命のバトン お風呂で考える「人生」のこと
みんみは、学校に行かなくても良い日が増えたようで、ママの家に帰ってしまう事が多くなりました。とうちゃんは一人暮らし時代に戻って、長い時間、風呂に入ってばかりいます。水道代もバカにならないので、沸し直しで入る日もよくあるんですが、お風呂の垢を洗面器ですくい取るのがちょっと面倒です。いつか立派な人物になろうと思いながら暮らしていますが、道のりは遠く、今日も一日、何ひとつ世の役に立つことも出来ぬまま日が暮れる……。湯船に浸かりながら、ため息をつきます。そんなときにふと思うわけですね、ひとり暮らしの沸し直しの風呂に浮かんでいるのは自分の垢。昨夜まで苦しさ、辛さを共にした自分自身の身体の一部が、チラチラと湯船に浮かんでるわけか、と。そうすると、湯船に半分沈めた洗面器にちょろろーって流れ込んで来る垢が、「俺の屍を乗り...命のバトンお風呂で考える「人生」のこと
2024/12/28 11:13