彼岸花が咲く島 李琴峰 第165回芥川賞
こちらは断然面白かった。すごく面白かった。 どう説明すればいいのかわからないが、とにかく素晴らしい作品だった。 記憶を失った少女が彼岸花が咲き乱れる島に流されているシーンから始まります。この小説は極めて映像的です。映画にすることも可能かもしれない。もしそうだとしたら、この島はきっと沖縄が舞台になるだろう。そうだ、『神々の深き欲望』や『夏の妹』が描かれた島。しかし小説では、どこの島かは語られない。 流された少女に名前はない。彼女が最初に出会游娜(ヨナ)という同じ年頃の少女。そしてもうひとり拓慈(タクジ)という少年の三人がドラマをリードする。 記憶のない少女は宇実(ウミ)と名付けられ、島のお祭り…
2021/08/31 18:12