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マンガで学ぶ https://manga-day.com/

死ぬほどマンガを読んだ管理人のブログ。 世の中の事は全て漫画から学びました。

みやもとゆ
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2019/06/03

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  • 【学生島耕作】童貞島耕作が女と社会を学んで成長していく

    どんな色男にもチェリーボーイの時代があった。島耕作とて例外ではない。やがて日本一有名なサラリーマンとして、初芝電産株式会社を出世し、数々の浮名を流す島耕作も学生時代はウブだったわけだ。いや、正確には学生時代全てウブなわけではなく、大学入学当初まではウブだった。つまり、大学生になって女を覚え、そこで多くの社会勉強をして成長していくのだ。後に大企業のトップになる人間も人の子だ。島耕作はどこにでもいる平凡な学生だった。学生運動戦後ベビーブームの昭和22年に生まれた島耕作は、過酷な受験戦争の中、大学受験をしていたのだ。島耕作が早稲田大学に入学したのは1965年の日本の高度成長期であり、国内では学生運動

  • 【アルキメデスの大戦】数学の天才は戦時中の日本を救えるか

    アルキメデスとは古代ギリシアの数学者、物理学者である。そして「アルキメデスの大戦」は、数学の天才である主人公の櫂直(かい ただし)が、アルキメデス的な思考や発想で、大戦に立ち向かうという物語である。舞台は日中戦争、第二次世界大戦前の1933年の日本であり、世界各国が軍事力を高め、他国へ侵略を目論むような時代だ。前年の1932年に大日本帝国陸軍(関東軍)は大陸に満洲国を建国し、帝国海軍においては巨大戦艦・大和の建造を今まさに行おうとしていたところだった。巨大戦艦不要論平山忠道造船中将が計画していた戦艦大和の建造を、海軍少将である山本五十六はどうしても阻止したかった。というのも山本はこの先の戦争は

  • 【ジパング】原子爆弾の投下されない新たな国『ジパング』を作り出す

    1945年8月6日、広島市に世界初となる原子爆弾が投下される。そして、1945年8月9日、長崎市に世界で2つ目の原子爆弾が投下され、同年8月14日に日本はポツダム宣言を受諾し、後日終戦を迎える。以降、世界で原子爆弾(核兵器)は使われておらず、日本は世界で唯一の被爆国となっている。そのような終結を迎えた第二次世界大戦真っ最中の1942年に、200X年の自衛艦隊のイージス艦「みらい」が、タイムスリップして戦争に巻き込まれるというのが本作『ジパング』である。未来を知ってしまった大日本帝国少佐が戦後日本を変える「みらい」がタイムスリップしたことに乗員たちが気付いた後、目の前で一機の零式観測機が撃墜され

  • 【係長島耕作】サラリーマンとして一番いい位置にいるのは係長だ

    すでに会長職を退き、相談役となっている島耕作。課長からはじまった島耕作シリーズも出世し過ぎて、まだ先が見えない。そんな中、課長以前の島耕作の物語がいくつか連載されており、この『係長島耕作』は課長になる直前を描いたものだ。時系列としては、「学生島耕作」→「学生島耕作〜就活編」→「ヤング島耕作」→「ヤング島耕作〜主任編」→「係長島耕作」というところだ。係長時代まで登場したことにより、島耕作の人生はほぼ全て露わになった。係長とは会社によってその扱いが異なるが、係長は一般社員とは違い、課長、部長、取締役などの管理職に含まれる。つまり、労働者から使用者(雇用する側)になる第一歩というところだ。島耕作が務

  • 【バガボンド】生まれる時代を間違えた男が貫いた生き方

    『バガボンド』は、かの有名な剣豪・宮本武蔵を主人公とした井上雄彦による漫画である。数々の賞を受賞し、連載当初から爆発的な人気を得たが、37巻を最後に休刊となっている。また、宮本武蔵は資料が少なく、謎の多い人物である。そのため、このバガボンドも原作は吉川英治の小説『宮本武蔵』としており、内容は大半がフィクションである。さらに、井上雄彦独自のアレンジが加えられているため、基本的には史実と混同しないようにしなければならない。それでも本物の宮本武蔵は、バガボンドを含めた数々の作品で描かれた宮本武蔵像のような、信念のある剣豪だったことを信じたい人は多いだろう。宮本武蔵とは巌流島での佐々木小次郎との決闘や

  • 【ワンピース 〜グランドライン前半〜】”Dの意志”の正体を暴く

    大人気漫画ワンピースは、すでにグランドライン前半の航海を終え、着実にルフィは海賊王への道を歩んでいる。しかし、ここまでただのアドベンチャー、あるいはファンタジーとして捉えていたものが、徐々にその様相を変え、様々な陰謀が囁かれるようになってきた。いや、当初から作者の尾田栄一郎が考えてたストーリーは、我々の想像を遥かに超えていたのかもしれない。■"Dの意志"主人公のモンキー・D・ルフィの他にも、その名に"D"がつく者は登場している。海賊王であるゴール・D・ロジャーをはじめ、モンキー・D・ガープ、モンキー・D・ドラゴン、ポートガス・D・エース、マーシャル・D・ティーチ、などなど今後もさらに増えること

  • 【ライジングサン】自衛官になるには死ぬほど腕立てせにゃならんのだな

    『ライジングサン』は、主人公・甲斐一気(かい いっき)をはじめとする自候生たちが、自衛官になるまでを描いた物語である。「自候生」とは自衛官候補生のことで、自衛隊に入隊したら誰もが自衛官候補生として三ヶ月間、新隊員教育を受けなければならない。つまり、自衛隊に入隊して即自衛官となるわけではなく、厳しい新隊員訓練を経て修了式を迎えた者が正式な自衛官として各隊に配属となるのである。この新隊員訓練では、基礎体力を上げる訓練から射撃訓練をはじめ、時間厳守や姿勢や身なりまで厳しく指導される。とにかくランニングや腕立てをひたすら行う。それは、WAC(Women's Army Cops)といわれる女性自衛官も例

