「本気」の数字が見たいYoutuberの鷹切美鶴さんを知っていますか?彼は直翅類などを中心とした昆虫類や両生・爬虫類の採集、観察動画をよく上げている生き物系Youtuberさんです。彼の投稿動画の中でも人気の企画に「24時間本気で生き物採集」というものがあります。24時間かけて生き物採集を行い、観察できた生き物(動物全般)の数をカウントするという企画です。100万回再生を超える動画もあるような人気企画で、鷹切美鶴さんは...
本気でやる昆虫採集の楽しさと現実を伝えたい。 あまり広く知られていないようなマニアックな昆虫の魅力を紹介したい。 そんな思いで、自身が行なっている長野県を中心とした昆虫採集の記録を残しています。
2000種以上の生物写真を全てフリー素材にします【iNaturalist】
私が生物の写真を撮り始めたのは、2013年秋にスマホを手に入れてからです。ブログを始めたこともあり、これまでに多くの昆虫や野鳥の写真を撮りためてきました。2024年7月現在、2316種の生物写真があります。せっかく撮りためた写真。何らかの利活用を図ってみたいと思いまして、全ての写真をフリー素材にすることにしました。写真データの公開にはiNaturalistを用いました。写真の質はお察し(笑)なので、全部無料にしています。も...
クワコの幼虫を見つけたので飼育して成虫を羽化させてみた【カイコの原種】
クワコ幼虫の発見5月4日に河川敷に出かけた時のことです。道沿いに生えているヤマグワにクワコの幼虫がいました。若いクワコの幼虫はアゲハの幼虫に似ているクワコ Bombyx mandarina mandarina (Moore, 1872) はカイコガ科のガの一種で、養蚕に用いられているカイコ B. mori (Linnaeus, 1758)の原種(野生種)=祖先と考えられています。クワコの分布は広く、国内では北海道からトカラ列島まで各地に広くみられ、台湾、朝鮮半島、中...
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「本気」の数字が見たいYoutuberの鷹切美鶴さんを知っていますか?彼は直翅類などを中心とした昆虫類や両生・爬虫類の採集、観察動画をよく上げている生き物系Youtuberさんです。彼の投稿動画の中でも人気の企画に「24時間本気で生き物採集」というものがあります。24時間かけて生き物採集を行い、観察できた生き物(動物全般)の数をカウントするという企画です。100万回再生を超える動画もあるような人気企画で、鷹切美鶴さんは...
2024年もまもなく終わりですね。例年、このブログでは12月31日に「今年の振り返り」として記事を更新しています。今年は少し余裕があるので、前倒しでこの記事を書いています。今年は以下のような内容で振り返りを行います。<目次>最も印象的だった4種 ご近所採集編県内採集編標本整理の追いつきとデータ公開初めての短報投稿ブログに関する振り返り良いお年を最も印象的だった4種まずは「今年の4種」ということで、今年が初採集...
昆虫採集をする上で、公園にお世話になることは多いと思います。しかし、公園は公共の場。法的な規制はない場合でも公園ごとの守るべきルールが定められていることがほとんどです。昆虫採集を禁止する看板(埼玉県)今回の記事では、特に昆虫採集に関係する公園のルールを確認していきましょう。採集禁止について検索されることが多い代表的な公園をいくつかピックアップして紹介します。<目次>必ず「公式ホームページ」などを確...
はじめに生物標本は過去のある時点における生物の存在を示すものです。そしてその標本の内部には、当時のDNAが残されている可能性があります。生物標本の新しい活用方法として、近年注目を集めているのがDNA解析です。標本に含まれるDNAを取り出すことで、分類や保全の上で役に立つ情報を得られることもあるのです。最近出た書籍、『タイムカプセルの開き方: 博物館標本が紬ぐ生物多様性の過去・現在・未来』(種生物学会,2024)...
2024.10.20この日はいつもより調子のいい日でした。「散歩行くか」休日の習慣になっている散歩へ、いつものように出かけます。そういえば……今日は何日だっけ。もう、20日……20日!?10月もう終わってしまうのか!!10月も終わりが近づいてきて、だいぶ寒くなってきましたよね。日中活動する虫を探せる時期も終わりが近いが……やり残したことが、ある__ダラダラと1日を溶かしていていいのか。散歩を始めてから数分でUターンし、準備...
サシガメ(科)はカメムシ目に属するグループで、日本にはおよそ120種が生息しています。捕食性の格好いいカメムシで、色や形のバラエティに富むグループでもあります。美しいキイロサシガメ。ライトトラップに飛んでくることもある。そんなサシガメたちを狙って探してみたことはありますか?私は夜間ルッキングやライトトラップ、冬季採集でポツポツと採集する事はありましたが、特定の種を真剣に探した事はありませんでした。今...
2024.08.24ことの発端は、とある日の採集で。このようなオギの多い河川敷でスウィーピングをしていた時のことです。何やら見覚えのある毛虫が網に入っていました。この黄色い毛虫は……スゲドクガ Laelia coenosa sangaica Moore, 1877ですね。スゲドクガはドクガ科に属しますが幼虫・成虫とも無毒なガです。幼虫は湿地環境に生えるスゲ類(カヤツリグサ科)のほか、ガマ科、ヨシやオギなどのイネ科の葉を食べます。湿地の減少に伴い...
