万葉集を身近に

万葉集を身近に

日本に現存する日本最古の和歌集「万葉集」を身近に!巻4・489番歌詠み人:鏡王女(かがみのおおきみ)風をだに恋(こ)ふるは羨(とも)し風をだに来(こ)むとし待たば何か嘆かむ(訳:あなたが風だけにせよ恋うているのは羨ましいこと。せめて風だけでも来るかと思って待てるのなら、何を嘆くことがありましょう。)解説この歌は、額田王が天智天皇を思って作った歌(巻4・488番歌)に鏡王女が唱和した相聞歌(互いに贈答する歌、恋の歌)です。鏡王女は額田王と同じく天智天皇の後宮に仕え、後に藤原鎌足の正妻となった人物で、「万葉集」巻2の「相聞」の部には彼女が天智天皇(92番歌)、藤原鎌足(93番歌)ととり交わした歌が収められています。額田王の歌とこの歌は共に秋の風を詠んだ名歌として知られたようで、巻8の「秋の相聞」の部にもこの両歌が重...万葉集を身近に