特に有名な作品。 ルソーによれば、人間は本来、その自然状態において「自由」な存在な…

  • クマとよむ『坂の上の雲』④【司馬遼太郎】

    はじめに。 坂の上のクマ 第四弾です。 日本もかなり涼しくなってきたみたいですが、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。 早速、第四巻のあらすじから。 あらすじ。 第四巻の中心は日露戦争下の旅順における攻防。 物語の前半は児玉源太郎や、東郷の艦隊の動向を軸に展開していきます。 好古率いる騎兵旅団が、ミシチェンコ率いるコサック騎兵に対していかに対抗していくかといった点も描かれます。 遼陽会戦のなかで、クロキこと黒木為楨の軍が勝利を収めたのち、戦争の舞台は旅順へと移っていきます。 旅順要塞の攻略作戦は、乃木軍の乃木希典、さらに同軍の参謀長である伊地知によって、惨憺たる様相を呈していくが...。 思…

  • クマとよむ『坂の上の雲』③【司馬遼太郎】

    はじめに 坂の上のクマ 第三弾です。 新装版 坂の上の雲 1-8巻 セット メディア: セット買い あらすじ 三巻の物語は真之が帰国した時点のことから始まります。 病により衰えた子規の病床を訪れ、その1ヶ月後に子規の死について知った真之は、旧友の葬儀に参列することに。 そのころの西洋では、「国家の利害」を意識した外交が盛んに行われていました。 ドイツやイギリス、さらに日本の外交政策の関心は、ロシアが南下により重圧をかけている極東地域に注がれていたのです。 こうしたなか、好古はシベリアに向かい、現地の騎兵たちの偵察を行います。 真之もその頃、のちの艦隊司令長官となる東郷平八郎という人物と話を交わ…

  • クマでもわかる啓蒙期

    はじめに。 「啓蒙」とはなんなのだろう。 以前レッシング を紹介した時に、ほんの少し触れたテーマです。 baroquema3.hatenadiary.jp 今週はここら辺を詳しくみていきましょう。 啓蒙とは。 啓蒙。一言で言い表すならば、人の理性によってこの世の中を把握しようということ。 啓蒙の時代で最も重要な人物インマヌエル・カント的にいうならば、人間が己の未熟さからの脱出することを意味するものです。 さらに、啓蒙という言葉には、理性が物事の「正否・正邪を見定めるための試金石」として昨日するという意味合いも込められているのです。 <ドイツ語文芸> 18世紀の初頭、ドイツ語の地位はラテン語とフ…

  • クマとよむ『坂の上の雲』②【司馬遼太郎】

    はじめに。 今回は二巻目についてです。 あらすじ 子規と新聞社 第二巻冒頭では佃一予率いる反文学党によって退学に追い込まれた子規の様子が描かれます。 寄宿舎を出た子規は陸羯南のもとに向かい、彼のつてで新聞社「日本」に入社することに。 新聞社にて「小日本」の出版に携わる子規の能力は高く、本来未熟だった俳句の能力も入社後に実践を通して磨き上げられていきました。 日清戦争 転じて、日清戦争が話の焦点となります。 明治日本は西洋の技術や帝国主義を自国に取り入れようと試みるも、その姿は他国にとって猿真似のようであり、漫画としての様相を呈していました。 日清戦争の原因となったのは韓国であって、日本は韓国を…

  • クマのバロック【古典主義VSバロック】

    はじめに。 バロックシリーズ第二弾。 古典主義VSバロック 「歪み」というものがバロック特有のものであるという話を以前しました。 ここで注目すべきは、バロックと対立する概念の存在です。 それがかの有名な「古典主義」というもので、古代ギリシアの彫像に見られるような、「秩序」や「静けさ」が特徴です。 これに対して、バロックは「複雑さ」や「激しさ」などをその特性としてもっています。 バロックと古典主義はまさに正反対の表現形式なのですね。 次回は、実際に絵画を例にしてみていきましょう。 バロック的躍動感 まず、ルーベンスの『レウキッポスの娘たちの掠奪』を見てみましょう。 どうでしょうか... まずこの…

