書評:松岡圭祐著、『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VIII 太宰治にグッド・バイ』(角川文庫)
『ecriture新人作家・杉浦李奈の推論』シリーズもついに8巻目。主人公の杉浦李奈も本屋大賞にノミネートされ、サイン会を催してもらえる立場になり、そろそろ「売れない新人作家」から脱却しつつある流れに乗っているようですが、彼女のもう一つの顔である文芸界の問題解決人としても、警察の覚えもめでたく、この巻でもまた呼び出しを受けることになります。(まあ、そうでないと話が進まないのですが)まずは、文芸界にセンセーショナルな事件が起こります。太宰治の5通目の遺書が75年ぶりに発見されたというのです。太宰本人の筆である可能性が高いことから筆跡鑑定が進められていたのですが、真贋判定の直前に仕事部屋で起きたボヤにより鑑定人が不審な死を遂げてしまいます。鑑定書の完成を記者5人が待ち構えていた邸宅内での出来事だった。遺書と見...書評:松岡圭祐著、『ecriture新人作家・杉浦李奈の推論VIII太宰治にグッド・バイ』(角川文庫)
2023/02/25 15:46