  • 【浦安鉄筋家族】浦安といえばディズニーランドじゃなくて、浦安鉄筋家族なのだ

    2020年4月より、浦安ドラマ化するってよ!あんなにウ◯コが大量に出る漫画を実写化して大丈夫なのか。もちろんコンプライアンスの範囲内でギャク炸裂することを期待しよう。『浦安鉄筋家族』(以下、「浦安」)はディズニーランドで有名な千葉県浦安市に住むハチャメチャ家族・大沢木家と、その周りのちょっぴり変な人間たちが主役だ。とにかくキャラクターが個性豊かで、多くの有名人がモデルとされている。しかしながら、この漫画で登場するととんでもないキャラ付けをされてしまうので要注意だ。例えば、しばしば登場する「国会議員」というキャラクターは、明らかにアント◯ニオ猪◯なのだが、土砂災害のような大量ウ◯コを漏らすという

  • 【ムショ医 〜女子刑務所のカルテ〜】女子刑務所はやはり女の世界だった

    これは"ムショ医"といっても男が集まるような刑務所の医者ではない。女性の囚人、いわゆる"女囚"が収容されている女子刑務所に務める医者の話だ。主人公の粂川晶が女子刑務所の非常勤医となり、凄まじい非日常を味わうことになる。それはもう赴任した初日からトラブル発生で、受刑者同士がはさみを持って喧嘩。怪我をした受刑者は注射痕だらけのシャブ中。喧嘩のきっかけは、昼食の小倉小豆が多かった、少なかった、といったくだらない内容である。そんなことが日常茶飯事の女子刑務所は、男子刑務所にない女性同士ならではのトラブルが多く、目を見張るものがある。女性特有かもしれないが、ヒステリックになって暴れ回る者もいれば、集団で

  • 【新・特命係長 只野仁】エロ係長から人生観を学べ

    前作『特命係長 只野仁』から何が「新」になったのか。「新・特命係長 只野仁」は、前作よりかなりリニューアルされたと思われる。「新」では、まず只野の勤める大手広告代理店・電王堂の社員が悪さをする。そして、会長の特命を受けて只野が悪者をやっつける。最後に只野がいい女とSEXをする。という、これまでにない全く新しいストーリーで展開されている。・・・って、ここは前作と同じか。。。いやいや、これが無くなっては、只野シリーズではない。これは無くなってはいけない。新しい要素としては、只野や只野の上司である佐川課長、そして新キャラクターたちが、よく人生観を語るシーンが多くなったということだ。これがなかなか深い

  • 【大東京トイボックス】ゲームはゲーム。それ以上でもそれ以下でもない

    『東京トイボックス』の続編『大東京トイボックス』で、さらに進化したゲームを作る。今回もゲーム会社・スタジオG3の元社長である天川太陽が神ゲーを作るために奔走するぞ。ゲーム製作の現場ではおもしろいゲームを作ることが何よりも大事であり、その過酷さは前作で十分教えてくれた。そして、本作ではゲームのコンプライアンスという問題をテーマとしている。主人公の天川太陽は、ゲーム製作にかけては天才だ。もともと所属していた大会社・ソリダスワークスでも、天川の天才ぶりに周囲が追いていくことができなくなってしまったほどだ。そのため、おもしろいゲームをつくるということに関しては、天川にかかれば容易いことなのかもしれない

  • 【ブラックジャックによろしく】この問題研修医が病か、日本の医療が病か

    この漫画の作者である佐藤秀峰氏は、著作権フリー化などでなにかと話題になった人物である。出版社とのトラブルが公になったり、電子書籍の配信削除で訴訟を起こしたり、数々の騒動によって、あまり漫画を読まない人にも名前が知られるようになった有名人である。そして、この『ブラックジャックによろしく』の主人公である斉藤英二郎(さいとうえいじろう)は、そんな作者を投影したかのようなキャラクターになっている。この斉藤英二郎は、永禄大学卒の研修医で、多くの人を救うべく夢と希望を抱いて医者となった人物だ。しかし、研修医として直面した日本の医療現場は、そんな理想とはかけ離れており、彼は不条理な医療現場と衝突することにな

  • 【ゴハンスキー】この変すぎるグルメ漫画が真のグルメへと導いてくれる

    普通のグルメ漫画って、美味しいものを紹介するものだが、このグルメ漫画「ゴハンスキー」は美味いもの、不味いもの、さらにはトラウマになった飯までも紹介している。美味しいものを知りたい、美味しいものの作り方を教えてほしいといった方は、どうぞ普通のグルメ漫画を読んでいただきたい。なぜならば、このゴハンスキーはその期待にはちょっと沿うことができない。ただ、変わった漫画がお好みの方にとっては、大好物となるだろう。さすがは、作者の清野とおる。グルメ漫画がテーマであっても、奇才ぶりはすばらしい。もはや変人とは、清野とおるにとっては褒め言葉だろう。あらためて言うが、「ゴハンスキー」はただのグルメ漫画ではない。ゴ

  • 【大市民日記】金、金、金の時代はもう終わった

    大市民、大市民Ⅱ、THE 大市民に続くシリーズ第4弾の『大市民日記』はこれまでと内容は変わることなく、主人公・山形鐘一郎が気持が言いたいことを好き勝手に言っている。少し変わったといえば、だんだん絵は少なく文字が多くなってきており、この漫画特有である文字だけのコマが多く、まさに山形の日記のようになっている。つまり、仕事をしながら自室で延々独り言を言っているのだ。それがこの漫画の真骨頂。山形は、これまでのシリーズでたびたび『人生+−(プラスマイナス)論』を提唱しており、本作となって特にをそれを説くことが多くなってきている。『人生+−(プラスマイナス)論』とは、山形いわく人生は良いことがあれば、その

  • 【エリートヤンキー三郎】本当に恐いヤンキーは普通の格好をしている

    1巻から読み出すと、その独特な絵に吸い込まれるだろう。「エリートヤンキー三郎」は、全国屈指の不良校である私立徳丸学園高校に、主人公の大河内三郎が入学するところから始まる。三郎は見た目は大人しいどこにでもいる高校生だが、その兄である長男・大河内一郎と次男・大河内二郎がとにかく極悪で、徳丸高校を仕切っていた。そんな教師も逆らえない極道兄弟の三男として入学してきた三郎は、まさにヤンキーのエリートコースが用意されており、同級生たちは入学直後から三郎にビビりまくっていた。ただ、実は三郎は普通に高校生活を送りたい、内気な高校生だったのだ。つまり、ヤンキーと言えど、主人公自身はヤンキーでも何でもないのだ。そ