  • クマのバロック 【ばろっく?】

    はじめに。 そろそろ、本題に入ろう。 「バロック」という言葉を聞いて、僕らはまず何をイメージするでしょう。 ドイツの音楽家バッハと答える人もいるでしょうし、イタリアの画家カラヴァッジオと答える人もいるかも。 装飾に満ちたバロック建築様式などもまた、「バロック」から連想されるものとして代表的。(写真のサン・ピエトロ大聖堂は数あるバロック建築の中でも代表的なもの。) バロックとは? 不規則なもの そもそも「バロック」という語は何を示すのでしょう。 現在僕らが持っているような「バロック」の観念が生まれたのはごく最近のこと。 19世紀には、「バロック」語はネガティヴな意味合い、つまり「低俗さ」や「粗雑…

  • クマとよむ『坂の上の雲』【司馬遼太郎】

    はじめに。 最近、坂の上の雲を読んでます。 ということで、今回は1巻目について思うところをまとめてみようかと。 作者 司馬遼太郎について 司馬(本名は福田定一) は1923年、大阪府の薬剤師を生業としていた父のもとに生まれます。 図書館と本をこよなく愛していた彼は大学でもロシア文学や司馬遷を愛読していたのだとか。 司馬遼太郎という名は、「司馬遷に遼(はるか)に及ばざる日本の者」という言葉に由来するみたい。 産経新聞社にて記者として働く傍ら執筆に勤しんでいた司馬は、1960年に彼の長編小説『梟の城』に直木賞が授与されたことで注目を浴びます。 歴史小説を得意とする司馬の代表作には、『竜馬がゆく』な…

  • クマでもわかるグリューフィウス

    はじめに。 ドイツの夏は寒いのう。 今回はバロックの大詩人グリューフィウスについてだよ。 グリューフィウスとは? 作品たち。 『すべては虚しい』 〜アレクサンドリーナー〜 『ホリビリクリブリファックス』(1663) さいごに。 グリューフィウスとは? 17世期の最大の詩人グリューフィウスは、シレジアのグローガウ(現在のポーランドに位置)にて、ルター派の牧師の息子として生まれます。 両親を早くに亡くした彼は、カトリック勢力から迫害を受けるなど、厳しい生活を送りました。 ヨーロッパでの遊学経験を経たグリューフィウスは、故郷にて法律顧問の職に就きます。 『カルデーニオとツェリンデ』(1657)などを…

  • クマでもわかるノヴァーリス

    はじめに。 こんちわー。 さ、今週からようやくノヴァーリス。 はじめに。 ノヴァーリスとは? ゾフィ体験 フィヒテ 作品たち。 『青い花』(1802) 『夜の讃歌』(1800) さいごに。 ノヴァーリスとは? ハルツ地方の貴族の家庭に生まれた彼の本名はフリードリヒ・フォン・ハルデンベルク。 22歳のときに彼は12歳の少女ゾフィに恋をし、婚約を交わすも彼女は病死してしまいます。 彼女の墓を訪れた彼は、彼の作品に大きな影響を与えることとなる、ある神秘的な経験をするのでした。 ゾフィ体験 ゾフィの墓の前でノヴァーリスは強い霊感に打たれますが、これがいわゆる「ゾフィー体験」というもの。 この経験を通し…

  • クマでもわかるルター

    はじめに。 なんか、お久しぶり。 ようやく再びドイツに入れたものの、更新のタイミングを失うという事態に... この間、宗教改革500周年記念でスターになったルターさん。 プロテスタントの神学者という印象が強いこの方、実は詩人としても凄腕なのです。 カトリック教会体制の腐敗を非難するために書かれた「95カ条の論題」や、聖書のドイツ語訳を手掛けたことなどで有名。 ゆったり彼の生涯を見ていきましょう。 はじめに。 ルターとは? 修道会へ ローマ書五章 95カ条の論題 ルターの作品 『キリスト者の自由』(1520) さいごに。 ルターとは? 修道会へ ザクセン=アンハルト州にあるアイスレーベンという街…

  • クマでもわかるベルトルト・ブレヒト

    はじめに。 演劇は好きかい? 森で楽しんでるぜ。 さてさて、今回紹介するのはブレヒト(1898-1956)さん。 彼の名や作品は、僕らにとってかなり馴染み深いのではないでしょうか。 はじめに。 ブレヒトとは? 詩人として 作品たち 〜『バール』(1918)〜 〜『肝っ玉おっ母とその子供たち』(1939)〜 〜『三文オペラ』(1928)〜 さいごに。 ブレヒトとは? アウクスブルク出身のブレヒトは、ミュンヘン大学での学生生活のなかで文筆活動を開始。 1922年の夏にブレヒトは『夜うつ太鼓』を発表し、クライスト賞を受賞するなど一躍脚光を浴びます。 そんな彼の代表作は『三文オペラ』『肝っ玉おっ母とそ…

