『ミチクサ先生』伊集院静|遠回りになろうとも、多くの経験は無駄にはならない
『ミチクサ先生』上下 伊集院静 講談社[講談社文庫] 2023.7.26読了 ミチクサ先生とは、国民的作家夏目漱石のこと。幼少期から、生家と養家を往来し、学校を何度も変わり、ミチクサをしてきた。ミチクサは、大人になってからも続いた。 勉学も生きることも、いかに早くてっぺんに登るかなんてどうでもいいことさ。いろんなところから登って、滑り落ちるものもいれば、転んでしまうのもいる。山に登るのはどこから登ってもいいのさ。むしろ絡んだり、汗を掻き掻き半ベソくらいした方が、同じてっぺんに立っても、見える風景は格別なんだ。ミチクサはおおいにすべしさ。(下巻396頁) 5〜6年ほど前に、東京・新宿にある「漱石…
2023/07/31 08:07