  • 【北斗の拳】現実では暴力が支配する世界とならないことを祈る

    普及の名作である「北斗の拳」のくわしい説明など今さら必要ないだろう。簡単に言うと、この漫画の世界では19XX年に世界規模の核戦争が発生し、地球が滅びてしまったかに見えたが、人類は死滅していなかったため、暴力が支配する世界となってしまった。そして、一子相伝の暗殺拳・北斗神拳の伝承者であるケンシロウが、たった一人で世界を救おうとする物語である。皮肉なことに、この暴力の世界を支配していたのは、ケンシロウと北斗神拳の後継者の座を争った兄であるラオウであり、彼らは闘う宿命となってしまう。「世界が滅びるかもしれない」という話題が出たとき、必ずと言っていいほど「北斗の拳のような世界になるかもしれない」という

  • 【サラリーマン金太郎】会社と恋愛しているサラリーマンは出世する

    漫画界で有名なサラリーマンは島耕作の他に聞かれれば必ず名前が挙がるだろう。『サラリーマン金太郎』の主人公は関東最大の暴走族・八州連合の元ヘッドである矢島金太郎(やじま きんたろう)だ。もともと漁師だった金太郎は、事故で漂流していたヤマト建設の会長である大和守之助を救助したことで、ヤマト建設で見習いのサラリーマンとして働くことになる。大手ゼネコンであるヤマト建設に、会長の完全なコネとして入社してきた金太郎に、当然のごとく周囲の風当たりは強く、はじめは鉛筆削りを延々させられていた。ただ、金太郎がとにかく肝が座っており、そんな逆光にも負けずに三ヶ月間鉛筆削りを続ける。どうでもいいが、やはり大手ゼネコ

  • 【疾風の軍師 -黒田官兵衛-】天才軍師から世渡りの戦略を学ぶ

    日本における天才軍師は誰か。間違いなく黒田官兵衛の名は挙がるだろう。織田信長の死後、秀吉を天下人にしたのは官兵衛の力が大きかったといえる。近年、黒田官兵衛が注目されるようになり、大河ドラマや小説でも主役となる機会が多くなってきた。官兵衛のような軍師は、戦国の舞台においては縁の下の力持ちかもしれないが、いくさの勝敗は彼らの頭脳で決まると言っても過言ではない。やはり彼らをピックアップした物語はおもしろいのだ。『疾風の軍師 -黒田官兵衛-』は、黒田官兵衛が登場する他の作品と比べてファンタジー感はやや強い。何と言っても、官兵衛が男前過ぎる。そして剣の腕もあるため、そこそこの猛者は本人が倒してしまう。本

  • 【外道の歌】不健全図書に指定された漫画はなぜ支持されるのか

    前作『善悪の屑』より第2部として連載が開始した本作『外道の歌』は、引き続き十分な処罰を受けていない犯罪者に対し、復讐屋であるカモとトラが被害者に代わって私刑を執行する。前作同様、現実で発生した凶悪事件をモチーフにした物語が描かれており、フィクションとは感じられないリアリティである。今回は主人公のカモや、同業の他組織である「朝食会(ブレックファストクラブ)」の加世子の壮絶な過去が描かれており、キャラクターたちの人物像が見えてくるようになる。彼らがなぜ、犯罪者の罪に対する罰を司法に委ねていないか。なぜそこまで被害者の思いを汲んで、私刑執行人という危ない橋を渡り続けるのか。やはり、かつて彼らも復讐を

  • 【沈黙の艦隊】地球の問題は海から解決してしまうのだ

    こんなにも勉強になり、おもしろい漫画があったのか。もっと早く読むべきだった。タイトルは多くの人が目にしたことがあるだろう。『沈黙の艦隊』は1980年代から90年代にかけて大ヒットした漫画だ。テーマとしては、現代の国際問題でもある核兵器や外交である。世界で唯一の被曝国である日本は、世界から核兵器や戦争を無くしたいという思いが特に強いだろう。1980年代も、戦後40年ほど経過しているとはいえ、核兵器根絶は人類の悲願である。ストーリーとしては、日米で極秘建造した原子力潜水艦である「シーバット」が突如姿を消して、逃亡するところから始まる。結果的には、シーバットに搭乗する艦長・海江田四郎と乗組員76名が

  • 【東京トイボックス】ゲーム制作会社の現場は、過酷であり夢があった

    テレビゲームやスマホゲームなど、子供から大人までどの世代でもゲームを楽しむ時代になった。ゲームは日々進化し、おもしろくなっているのだ。そんなゲームを開発する現場はどのようなものか、あまり公にされていない。なぜならば、ゲームは発売されるまで、決して内容が外部に漏れてはいけないため、閉鎖的な環境で作られているのだ。『東京トイボックス』は秋葉原にある弱小のゲーム制作会社を舞台に、自称ゲーム開発の天才・天川太陽(てんかわ たいよう)と、親会社から出向してきた月島星乃(つきしま ほしの)が、大手ゲーム会社に立ち向かっていく物語だ。ゲーム会社には、天川のようなプランナー兼ディレクターをはじめ、プログラマー

  • 【アイアムアヒーロー】人類の終焉となる可能性が高いのは殺人ウイルスだ

    ゾンビ映画、ドラマ、そして漫画。とにかく、世界中でゾンビものの作品がよくヒットする。世界はゾンビを求めているのだろうか。『アイアムアヒーロー』もきっとその中の一つに数えられるのだろう。世界中で謎の感染症が拡大し、人々が「ZQN」と呼ばれるゾンビと化してしまう。そのZQNに噛まれると感染してZQNとなってしまい、世界中に感染者が溢れてしまうというものだ。そんな中、冴えない35歳の漫画家である主人公・鈴木英雄(すずき ひでお)は、生き残るために奔走するというストーリーだ。ZQNウイルスは感染力が非常に強力で、早い段階で政府は機能しなくなってしまう。無政府状態の中、各地で生き残りによる集団ができ、独