  • クマでもわかるシュテファン・ゲオルゲ

    はじめに。 お久しぶりでござる。 雨が続くとだるいよ。 なかなか、思うように時間を使えないときってありますよね。このブログも書けるときに書くのがコツなのかもしれません。 まあ、今回はシュテファン・ゲオルゲ(1868-1933)という作家についてお話ししていこうと思います。 はじめに。 ゲオルゲとは? 〜ゲオルゲ派とホーフマンスタール〜 〜魂の年〜 〜マクシミーン体験〜 〜ゲオルゲの最期〜 さいごに。 ゲオルゲとは? ビューデスハイムという村に生まれた彼は、ギムナジウム卒業後にヨーロッパ各地を転々とする生活を送ります。 1889年にパリに移住した彼は、詩人のマラルメと知り合い、翌年の1990年に…

  • クマでもわかるテオドーア・フォンターネ

    はじめに。 ドイツには無事に戻れそうかい? フライトがキャンセルになったよ。 現地の荷物は諦めて、故郷での暮らしを楽しむことにしました。 ということで、今回取り上げるのはテオドーア・フォンターネ(1819-1898)さん。 はじめに。 フォンターネとは? 詩的リアリズムとフォンターネ 作品たち 『迷い、もつれ』(1888) 『エフィ・ブリースト』(1894) さいごに。 フォンターネとは? 薬剤師の修行を積みながら、20歳ごろから詩人としての修行を積み始めたフォンターネ。 ジャーナリズムで生計を立てていた彼は、紀行『マルク・ブランデンブルク散歩』(1862-82)によって文名を高めることとなり…

  • クマでもわかる E・T・A ・ホフマン

    はじめに。 最近調子どうだい? そろそろ暑さで蒸発します。 今回取り上げるのは、18世紀の作家エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンさん。 一般的にはエー・テー・アー・ホフマンと呼ばれてます。 代表的な作品は『砂男』や『くるみ割り人形とネズミの王様』などですが、絵や作曲も行う多才な人物でした。 無類の酒好きで知られる彼の作風は、現実と幻想の入り混じった独特なものでした。 さてさて。 はじめに。 ホフマンとは? モーツァルトファンなきみ 官吏として 作品たち 『黄金の壺』(1814) 『砂男』(1816) さいごに。 ホフマンとは? モーツァルトファンなきみ 1776年にホフマンは旧プロイ…

  • クマとまなぶドイツ語 【アルファベットと発音】

    はじめに。 ドイツ語のアルファベットって難しそう。 大丈夫!基本は英語とおなじ26文字で、感覚もすこし似ているんだ。 初の試みですが、ドイツ語の文法について書いていきます。 ではさっそく、大切な母音(A, E, I, O, U)の発音から見ていきましょう。 (カタカナ読みは参考にとどめて、動画などでネイティブの発音をよく聞くのがマストです!) はじめに。 母音について 子音について ドイツ語ならではなもの さいごに。 母音について A・a アー:日本語の「ア」より、大きめに口を開いて出すとよい。 E・e エー:これも、口を横に大きめに開いてあげるのがベター。 I・I イー:口を横にキュッと開い…

  • クマでもわかるヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデ

    はじめに。 さてさて6月も後半。 ひたすらアイスコーヒーばかり飲む毎日です。 ということで、今週から扱うのはドイツ中世の大詩人ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデ(1170年ごろ-1230年ごろ)。 当時のドイツ語(中高ドイツ語とよばれる)で書かれた宮廷恋愛歌が代表的なもの。 宮廷の恋愛歌ってなんだろう…となってしまう人も、「ミンネザング」という言葉は、もしかしたら聞いたことがあるかもしれないね。 一緒に詳しく見ていきましょう。 はじめに。 フォーゲルヴァイデとは 鳥の餌場 政治へのアプローチ 〜ミンネザング〜 さいごに。 フォーゲルヴァイデとは 鳥の餌場 ドイツ最大の叙情詩人と謳われ…