キョウチクトウスズメ Daphnis nerii (Linnaeus, 1758)は緑色のスズメガの仲間です。同じスズメガ科のウンモンスズメとは色合いや雰囲気が似ていて、間違えられることもあります。本題に入る前にまずはウンモンスズメとの違いを確認しておきましょう。キョウチクトウスズメとウンモンスズメは模様で見分ける両種は模様が異なります。キョウチクトウスズメの方が大型でやや複雑な模様をしています。キョウチクトウスズメとウンモン...
2024.09.07わりと調子がよかったこの日は、朝から車で少し遠方に出かけることにしました。天気もよい日で、この季節に現れるオオトラカミキリを探しにモミ林に行きたくなりました。が、着いたのはクヌギやコナラの多い典型的な里山の雑木林モミ林の徘徊は今の私にはまだちょっとキツイかなと思ったので、今日は片道1時間もかからないような丘陵地に来ました。森の中や林縁を歩きながら、ゆったり虫探しをできるような計画にしてい...
昆虫の採集というのは趣味で行われるものばかりではありません。ある場所で各種の事業(土地開発とか)が起こるとき、事前調査や事後調査によって決まったエリアの動植物が調査されることがあります。こういった調査はたいてい何らかの環境調査会社が実施しており、調査で得られたサンプルも多くはその会社で保管されます。そのサンプルが最終的にどうなっているか、知っていますか。調査の証拠として一定期間保管された後……廃棄処...
日本においてコオイムシ属(Appasus)は、コオイムシ Appasus japonicus Vuillefroy, 1864オオコオイムシ Appasus major (Esaki, 1934)の2種が知られています。コオイムシもオオコオイムシも北海道・本州・四国・九州に分布します。ただし対馬にはコオイムシのみが分布します。♂が卵を背負う姿から「子負い虫」の名で呼ばれますどちらも水生植物が豊かな止水域を中心に生息する水生昆虫で、時には混生します。2種は非常によく似て...
日本国内からはこれまでに20種のチビタマムシ属(Trachys)が見つかっています。私はこれまでにタマムシ採集を頑張って、このうち18種までを集めることができました。ヤノナミガタチビタマムシ。冬季の樹皮めくりではおなじみ。北海道・本州・四国に分布する種としては、UMAのクサビチビタマムシを除いた全種が手元にそろっています。せっかくなので、集めた標本の写真を使って各種を比較してみました。※本記事は日本産タマムシ大...
2024.08.18今日は曇りの予報で、気温もそこまで上がらないようだったので採集に出ました。朝早くから出て、午前中には帰ってくるような計画での近場採集です。これくらいなら今の私でも無理なくやれそうでした。6時頃に家を出て、河川敷に向かいます。ギンイチモンジセセリの夏型は銀色の筋が目立たない河川敷ではギンイチモンジセセリの夏型が出ていました。環境省レッドリストにおける準絶滅危惧種ですが、この辺りではごく普通...
休職から復帰して3ヶ月ほど経ちました。当初は週に2、3日は調子が悪くて休んでいましたが、最近は会社に出れる日が多くなりました。先月はようやく欠勤ゼロを達成。中で仕事する分には問題なくやれています。調子が良い日も多くなり、週末も半日ほどなら近所に採集行ったり出かけたりできるようになってきました。そんな中でまだ出来ていないのが、遠方での一日採集。近所の採集なら疲れた段階で帰宅することができますが、遠方だ...
今年、東京都の上野にある国立科学博物館では「昆虫 MANIAC」という特別展が行われています。(7/13(土)~10/14(月・祝))2018年に行われた特別展「昆虫」に続く内容ということで、今回はよりマニアックな内容になっていました。会場内では基本的に自由に写真撮影ができる今回の記事では、筆者が実際に特別展をまわってみての感想をまとめました。行こうか迷っている方の参考になれば幸いです。また、行かないけどどんな感じな...
私が生物の写真を撮り始めたのは、2013年秋にスマホを手に入れてからです。ブログを始めたこともあり、これまでに多くの昆虫や野鳥の写真を撮りためてきました。2024年7月現在、2316種の生物写真があります。せっかく撮りためた写真。何らかの利活用を図ってみたいと思いまして、全ての写真をフリー素材にすることにしました。写真データの公開にはiNaturalistを用いました。写真の質はお察し(笑)なので、全部無料にしています。も...
クワコ幼虫の発見5月4日に河川敷に出かけた時のことです。道沿いに生えているヤマグワにクワコの幼虫がいました。若いクワコの幼虫はアゲハの幼虫に似ているクワコ Bombyx mandarina mandarina (Moore, 1872) はカイコガ科のガの一種で、養蚕に用いられているカイコ B. mori (Linnaeus, 1758)の原種(野生種)=祖先と考えられています。クワコの分布は広く、国内では北海道からトカラ列島まで各地に広くみられ、台湾、朝鮮半島、中...