  • 【鬼平犯科帳】その男、火付盗賊改方・鬼の平蔵につき

    現代よりセキュリティが甘い江戸時代、盗賊などの悪人を取り締まるのは、さぞかし大変だったと思われる。なんせ防犯カメラはなく、指紋という概念もない。しかし、どの時代にも悪いことを考える者は後を絶たない。人間とは、いつの時代も愚かな生き物なのだ。時は1780〜90年代の江戸時代。大飢饉によって農作物は不作の時期が続き、各地で打ち壊しが相次ぐなど、世の秩序は乱れていた。さらには田沼意次による悪政が人々の不満を増幅させ、さらに不穏な世の中中を助長させた。将軍・徳川家治の死後、田沼は失脚したものの、その後の松平定信による寛政の改革も不安定な経済状況が改善することは無かった。そのため盗みなどの犯罪は横行し、

  • 【その「おこだわり」、俺にもくれよ!!】人はそれぞれの「おこだわり」を隠し持っていたんだな

    実はこの世の多くの人が独自のこだわり、いや、「おこだわり」を持っていたことがこの漫画で発覚してしまった。「ポテトサラダの男」、「コンソメパンチの男」、「メロンの女」などの食にこだわる人たちの他にも、「寝る男」や「内ポケットの男」、さらには「土日、人に会わぬ男」など食以外でも様々な「おこだわり人」が登場する。それは第1話から衝撃の連続だった。記念すべき第1話の「おこだわり人」は「ツナ缶の男」で、その男はツナ缶にマヨネーズとコショウを死ぬほどかけ、混ぜるというのだ。混ぜきったら、チューハイの「氷結」をグビッと一口飲み込み、そのツナ缶を食べると至福だと言っている。作者の清野とおるは、実際に試して至福

  • 【ミトコンペレストロイカ】「生きとったんかワレ!」と言いたいだけの漫画

    またしても漫☆画太郎の問題作が現れた。と、何度言ったことだろう。これは、漫☆画太郎が漫画を描き続ける以上、永遠に言い続けなければならない。ただ、私を含め彼の大・大・大ファンが多いのも事実だ。本作のストーリーとしては、ミトコンドリア大王の孫であるマゴコンドリア姫が城を抜け出し、怪盗パパンの娘である"ヌスミ"と、姫のお目付役である"お汁"と共に冒険するものである。毎回、一応設定があるのだが、毎度これは徐々に崩壊していく。これまでの漫☆画太郎作品との大きな違いは、3人の女の子が主人公といったところだろう。漫☆画太郎といえば、汚い全裸の"ババア"や、グロい汚物のシーンが象徴されるが、なぜが女の子キャラ

  • 【THE 大市民】人生の達人は”人生”という名の深い授業ができるのだ

    大市民シリーズ第三弾は「THE 大市民」というタイトルになったが、内容は初期から大きな変化はない。変わったことと言えば、主人公の小説家・山形鐘一郎(やまがた しょういちろう)が原宿から世田谷区に引っ越したということぐらいだろうか。山形は相変わらず、食や趣味に対してのこだわりが強く、世の中の全てにおいて持論がはっきりしている人生の達人である。そんな山形も53歳となり、衰えていきていると思いきや、ますます人生を謳歌するようになり、肉体もパワーアップしているように感じる。山形は作者の柳沢きみおの分身のような存在であるため、おそらく柳沢氏も歳を重ねるごとに進化しているのだろう。このような歳のとり方に憧

  • 【新ナニワ金融道R】”リターンズ”での新ナニワ金融道は、人情物語でハッピーエンドだ

    もともと青木雄二本人が描いていた「ナニワ金融道」は、街金の裏側や大阪の債務者の実情を描くことに重きを置いていた。したがって、多くのストーリーは辛く生々しい現実が描かれており、バッドエンドになることもしばしばあった。そして、青木が亡くなり、青木の意志を受け継いだスタッフたちが"青木雄二プロダクション"として「新ナニワ金融道」をスタートさせてからも、まるで青木本人が描いているかのように、ストーリー展開や表現方法も前作と遜色ないものだった。ただ、「新ナニワ金融道R(リターンズ)」になってからは少し様相が変わってきた。本作では、ほぼ全てがハッピーエンドとなるストーリー展開なのだ。もはや、そういう時代に

  • 【狂四郎2030】日本の未来の姿は狂っている!

    第三次世界大戦後の日本は、優れた遺伝子を生み出すために男女隔離政策をとっていた。この優生学を背景とした徹底的な管理社会により、人々は遺伝子をランク付けされ、ランクに応じた生活を強いられることになっていた。この政策に反抗しようものなら遺伝子異常者として、病院へ強制的に送還される。主人公の廻狂四郎(めぐり きょうしろう)は、バーチャルSEXマシンで出会った志乃(しの)と恋に落ちていた。しかし、男女隔離政策により会うことが許されない二人は、現実世界で会うために奔走する。コンピュータ社会が発達しているため、仮想現実で会うことが可能であり、バーチャルSEXも可能な時代だ。科学技術が発展し、仮想世界でも現

  • 【新ナニワ金融道 青木雄二物語】ナニワ金融道の生みの親は、誰よりも経済学者だった

    爆発的にヒットした『ナニワ金融道』は、45歳の青木雄二という人物のデビュー作だった。世間から見れば、非常に変わり者だった青木は、病的なまでに神経質である。仕事中は、少しの物音があっても集中ができないほどで、考えが煮詰まったときは髪の毛を掻きむしり、時には髪に火をつけるという奇行に走るのだった。しかし、そのストイックな青木の性格が『ナニワ金融道』を大ヒットへと導いたのだ。そんな、変わり者で神経質な人物だが、決して接しにくいような人物ではなく、純粋で人懐っこい人物であり、少年のような心を持っているというのは青木の奥様の証言である。実際、青木は大阪の路上生活者へ差し入れすることもしばしばで、そんな優

  • 【大家さんと僕】お笑い芸人が選んだ部屋の間取りは、1KBの当たり物件だった

    お笑い芸人であるカラテカ 矢部太郎さんは都内で賃貸の住居を探していた。そこで紹介されたのが、新宿区のはずれにある木造二階建ての一軒家である。元々は二世帯住宅だった建物であり、矢部さんが住む部屋は外階段を上がって二階の部屋となる。そして、その一階には大家さんである87歳のおばあさんが住んでいるのだ。大家さんは、「ごきげんよう」と挨拶をするお上品な方であり、二階に住むようになった矢部さんにもとても親切にしてくれる。矢部さんが帰宅すると洗濯物が取り込まれていたり、お茶に招いてくれたり、家族のように懇意にしてくれる人だ。その大家がとてもキュートで、おとなしい矢部さんとの掛け合いにほっこりさせられるのだ

