皆が寝静まるまでに小話を 私は元々葬儀屋だった。 だったというか、なる手前で自殺しそうになってやめた。未だにやめなければ良かったと後悔が押し寄せるときがある。 その度にどう考えても私には無理だったと思う。当時はよく分かってなかったけど今思えば本当に好きな仕事だった。 葬儀屋は人の死に直接的でありながら観念的に関わり続けることができる最も簡単で近道の職業に思える。初めは 死から遠ざかってばかりいたから、強制的に近くへ行ってみたくて葬儀屋を選んだ。毎晩毎晩繰り返される通夜。 人の悲しそうな顔、すっきりしたような顔、泣いたり笑ったり無表情だったりする顔、黒い喪服の列、どうでもいい供花(喪服に花粉が付…
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