昆虫標本には必ずラベルをつけますが、そのラベルにもいくつか種類があることを知っていますか?昆虫標本のラベルは以下の4種類に大別されます。データラベル 採集地、採集年月日、採集者名など「標本を得た状況に関する基本情報」を示すもの(必須)。タイプラベル新種を記載する際に基準となる標本につけるもの。同定ラベル和名、学名と記載者名、同定者と同定年など「同定の結果」を示すもの。コレクションラベル標本ごとに固...
写真は2024年6月現在の私の本棚の一部です。この段の半分近くを占めている白い冊子は「月刊むし」や「埼玉昆虫談話会」などの雑誌・同好会誌です。こういった文献は後で参照することもあるため、読み終えても捨てずに保管するのですが……毎年少しずつ増えて本棚を圧迫していきます。限界が来る前に対策を、と思い……「文献のPDF化」をやってみることにしました。自炊の選択肢:裁断するか非破壊か文献を電子データ化する作業のことを...
葉上に降り立った(2023.05.21 埼玉県)アオマダラタマムシは国内では本州・四国・九州と対馬に分布する、タマムシ科の甲虫です。タマムシの仲間としては大型で、大きさは16-29mmほど。翅のまだら模様がたいへん美しいことが特徴のタマムシです。地域によってはやや珍しい昆虫で、埼玉県や千葉県、石川県、高知県、長崎県など12の県でレッドリスト(レッドデータブック)に掲載されています。(2024年6月現在)本記事ではそんなア...
データをどうやって取り、標本につなぐのか?生物標本には必ずラベルをつけますが、ラベルには「採集地の情報」や「採集日」などを必ず記さなければいけません。このブログを訪れる方には昆虫採集・標本作成を行っている方も多いと思いますが、みなさん「データラベルに記載する情報」ってどのように記録、整理(管理)されていますか?昆虫の場合、作成したラベルを虫と同じ針に刺すことで情報が付加され、昆虫標本が出来上がる訳...
2023年最後の日ですが、どんな年末を迎えていますか……?今日は、床と平行になって半日過ごしました。年末の振り返りくらいはしたいなと思い、体調が回復した午後から一気に記憶を呼び起こしています。今年は思い出深い虫を抜粋し、以下の内容で書いてみます。<目次>最も印象的だった4種 ご近所採集編県内採集編県外採集編その他最も印象的だった4種まずは2023年に出会った昆虫の中で最も印象的だった4種を紹介します。いずれも初...
本記事では冬に出現する蛾の仲間である冬夜蛾(キリガ)類のうち、いわゆる越冬キリガ(成虫で越冬する種類)を紹介します。(低地帯の近所で出会えた種のみ)秋キリガ編↓からの続きです。関東平野部で出会える冬夜蛾(キリガ)類【秋キリガ編:8種】冬の夜の蛾、と書いてキリガ蛾の仲間にはまさしく「ヤガ科キリガ亜科」という分類群が存在していますが、冬夜蛾(キリガ)はこのグループを指す言葉ではありません。ここで言われる...
コニストラ問題カシワオビキリガを始めとするConistra属(コニストラ、と呼ばれる)は、平地から山地までの雑木林に広く生息し、一般的に個体数も多いグループです。同所的に複数種がみられることも多く、冬夜蛾の観察や採集をしていればこの仲間の同定には苦労させられると思います。かつて、みんなで作る日本産蛾類図鑑に、Conistra属の見分け方を分かりやすくまとめたページがあって、すごく重宝していたのですが......近年のサ...
冬の夜の蛾、と書いてキリガ蛾の仲間にはまさしく「ヤガ科キリガ亜科」という分類群が存在していますが、冬夜蛾(キリガ)はこのグループを指す言葉ではありません。ここで言われる「キリガ」というのは、ヤガ科の中でも下に示した4つのグループに含まれる蛾類のうち、特に冬季(晩秋~早春)を中心に出現する一部の種のみを指した呼び方です。<日本の冬夜蛾(亜科別の種数)>キリガ亜科 :61種ヨトウガ亜科 :28種モク...
本日、2023年10月28日を持ちまして本ブログは開設から10年が経ちました。このブログを開設した2013年当時の私はまだ高校生でしたが、今は社会人。今年で3年目になります。年齢も25歳、もうアラサーになっちゃいました……。10年の振り返りまではしないにしても、何か書こうと思い……こんなものができました。この10年はどんな感じ?昆虫に、昆虫採集に対する解像度をより一層高められた10年でした。大層な目標もなく遊びの延長で始め...
昆虫採集者の理想というか、ゴールって何でしょうね?趣味で昆虫を採集し、標本を作る方は「最後こうしたい、こうなりたい」っていうような具体的なイメージを持っていますか?特定のグループを制覇したコレクションを作り上げたいとか、標本をこういう風に使いたいとか......。1年前、遠征先でふと「ゴールって何だろう」と考え始めた......。私は……そんなことをこれまで考えたこともありませんでした。趣味としてずっと昆虫採集...