『摩訶止観』抄訳 その8
『摩訶止観』巻第一の上 「序分縁起」の段より 止観の明静であることは、まさに前代未聞である。 天台智者大師は、大隋開皇十四年四月二十六日より、荊州の玉泉寺において、一夏(いちげ・夏安居(げあんご)の期間・四月中旬から七月中旬ごろ)の期間に、朝と夕の二回にわたって講述された。しかし、熱意をもって語られたが、第七章七節の諸見境まで講述されたところで止められ、それ以降は語られていない。 ここで、川の流れの水をくんで水源を尋ね、香をかいでその元を知ろう。『大智度論』に、「私の修行に師匠はない」とある。また経典には、「(釈迦は)仏になる記を定光仏(=燃灯仏)から受けた」とある。『論語』には、「生まれなが…
2023/08/29 12:57