はじめに。 今週はこのひと。ムージルさん。 オーストリアのクラーゲンフルト生まれのムージルは、26歳のときに『士官候補生テルレスの惑い』(1906)を発表して作家デビュー。 ナチスの政権奪取後、スイスに戻った彼は長編小説『特製のない男』の執筆をはじめたものの、この作品はムージルの急死によって未完となる。 『士官候補生テルレスの惑い』 将校になるために陸軍実科学校に通っていたムージル。 この学校にてムージルは、彼がのちに『士官候補生テルレスの惑い』の中で描きだす経験をすることに。 この物語は、ある陸軍学校を舞台に繰り広げられる、少年たちの同性愛的な振る舞いを描き出したもの。 ある日盗みを働こうと…
はじめに。 ドイツのバロック期には不思議な作品が山のように生まれた。 僕がバロック文学を研究している理由の一つは、この「わけわからん」要素が豊富に詰まってるからだと思う。たぶん。 今回は、こうした作品たちと仲良くなるために、僕が最近読んだ『ヒゲ戦争』(1673)についてお話ししたい。 作者紹介 作者はヤーコプ・クリストッフェル・フォン・グリンメルスハウゼン(1622?-1676)というドイツのバロック文学作家を代表する人物。三十年戦争を舞台に描いた『阿呆物語』(1669年)は、バロック期の最高傑作と呼ばれるほどの人気を集めた。ゲルンハウゼンという街に生まれた彼は、少年時代に三十年戦争の褐中に巻…
はじめに。 自粛続きで泣きたい気分さ。 そんな君に、泣く子も黙るトーマス・マン。 ...ということで、よい子はマンを読もう。 はじめに。 マンとは? マンの生涯 作家として カタリーナ 亡命生活 作品たち 『ヴェニスに死す』(1911) 『魔の山』(1924) さいごに。 マンとは? トーマス・マン(Thomas Mann, 1875-1955)は20世紀を代表するドイツ人作家の一人。 主な作品は『ブッテンブローク家の人々』(1901)や、『ヴェニスに死す』(1913)であり、1929年にはノーベル賞を受賞している。 ナチス時代にアメリカに亡命したマンは、作品執筆やラジオ放送などを用いて打倒ナ…
最近、ちょっぴり暗めのユーモアが足りてない。 そんなあなたにフランツ・カフカ。 はい、ばろっくま です。 今回はドイツ文学に欠かすことのできない存在、フランツ・カフカ(1883-1924)を取り上げてお話ししたいと思います。 日本では、村上春樹さんの『海辺のカフカ』の大ヒットの影響で、本をほとんど読まない方でも「カフカ」という名前は知ってるよ!なんて人も多いかも。 カフカの生涯 父との軋轢 フェリーツェ・バウアーとの出会い カフカの死 主要作品たち 『変身』(1912) 『掟の前』(1915) 『審判』(1925) さいごに。 カフカの生涯 プラハ(むかしはオーストリア=ハンガリー帝国領の中に…
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。 一時帰国して以降、滞在先のドイツに戻ることは叶わなくなってしまいました...。 僕のあらゆる研究道具たちは、持ち主の帰りを待ち続けています。 ということで、今回のテーマはヘルマン・ヘッセの生涯と彼の作品についてです。 ぜひぜひ、お付き合いください。 はじめに。 ヘッセの生涯 苦痛多き少年時代 作家デビュー 平和主義者として 主要作品 『車輪の下』(1905) 『デーミアン』(1919) 『荒野の狼』(1927) さいごに。 はじめに。 『車輪の下』や『デミアン』の作者として有名なヘルマン・ヘッセ(1877-1962)。 ヘルマン・ヘッセは第一次世界対戦にさ…
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