  • 【しあわせアフロ田中】30歳になったアフロ田中が、しあわせを求めて奔走するぞ

    WOWOWオリジナルドラマのアフロ田中がついに最終話。原作も好評で連載中だ。「しあわせアフロ田中」はアフロ田中シリーズの第5作目である。30歳を迎えた田中は、旭工務店で勤め続けることが自身にとって幸福なのかを疑問を感じてついに退職。今回の「しあわせアフロ田中」とは、田中が真の幸せを求めて奔走する物語なのだ。そして、同級生の村田とともにゲストハウスをつくるのだ。無職の村田は、ひたすらゲストハウスを作る。田中はマグロ解体のアルバイトで二人の生活費を稼ぎながらゲストハウスを作る。ちなみにゲストハウスとは、アフロ田中いわく、「世界中の若いビンボー旅人が集うような!!1泊3000円程度の若者たちの出会い

  • 【鮫島、最後の十五日】相撲漫画の最高傑作は未完の大作となった

    本作「鮫島、最後の十五日」は、漫画家・佐藤タカヒロ氏の「バチバチ」シリーズ第3作目である。バチバチシリーズは、第1部の「バチバチ」、第2部の「バチバチBURST」から本作へと連載が続いていた。おそらくシリーズ最後の作品として描かれていた本作だったが、最終話を迎える前に作者の佐藤タカヒロさんが急逝されたため、未完の作品となった。佐藤タカヒロさんは、20巻の表紙の鉛筆画を机に残して逝去されたとのこと。鉛筆画はそのまま表紙絵として使われ、結果的にそれが最終巻となった。大相撲をテーマとしたバチバチシリーズは、元大関の父親をもつ主人公の鮫島鯉太郎(さめしま こいたろう)が、横綱を目指して成長していくスト

  • 【さすらいアフロ田中】笑いに飢えた日本を今一度、アフロ田中が洗濯いたし申し候。

    高校→中退→上京 と、続いて今回は『さすらいアフロ田中』。ついにアフロ田中が関東を飛び出してしまった。まだまだ若い田中は人生に迷って全国を旅することに。ただ、そのきっかけは彼女の浮気による失恋だったのだが。前回の「上京アフロ田中」で、彼女のマキはオーストラリアに留学してしまった。彼女にサプライズで会いに行くために、オーストラリアの彼女の住居を訪れた田中。そこで彼女が別の男性とキスしているところを目撃してしまう。これは、アフロ田中には珍しく穏やかではないシーンから始まってしまったと思った。田中が務める旭工務店の西田いわく、「ワーホリに行く男女は、3回は大恋愛をする」という。田中の彼女のマキも例外

  • 【新ナニワ金融道外伝】当時の金融屋は「過払い金」の請求に追われて大変だったのだ

    ご存知、「ナニワ金融道」が「新ナニワ金融道」となり、そのスピンオフとして描かれた本作「新ナニワ金融道外伝」。「新ナニワ金融道」で主人公の灰原達之(はいばら たつゆき)は帝国金融を去り、桑田と共にナニワ金融を立ち上げた。その灰原たちが去った後の帝国金融が舞台となる。したがって、今回の主役は灰原ではない。後輩だった吉村定雄(よしむら さだお)である。もともと吉村は、司法書士を目指して勉強中の身であったが、試験合格を目指しながら帝国金融で働いている。今回も金融業界でタイムリーな話題を取り上げている。2010年前後に、よく聞かれた「過払い金(かばらいきん)」という言葉。この「過払い金」とは、貸金業者か

  • 【海猿】海上保安官という仕事は、こんなにも過酷で素晴らしいものだったのか

    多くの人が、海上保安庁のイメージは、なんとなく日本の海域を守っているのだろうという漠然としたものだっただろう。しかし、この「海猿」という漫画がそのイメージを見事に変えてくれた。それもそのはず、原作の漫画は全12巻でありながら映画化、ドラマ化と大ヒットを記録した。日本中に海上保安官の仕事とはどういうものかを教えてくれた。正確にいえば、主に海難救助を中心に活動する海上保安官の仕事で、その中の潜水士を指す「海猿」のことを理解することができた。海では、われわれの知らない海難事故が多く起きている。それを海上保安庁の巡視船が救助に向かうのだが、救助する船や人が全てがまともなものとは限らない。中には不審船も

  • 【ヒメアノ~ル】究極の緊張と緩和の中で、最高の笑いが生まれるのだ

    シリアスな話と思いきや、突然笑いを出してくる。これは確信犯なのだろう。清掃会社で働く主人公の岡田進と安藤勇次の恋愛の話から始まるのだが、同時に岡田の同級生である森田正一のサイコキラーな人生を描く緊張と緩和の世界だ。恋愛に勤しむ人たちと、次々に人殺しをおこなっていく連続殺人犯の人生が絶妙に絡み合うことになり、かなりスリリングな展開となってくる。この人生の対極にある両者のストーリーを同時並行で進めていくのが、この漫画の特徴だ。岡田や安藤たちはつまらない日常を打開すべく、いろんなことに挑戦しようとしているのだが、ことごとく上手くいかず、コントのような日常を過ごしている。この安藤さんが異常に惚れっぽい

  • 【彼岸島 最後の47日間】吸血鬼 VS 人間の戦いがグロテスク過ぎた

    前作「彼岸島」につぐシリーズ第2弾だ。吸血鬼が棲みつく絶海の孤島である彼岸島で、雅(みやび)率いる吸血鬼軍と決戦に挑んだ主人公の宮本明(みやもと あきら)は、雅をあと一歩のところまで追い詰めながらも倒すことはできなかった。前作で雅が明に最後に言い放ったのは、47日後に日本全土に人間を吸血鬼化させる蚊をばら撒く計画となっているということ。そして、その47日後までにその計画を阻止するために雅自信を殺しにこいということ。ここから人間軍と吸血鬼軍の本当の戦いが始まったのだ。これまでも、吸血鬼が人間を襲うシーンなどはグロテスクなものが多かったが、今回はさらにパワーアップしている。もちろん、「彼岸島」の代