  • クマとよむ『ターン』【北村薫】

    はじめに。 もしずっと、同じ日を繰り返すなら? まいにち魚を採りに行くよ。 そろそろ、僕のお気に入りの小説について書いていこうかと。 今回扱うのは北村薫による『ターン』。 時と人のシリーズ三部作のうちの一つで、牧瀬里穂主演で映画化もされてます。 北村薫の作品のなかでは、たぶん一番好きかも。 あらすじを見ていく前に、北村薫についてほんの少し見てきましょう。 はじめに。 北村薫とは? あらすじ 思うこと。 独り言はいずこ 会っていなくても。 北村薫とは? 1949年に埼玉県に生まれた北村薫。 早稲田大学のミステリ・クラブに所属していた彼は、高校の国語教師を務める傍ら、覆面作家として『空飛ぶ馬』を執…

  • クマとよむ『ペーター・カーメンチント(青春彷徨)』【ヘルマン・ヘッセ】

    はじめに。 青春してるかい? 生まれたときからね。 ということで、今回も読書メモ的なものをまとめていきます。 今回扱うのはヘルマン・ヘッセの『ペーター・カーメンチント(青春彷徨)』(1904)。 この作品によって、処女作『ヘルマン・ラウシャー』ではあまり成果を見出せなかったヘッセの名を、ひろーく知らしめることになるのです。 ちなみにヘッセについてはこちら↓ baroquema3.hatenadiary.jp あらすじ。 少年時代 物語の舞台は、住民同士が近い血縁にあるため、大方の人がカーメンチント姓を名乗る村。 主人公のペーターは、その村で過ごした少年時代のことについて語りはじめます。 母の死…

  • クマでもわかるカール大帝

    はじめに。 尊敬する人っているかい。 カール大帝一択だぜ。 ということで、今回はカール大帝について書いてみます。 世界史でお馴染みのカール大帝は、フランク王国の王様。(在位768-814) このフランク王国は、751年から王位を継承したカロリング家のもと、周辺のゲルマン諸部族を支配下に入れながら拡大していった国。 この王国の支配地域はカール大帝の時に最大に達しました。 そんな有能な彼の生涯について、今週は詳しくみていくことにしましょう。 はじめに。 大帝への道 カール生まれる カールの戴冠 共同体としてのヨーロッパ カロリング・ルネサンス カールの時代 さいごに 大帝への道 カール生まれる フ…

  • クマでもわかるペーター・ハントケ

    はじめに。 欲しいものを一つあげるなら何だい? やっぱりノーベル賞だね。 オーストリア出身の現代作家であるペーター・ハントケさん。(Peter Handke 1942-) 昨年ノーベル文学賞を受賞して、色々な意味で話題になった方。 注目すべきは彼の作家としての守備範囲の広さで、小説や戯曲はもちろんのこと、放送劇やフランス文学の翻訳なども手掛けているみたい。 1966年に小説『蜜蜂』で作家デビューしたペーターは、毎年一作品のペースで作品を発表していきます。 その生涯 少年時代 戦争による荒廃が広まるなか、幼いペーターを連れたハントケ一家はベルリンのパンコウ地区という場所に移住します。 しかし、ペ…

  • クマとよむ『ユートピア』【湊かなえ】

    はじめに。 きみのユートピアってどこだい? もちろん、栃木の森さ。 最近は作家紹介みたいなことをしてきたので、気分転換に読書ノートでも。 今回は、だいぶ前に読んだ湊かなえさんの『ユートピア』について。 著書について 『告白』や『贖罪』の著者として知られる湊かなえ。 1973年に広島に生まれ、アパレルメーカーや家庭科教師としての職に携わった彼女は、27歳で結婚。その後、脚本などの投稿を始めた彼女は、『告白』の第一章である「聖職者」によって小説推理新人賞を受賞し、小説家デビューを果たす。 2010年に『告白』が映画化されると同時に、書籍も300万部を超えるベストセラーとなり、イヤミス(読後にいやな…

  • クマでもわかるレッシング

    はじめに あ、レッシング って聞いたことあるかも。 ゲーテ と並ぶくらい大事な作家なんだよ。 「啓蒙の頂点」 この言葉に値する作品、『賢者ナータン』を著したのがゴットホルト・エフライム・レッシング(1729-1781)。 劇作家・思想家であった彼は、かの有名なゲーテ やシラーに多大な影響を及ぼしました。 彼はシェイクスピアをドイツ悲劇の模範と宣言し、『サラ・サンプソン嬢』(1755)や『エミーリア・ガロッティ』(1772)などの市民悲劇を著していきます。 喜劇の分野でも、レッシング は『ミンナ・フォン・バルンヘルム』(1767)などの優れた作品を残しました。 今週はこの作家と作品のあれこれを。…

