藤壺女御物語24
でもあれからこれといったことは見つからず八方塞がりが続いていた。 そんなある日、あたしは眠れなくて藤壺の前の庭先に降りて庭を眺めていたの。 そしてどれくらい経ったのか分からないけどあたしは気になる蝋燭の灯に気づいたの。 こんな時間についている蝋燭の灯。 今は寅の刻、皆が静まっても仕方がない刻。 それなのに、その蠟燭の光がゆらゆらと動いていたの。 誰か起きているんだろうけどこの時間に起きてるなんて気になるじゃない。 その灯に導かれるように近づいたの。 そうしたら一人の女房がいるだけだった。 それだけならあたしはそっと離れたと思ったわ。 でもその女房がしている行為に目が疑ったの。 それはあたしの桂…
2022/05/31 16:49