  • 【大市民Ⅱ】シリーズ第2弾は、世の中に対してとことん物申すぞ

    シリーズ第2弾の『大市民Ⅱ』だ。ここから、大市民の真骨頂である主人公・山形の独り言が増えていく。とにかく山形が世間に対して言いたいことを、歯に衣着せぬ物言いでズバズバ話している。もはや、山形が言いたいことと言うよりかは、作者の柳沢きみおが世間に対して言いたいことなのだろう。中には、かなり批判が来そうな内容も多いのだが、それは作者も自覚しているところであり、それを覚悟で発言しているところがまた良い。この勇気に拍手だ。特に日本人は、ここまで自分の意思をはっきり持って発言する人は少なく、周囲に歩調を合わせたり、顔色を窺うことが多い。しかし、そんな事をしてストレスを溜める必要はない。物申したいことは、

  • 【大市民】生き方に迷っているなら、人生の達人から生き様を学ぶ

    『特命係長 只野仁』でお馴染みの柳沢きみおのエッセイ的漫画である『大市民』。主人公の小説家である山形 鐘一郎は柳沢きみおの分身と言っていい。柳沢本人もこの大市民シリーズを描くことをライフワークと称しており、山形は柳沢の人生観や価値観を代弁していると言える。内容としては、もともと山形の仕事ぶりや趣味の様子を描いていたのだが、山形が社会や世の中に対して物申すシーンが増えてきて、現代のストレス社会に一石を投じるような漫画になってきている。それが後の大市民シリーズへと続いていき、いずれは世相を斬る方がメインとなっていく。そして、人生の心理を語るのだが、これがなかなか確信をついているように感じる。その一

  • 【20世紀少年】これはただのオカルト漫画か、それとも現実の”よげんの書”か

    正式なタイトルは『本格科学冒険漫画 20世紀少年』であり、続編の『本格科学冒険漫画 21世紀少年』でストーリーが完結している。20数巻の漫画でありながら、壮大な物語が詰まっている良い漫画だ。映画化もして、海外でも多くの賞を受賞しており、とにかく売れに売れたのだ。物語としては、高度経済成長期の夢に満ち溢れた時代を生きた少年たちが、大人になって経済は停滞し、世の中はオカルトブームや殺人ウィルスの流行、さらには世界滅亡の危機へと追い込まれていく。その世界滅亡へと誘う黒幕が、オカルト信者を虜にする"ともだち"と呼ばれる人物だったのだ。20世紀に少年時代を過ごした主人公のケンヂたちは、"ともだち"が目論

  • 【善悪の屑】凶悪事件の犯罪者たちに、被害者に代わって復讐するぞ

    「善悪の屑(ぜんあくのくず)」は何かと話題となった漫画だ。法で裁くことのできない凶悪犯罪者に対して復讐の代行を行う2人組の通称カモとトラの話。残虐な描写や、私刑を正当化するようなストーリー展開から不健全図書に指定される。さらには第2部の「外道の歌」の実写映画化が決まっていたにも拘わらず、主演の俳優が強制性交容疑で逮捕され、公開中止になるなど色んな意味で注目された漫画である。この漫画の特徴は、現実で起きた事件を脚色しているところである。当時、ニュースで毎日報道されてた事件が毎回展開されており、妙に物語に感情移入してしまうのだ。我々はニュース報道で見た表向きの情報しか入れることができず、実際の被害

  • 【あしたのジョー】矢吹丈から人生の美学を学ぶ

    今さら説明をすることはないだろう。「あしたのジョー」は、ボクシング漫画の金字塔であり、不朽の名作となっている。主人公の矢吹丈をはじめ、トレーナーの丹下段平、少年院時代からの友であるマンモス西、ライバルの力石徹、ヒロインである白木葉子など、その登場人物も非常に知名度が高い。中でも矢吹のライバル・力石徹は現実世界で葬儀が行われるほど反響が大きく、「巨人の星」と並んで戦後最大のヒット作となっている。一方で、とんでもない不良少年だった矢吹は、登場して間もなく少年院に入り、そこで丹下段平からハガキでボクシングの通信教育を受けるなど、かなり破天荒の人生を歩んできている。天性のボクシングセンスを持ちながらも

  • 【グリーンヒル】ゆかいなバイクチームは笑いあり、涙あり、エロスありなのだ

    古谷実が描いた純粋なギャグ漫画はこれが最後かもしれない。最後にして最高に笑えるのがこの「グリーンヒル」だ。主人公の関口(せきぐち)は超怠け者の大学生で、ある日大きなバイクに乗る巨乳の美女を見かけて恋をする。その美女がバイクチーム「グリーンヒル」の一員だったのだ。関口はバイクにも興味がなく、免許もないのにグリーンヒルに入り、個性豊かな仲間と日々を過ごすことになるのだが、このグリーンヒルのリーダーである岡ミドリ(おか みどり)がめちゃくちゃおもしろい人物だった。↑急に変な格好で現れる岡ミドリリーダーは32歳の独身・無職だが、実家が金持ちのボンボンであるため、高級マンションに住み、ハーレーダビッドソ

  • 【賭博破戒録カイジ】チンチロリン、そしてパチンコ。やはり王道ギャンブルが一番怖い

    「賭博黙示録カイジ」からの続編「賭博破戒録カイジ」だ。今回のカイジは遠藤によって地下強制労働施設に送られ、われわれがよく知るギャンブルに臨むことになる。まずはチンチロリン。サイコロ3個を丼に転がし、その出目で勝ち負けが決まるものであり、略して「チンチロ」や「チンコロ」などといわれる。出目によって強さがあり、カイジの参加した「地下チンチロリン」では「一」が3つ揃えば「ピンゾロ」といって賭けたお金が5倍づけ。他のゾロ目は3倍づけ。「ニ、五、六」が出れば「ジゴロ」といって2倍づけとなっている。また、2つの出目が揃えば1倍づけで張った分だけ返ってくる他、「一、ニ、三」が出れば「ヒフミ」といって2倍払わ