  • クマでもわかるハイネ

    はじめに。 あったかくなってきたね。 こんな日によむ詩集は格別だよ。 この頃、河原でサイクリングしたり本を読んだりしてます。 僕の実家付近の河川敷では、自粛ムードになってから逆に人が増えた気がしますね。 こんなうららかな陽気の日に、ステイホームはつらいのだろうな。 ということで、今週はハイネについてです。 はじめに。 ハイネとは? ハイネの生涯 アマーリエとの恋 『旅の絵』 フランスぐらし マティルデ 『ローレライ』 ハイネとは? ドイツのデュッセルドルフ(日本食が恋しくなったらこの街)で生まれたハイネ。 紀行集『旅の絵』で一躍有名になった彼は、政治諷刺を行ったことが原因でドイツ当局に睨まれる…

  • クマでもわかるムージル

    はじめに。 今週はこのひと。ムージルさん。 オーストリアのクラーゲンフルト生まれのムージルは、26歳のときに『士官候補生テルレスの惑い』(1906)を発表して作家デビュー。 ナチスの政権奪取後、スイスに戻った彼は長編小説『特製のない男』の執筆をはじめたものの、この作品はムージルの急死によって未完となる。 『士官候補生テルレスの惑い』 将校になるために陸軍実科学校に通っていたムージル。 この学校にてムージルは、彼がのちに『士官候補生テルレスの惑い』の中で描きだす経験をすることに。 この物語は、ある陸軍学校を舞台に繰り広げられる、少年たちの同性愛的な振る舞いを描き出したもの。 ある日盗みを働こうと…

  • 【クマとよむドイツ文学】ヒゲ戦争(1673)

    はじめに。 ドイツのバロック期には不思議な作品が山のように生まれた。 僕がバロック文学を研究している理由の一つは、この「わけわからん」要素が豊富に詰まってるからだと思う。たぶん。 今回は、こうした作品たちと仲良くなるために、僕が最近読んだ『ヒゲ戦争』(1673)についてお話ししたい。 作者紹介 作者はヤーコプ・クリストッフェル・フォン・グリンメルスハウゼン(1622?-1676)というドイツのバロック文学作家を代表する人物。三十年戦争を舞台に描いた『阿呆物語』(1669年)は、バロック期の最高傑作と呼ばれるほどの人気を集めた。ゲルンハウゼンという街に生まれた彼は、少年時代に三十年戦争の褐中に巻…

  • クマでもわかるトーマス・マン

    はじめに。 自粛続きで泣きたい気分さ。 そんな君に、泣く子も黙るトーマス・マン。 ...ということで、よい子はマンを読もう。 はじめに。 マンとは? マンの生涯 作家として カタリーナ 亡命生活 作品たち 『ヴェニスに死す』(1911) 『魔の山』(1924) さいごに。 マンとは? トーマス・マン(Thomas Mann, 1875-1955)は20世紀を代表するドイツ人作家の一人。 主な作品は『ブッテンブローク家の人々』(1901)や、『ヴェニスに死す』(1913)であり、1929年にはノーベル賞を受賞している。 ナチス時代にアメリカに亡命したマンは、作品執筆やラジオ放送などを用いて打倒ナ…

  • クマでもわかるカフカ

    最近、ちょっぴり暗めのユーモアが足りてない。 そんなあなたにフランツ・カフカ。 はい、ばろっくま です。 今回はドイツ文学に欠かすことのできない存在、フランツ・カフカ(1883-1924)を取り上げてお話ししたいと思います。 日本では、村上春樹さんの『海辺のカフカ』の大ヒットの影響で、本をほとんど読まない方でも「カフカ」という名前は知ってるよ!なんて人も多いかも。 カフカの生涯 父との軋轢 フェリーツェ・バウアーとの出会い カフカの死 主要作品たち 『変身』(1912) 『掟の前』(1915) 『審判』(1925) さいごに。 カフカの生涯 プラハ(むかしはオーストリア=ハンガリー帝国領の中に…

