開目抄 その15
『摩訶止観』第一巻の冒頭には、「散乱する心を鎮め、明らかな智慧で照らす止観は、今までなかった法門である」とある。『止観輔行伝弘決』第一巻には、「漢の明帝が、仏教が伝わるという夢を見てから陳朝の天台大師に及ぶまで、禅門に預かって衣鉢を伝授される者は多い」とあり、『法華三大部補注』には、「衣鉢を伝授されるとは達磨を指す」とある。『摩訶止観』第五巻には、「また一種の禅人、そして盲従する師や弟子たちは、共に堕落する」とあり、『摩訶止観』第七巻には、「十乗観法の第一の観心を除いた九つの意義は、世間の文字ばかりの法師と同じではない。また、事相の禅師と同じではない。ある禅師はただ観心の一つの意義だけしかない…
2023/07/31 20:49