  • 【バチバチ BURST】鮫島鯉太郎は幕下でもバチバチにぶつかりあうぞ

    鯉太郎が幕下に出世したぞ!兄弟子の吽形が引退し、阿形は十両へと昇格して四股名を「仁王(におう」と改めた。他の兄弟子たちも出世し、後輩たちも入門してきた。われわれが普段テレビで見ている大相撲は幕内の取組が多いが、彼らは初めからあんなに大きな身体をしてるわけではなく、日々の稽古を重ね、たくさんのちゃんこ鍋を喰らい、あれだけの風格をまとってきたのだ。主人公の鮫島鯉太郎を見ているとそれがよくわかる。高校生のヤンキーに毛の生えたような身体つきだった序ノ口、序二段の時代と比べ、明らかにわれわれがよく知る力士の体格に成長している。鯉太郎が十両、幕内に昇格する日は近い。今回の見どころは、鯉太郎の幕下での活躍は

  • 【上京アフロ田中】アフロ田中がWOWOWでドラマ化してるってよ

    われらがアフロ田中がドラマ化していたのか。知らんかった。アフロ田中シリーズは続き過ぎて、第1作「高校アフロ田中」から遂に第6作「結婚アフロ田中」までいってしまった。それほど人気な漫画というわけで、テレビドラマも非常に楽しみだ。「上京アフロ田中」はシリーズ第3作であり、前作の「中退アフロ田中」でトラックの運ちゃんをしていた田中が、埼玉県から上京してトンネル掘りの土木作業員になってからの物語だ。上京して大きく変わったのが、これまで地元でつるんでいたメンバーである岡本、村田、大沢、井上、との関わりが極端に減って、新しい職場・旭工務店の先輩や同僚との関わりが増えたことである。今回の主要メンバーは旭工務

  • 【中退アフロ田中】高校辞めてもアフロ田中ワールド全開だ

    アフロ田中がなんとなく高校を辞めて、タイトルがマイナーチェンジ。「中退アフロ田中」として田中ワールドが続いていく。高校を辞めてプータローとなった田中広(たなか ひろし)はさらにダラけた生活を送るようになり、実家にも居づらくなってしまった。そして、考えたあげくプレハブを購入。(実家の庭に)あいかわらず、発想がぶっとんでいておもしろい。中退して、怠けっぷりがますますパワーアップしたのかもしれない。結局、ほとんど働かずにヒマな毎日を送っている田中。基本的に家にいるか、近所の図書館にいることが多くなっている。いろいろやりたい事はあるのだが、お金が無いのでできない。お金があってもめんどくさいからやらない

  • 【賭博黙示録カイジ】ざわざわざわざわ ざわざわざわざわ

    カイジシリーズの原点がここにあるぞ。もはや、幾度となくアニメ化・映画化しており、今さらどんな漫画か説明するまでもないほど有名なギャンブル漫画の金字塔である。そのシリーズ第一弾として始まったのが、この「賭博黙示録カイジ」であり、ここから主人公の伊藤開司(通称カイジ)がギャンブルの才を発揮してくのだ。もともと、無職で毎日自堕落な生活を送っていたカイジは、ある日突然、金融業者の遠藤から友人の借金の支払いを命じられる。深くは考えずに30万の借金の保証人となっていたのだが、違法な金利で膨れ上がった借金は300万を超えており、カイジ自身にとっては当然すぐに支払える訳もなく、まったくもって寝耳に水な話である

  • 【新ナニワ金融道】続編の重要ワードは『サービサー』だ

    新ナニワ金融道は、文字通り「ナニワ金融道」の続編である。前作で主人公の灰原達之は、行き過ぎた債務の回収計画で懲役1年6か月の実刑判決をくらい、臭い飯を食っていた。灰原の勤める「帝国金融」の先輩である桑田澄男を迎えにきて、無事職場復帰と思いきや、社長からのまさかのリストラ宣告。しかし、これは帝国金融・金畑社長の考えた前進的解雇だ。実は、1999年に債権回収に関する特別措置法・通称「サービサー法」が成立した。このサービサー法により、国から許可を得た債権回収会社(サービサー)しか借金などの回収業務ができないのだ。つまり、ヤクザや帝国金融のような街金は不良債権を回収することが許されない。そこで、金畑社

  • 【ゲレクシス】これは問題作か。古谷実の迷作中の迷作ここにあり

    主人公の大西たつみは、バウムクーヘン屋のしがない店長である。独身中の独身。大西は、なぜか40歳の誕生日にこんな姿になってしまった。そしてこんな奴や、こんな奴と出会う。もともと全員が人間だったのだが、ある日なぜかこのような姿になってしまう。もちろん全員が元に戻りたいのだが、どうしていいかわからない。そんな中で、各々がこれまでの人生を振り返ったり、元に戻ったら何がしたいかなど、様々な苦悩と葛藤を繰り返す。人間は今の姿が当たり前と思っているが、このような醜くて不便な姿になると初めていろいろな事を考える。これは、そんな哲学的な要素がある漫画ではないだろうか。作者の古谷実は、「行け!稲中卓球部」後は純粋

  • 【バキ】※誰でもベターッと開脚できる本ではございません

    刃牙シリーズ第2弾だ!前作の「グラップラー刃牙」の東京ドーム地下格闘技トーナメントにおいて、チャンピオンとなった範馬刃牙が次に闘うのは世界の名だたる死刑囚5人である。刃牙が地下格闘技トーナメントにおける主要な5人とタッグを組み、最凶死刑囚たちといついかなる場所でも闘うのだ。刃牙チームのメンバーがいいぜー。範馬刃牙、愚地独歩、花山薫、烈海王、渋川剛気。超強力、そして人気の高いメンバーだ。そして、最凶死刑囚軍団が異常に強く、おとなしく刑務所にも入っていられない連中なのだ。 そんな闘いを経て「中国大擂台賽編」へ突入し、さらなる最強の敵が現る。中国武術界のトップに君臨する郭 海皇(かく かいおう)は齢

  • 【社長 島耕作】初芝?五洋?いや、新社名は『TECOT(テコット)』だ!!