  • 【クマとよむドイツ文学】 ヘルマン・ヘッセ

    みなさま、いかがお過ごしでしょうか。 一時帰国して以降、滞在先のドイツに戻ることは叶わなくなってしまいました...。 僕のあらゆる研究道具たちは、持ち主の帰りを待ち続けています。 ということで、今回のテーマはヘルマン・ヘッセの生涯と彼の作品についてです。 ぜひぜひ、お付き合いください。 はじめに。 ヘッセの生涯 苦痛多き少年時代 作家デビュー 平和主義者として 主要作品 『車輪の下』(1905) 『デーミアン』(1919) 『荒野の狼』(1927) さいごに。 はじめに。 『車輪の下』や『デミアン』の作者として有名なヘルマン・ヘッセ(1877-1962)。 ヘルマン・ヘッセは第一次世界対戦にさ…

  • クマでもわかる『ファウスト 第一部』【ゲーテ 】

    はじめに。 はい、ばろっくま 。です。 ドイツ文学界を代表する文豪ゲーテが、70年以上を費やして書き上げた『ファウスト』。 この作品、実は15世紀から16世紀にかけて実在していたと言われる伝説上の人物、錬金術師ヨハン・ゲオルク・ファウストに取材したものなんです。この人物に関しては、まだまだ明らかになっていないことが多く残っています。 彼の所業は、匿名で(おそらくルター派の修道士によって)いわゆる『民衆本ファウスト』(1587)という作品にまとめられ、人々の間に流布していました。 さっそく、物語の流れを見ていきましょう。 メフィストとの契約 あらゆる学問に通ずるファウストは、己の生涯や知的欲求を…

  • 【文学の愚】クマでもわかるシラー

    はい、ばろっくま 。です。 今回はベートーヴェンの第九の詩を書いた作家として有名な、フリードリヒ・フォン・シラー(1759-1805)をとりあげてみたいと思います。 前回はゲーテの生涯についてまとめたのですが、この人物とシラーは切っても切り離せない間柄。両者はドイツ文学を代表する超重要なので、おさえておきましょう。 ということで早速、サクッと彼の生涯を見ていきます。 さっそくノオトにまとめていきましょう。 シラーは、ドイツ・ロマン主義の対として考えられる古典主義を代表する作家。ゲーテ との親しい交友関係も有名で、彼らはともに、数あるドイツの作家の中でも別格のすごい人たち。 超ざっくり解説 ドイ…

  • クマでもわかるゲーテ 後編

    はい、ばろっくま 。です。 今回は前回に引き続き、ゲーテ の生涯をとりあげて書いていこうと思います。 本当は有名作品の紹介等も盛り込みたかったのですが、 今回はゲーテ の晩年を紹介するにとどめておきます。 ナポレオンとの対面 ゲーテの晩年 ゲーテの最期 思うことをつらつらと。 ナポレオンとの対面 1808年にエアフルトという街でゲーテは、あのナポレオンと歴史的な対面を果たします。『若きウェルテルの悩み』を遠征の際に携帯し、7回読むほどこの作品を愛していたナポレオンは、ゲーテと会った際に「ここに人あり!」と叫んだのだとか。このほか、ゲーテはベートーヴェンに対面しています。ベートーヴェンはゲーテの…

  • クマでもわかるゲーテ 前編

    ぐーてんたーく。 今回はかの偉大なゲーテの生涯をノオトにサクッとまとめていきたいと思います。 とにかく、わかりやすくたのむよ。 はい、がんばります。 ごゆるりと。 ゲーテ降臨 。 ライプツィヒ時代 シュトラースブルク時代 フリーデリケとの出会い 『ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン』の完成 シャルロッテへの恋と『若きウェルテルの悩み』 ワイマール時代 イタリア旅行 クリスティアーネとの出会い シラーとの交流 前半のまとめ。 ゲーテ降臨 。 『若きウェルテルの悩み』などの作者として知られるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ は、1749年にドイツ・フランクフルトに生まれたんだ。幼少期から読書好…

