蘭奢待と双璧をなす正倉院の名香 全浅香とは
奈良市の奈良国立博物館で、74回目となる正倉院展が開かれた。東大寺に献納された約9000件といわれる収蔵品から、今年は59件が出陳された。目玉のひとつが天下の名香木といわれる「 全浅香ぜんせんこう 」。正倉院蔵の香木と言えば「 蘭奢待らんじゃたい 」の雅名を持つ「 黄熟香おうじゅくこう 」が有名だが、全浅香も「 紅塵香こうじんこう 」「 紅沈香こうちんこう 」の雅名(優雅な別名)を持ち、蘭奢待に並ぶ「両種の御香」といわれている。 しかし、会場では残念ながらその香りを聞くことはできない。長さ105.5センチ、重さ16.65キログラムの武骨な丸太をみても、そのすごさがピンとこない人も多いだろう。全…
2022/10/28 00:00