    遂にここまで上り詰めたぞ、スーパーサラリーマン島耕作。もはや、とっくの前に取締役になっているので、サラリーマンではなく経営者なのだが。課長だった色男は出世し過ぎて、日本を代表する大企業の代表取締役になってしまった。ここまで読み進めて感無量である。前作までで、島耕作の勤める初芝電器は五洋電機と経営統合し、初芝五洋ホールディングスとなっていた。ホールディングスとは両会社を束ねる持ち株会社の意味であり、島耕作はそのトップである初芝五洋ホールディングスの代表取締役社長に就任している。この初芝五洋ホールディングスが長くて言いにくい。(作中ではHGホールディングスなどと表記)初芝も五洋もブランド力のある名

  • 【行け!稲中卓球部】稲中ほど洗練されたギャグ漫画は無いと自信を持って言える

    はじめて読んだときに衝撃を受けた。稲中卓球部は、過去最高のギャグ漫画と言っていい。高度なワードセンス、絶妙な下品さ、ほどよいエロス。どれをとっても申し分なく、ギャグ漫画として最高峰だ。褒め過ぎかもしれないが、少なくとも青年漫画の中ではナンバーワンだ。稲中卓球部は、稲豊市立稲豊中学校(架空)にある卓球部のことである。部員は6人で変態の前野、矢吹丈オタクの井沢、寡黙な変態の田中、真面目な熱血漢の竹田、学校のモテ男の木之下、ハーフの強烈ワキガ男の田辺というメンバーに加えて、マネージャーの岩下京子、井沢に憧れる神谷ちよこという個性豊かな登場人物たちが常軌を逸した発言や行動を繰り返す。メインは前野、井沢

  • 【テルマエ・ロマエ】ローマは一日にして成らず。ローマは浴場にして成る。

    映画が大ヒットしたのは、紛れもなく原作がおもしろいからだ。古代ローマの五賢帝であるハドリアヌスが皇帝の時代、浴場専門の建築技師である主人公のルシウス・モデストゥスは皇帝に仕えてローマ各地に浴場を建築する。古代ローマ人にとって浴場とは非常に重要な位置づけであり、一日の中で数時間は公衆浴場で過ごし、公衆浴場のことを「テルマエ」と呼んでいた。ルシウスは職人気質な愛国心の強い真面目な男であり、常に立派な公衆浴場を建築することに一生懸命なのだ。そのルシウスがなぜか日本の銭湯や温泉にタイムスリップするようになってしまう。このルシウスのキャラが非常にいい。タイムスリップした日本の浴場を見てその文明の高さに驚

  • 【最強伝説 黒沢】日本一不幸な男が最強伝説を歩む

    福本伸行マンガでは珍しく、ギャンブルはやってない。最強伝説黒沢とは、文字通り主人公の黒沢が最強なのである。黒沢は、ただただ周りの人から人望をほしいだけの40歳代独身男である。しかしながら、何をやってもうまくいかない不幸な星の下に生まれており、友人や恋人はおらず、ましてや仕事仲間には全く慕われていないかわいそうな人物なのである。友達は工事現場のロボットである「太郎」だけなのだ。ちなみに、太郎という名前は黒沢が名付けた。↓太郎と一緒に眠る黒沢もはや、ここまでくると涙が流れてきそうだ。そんな不幸な黒沢の人生が、ある日を境に好転し、なぜか最強伝説を歩むことになるのだ。正直、黒沢にとっては好転したかどう

  • 【ジョジョの奇妙な冒険 -スターダストクルセイダース-(第3部)】ジョジョシリーズの代名詞であるスタンド(幽波紋)の登場だ!!

    遂に日本人のジョジョが主役となった。その名も「空条承太郎」であり、2部のジョセフ・ジョースターの孫にあたる。そして、2部までの波紋バトルではなく、今回からスタンド(幽波紋)でのバトルとなり、闘い方が大きく変化する。スタンドとは、簡単に言えば背後霊をビジュアル化したようなもので、そのスタンドが分身として闘うことになる。分身となるため、スタンドがダメージを受けると肉体にもダメージが及ぶということである。3部から登場したスタンドが、今後はジョジョの代名詞と言えるような存在となっていく。スタンドの能力を目覚めさせたのは、ジョースター家の因縁であるDIO(ディオ)である。1部でジョナサン・ジョースターに

  • 【ジョジョの奇妙な冒険 -戦闘潮流-(第2部)】波紋の戦士時代のジョジョも最高だった

    『ジョジョの奇妙な冒険 -戦闘潮流-(第2部)』は、単行本5~12巻に収録されており、1部のファントムブラッドの続編となる。1部のジョナサン・ジョースターの孫にあたるジョセフ・ジョースターが今回の主人公なのだ。ジョジョと言えばスタンド(幽波紋)でのバトルだが、2部は1部に引き続き波紋によるバトルになる。個人的に、この2部はめちゃくちゃお気に入りだ。舞台はニューヨークから始まり、1部から50年経った1938年という第二次世界大戦間近という時代背景となっている。そして、1部のジョナサンは真面目な紳士なのだが、2部のジョナサンはプータローのちゃらんぽらんで、かなり口も悪い。ただ、持っているポテンシャ

  • 【前略 雲の上より】飛行機・空港オタクは素晴らしく変態的だった

    飛行機や空港がテーマの漫画でどうなのだろう。と、思っていたら恐れ入った。おもしろすぎるではないか。主人公は、意識高い系の今どき若手社員の桐谷である。その桐谷が、飛行機・空港オタクである課長の竹内から、なぜか出張の度に飛行機や空港のことでダメ出しを受ける。(仕事とは関係ない)そして竹内課長はなぜか桐谷を勝手に弟子だと思っており、飛行機・空港オタクとして育てようとしている。見どころのある若者は、山口宇部空港へトレーニングとして連れていったりするのだ。何のトレーニングか、何を目指して育てているのかは不明である。桐谷にとってはいい迷惑だが、課長はさすが変態といえるほどのマニアなので、かなり飛行機や空港

  • 【クローズ】集団で群れるより、自由を好む男は最強だった

    クローズは、ヤンキーや不良のことをカラス(CROW)に例えており、クローズは不良少年たちの集団のことなのだ。不良漫画は数あれど、これほど野心のない主人公は珍しい。県内屈指の不良校である鈴蘭高校に転校してきた坊屋春道(ぼうや はるみち)は、明るいお調子者のスケベな性格の2年生だが、喧嘩の実力が最強であるがゆえに鈴蘭の不良たちは放っておいてはくれなかった。ただ、「カラスの学校」である鈴蘭高校が一つにまとまっているわけでもなく、いくつかの派閥もあれば一匹狼もいて、最強を求めて坊屋と闘うことになるのだ。ストーリーとしては他の不良漫画と遜色ない。むしろ王道に近い。クローズのいいところは、個性のあるキャラ

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