  • ジョン・ミルトンの波乱な生き様からまなぶこと。

    はい、ばろっくま 。です。 世間は賑やかですが、とにかく落ち着くことが肝要です。 僕が住むドイツでもじわじわと増えてきましたよ、感染例が。 とにかくまあ、本を手に取りましょう。 …明日は我が身といえども。 現在、『失楽園』を少しずつ読んでいるところでして、作者ジョン・ミルトン(John Milton)について調べてみたので、ざっくりとまとめてみたいと思います。*1 主要作品 『失楽園』(1667) ダンテの『新曲』に並ぶキリスト教文学の代表的作品であり、神への復讐を目論むサタンと楽園を追放されるアダムとエヴァが題材である。 『複楽園』(1671) サタンの誘惑を退けるキリストを描いた作品。 『…

  • バロックとクマの組み合わせが天下無双な本当の理由。

    ばろっくま。でございます。 前々回の記事で名前の由来について少し触れたのですが、今回はすこしだけ掘り下げてお話したいと思います。 この「ばろっくま 。」という名前の由来はズバリ、「バロック」と「クマ」なのですが、実はこれにはふかーい訳があるのです。 なぜ、バロックなのか 僕は現在、ドイツ・バロック期(17世紀ごろ)の文学の研究をしておりまして、バロック文化は僕にとって馴染み深いものです。 バロック音楽やバロック絵画、はたまたバロック建築などは色々なシーンで登場するので馴染み深いですよね。これがバロック文学となると、いまいちよくわからない。 よくわからないなあ、バロック文学の特徴ってなに? そう…

  • 最古のドイツ文学は「呪文書」!?

    はい、ばろっくまです。 コロナで騒いでいるなか、再来週の日本への一時帰国はどうなるのでしょうか。 果たして無事に健やかにドイツに戻ってこれるのでしょうか。 日本のニュースは不安を掻き立てます.... ということで今回はドイツ文学の起源についてお話しします。 「ドイツ文学」とは? 「ドイツ文学」の起源 ほんの少し、中身を覗いてみましょう 呪文の価値? 「ドイツ文学」とは? ドイツ文学たる条件は?という問いに対して、シンプルにお答えするとするならば、何よりまず「ドイツ語で書かれた作品である」という点が挙げられるでしょう。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、気をつけるべきはこの文学がドイツ国内…

  • クマでも楽しいドイツ文学。 【入門編】

    はい、ばろっくま。です。 突然ですが、ばろっくま。という名前の由来についてお話ししたいと思います。 「バロック」という語からこの名前をとってみたのですが、その理由は単純でして、僕の研究分野がドイツ・バロック文学という領域だからです。 あまりピンとこないという方が大多数だと思いますし、ドイツ文学を長年嗜んでいる多くの人も、この分野に関しては「…へぇ(よく知らんわ)。」って感じです。 日本でバロック文学なんてマイナーな領域を攻める変態は多くないのでありまして、ドイツに来るまでは孤独感を味わう機会も多かったのですよ。こちらでは良い先生にも恵まれて、言うなれば日々ほのぼのとバロック暮らしってところです…

  • いまこそ、『銀河鉄道の夜』。

    はじめに ばろっくま。と申します。 もうそろそろ3月ということで、ドイツの気温も少しずつ高まりだしてます。 まだまだ風も冷たくて、快適とはなかなか言えないですけど…。 再来週に控えた一時帰国が楽しみです。 早速ですが、今回はタイトルにもある通り、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』についてお話ししたいと思います。 ファンタジー感溢れるうえ、独特の優しい文体が読者の心を掴む作品ですよね。 「ラムプシェード」を始めとした、よくわからない不思議な語も魅力の一つだったりします。 未完の作品であるうえ、作者による造語が散りばめられていることなどから、作品の解釈もとりわけ難しいのだとか。 ちなみに前回に続いて、簡単…

  • 夏目漱石『こころ』を貶して褒めて。

    はじめまして、ばろっくま。と申します。 アカウントを作ってから数日が経ち、ようやく何かを書きはじめられる状態になりました。研究の合間を縫って書きつつ、ブログに記事を書くのに慣れるまではゆっくり頑張ります。毎日更新しておられる方、ただただ尊敬です。 近々この雑記帳にも色々と紹介したいな...と思うのですが、現在ドイツのミュンスターという街にある大学に通っています。現地での暮らしの中にだけでも魅力的な話題で満ち満ちているのですが、ブログ開設の動機が読書ノートの方にあったので、しばらくは本の話をメインに書いていこうって考えてます。 お初にお目にかかります。 まず第一回目の作品として取り上げたいのが、…

  • はじめまして。

    ばろっくま。と申します。

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