『野生の島のロズ』への引っかかり(ネタバレあり)

『野生の島のロズ』への引っかかり(ネタバレあり)

クリス・サンダースの新作『野生の島のロズ』を観た。同監督の『ヒックとドラゴン』が大好きであり、本作の評価も非常に高かったので、期待が高まることは必至であった。結論から言うと、とても良くできた作品であり、感動もしたが、引っかかる点ももある。これに書いていこうと思う。 まず、映像は文句なしに素晴らしかった。水彩画のような手描きタッチで躍動感を持たせながら、写実的であり実物感もある。クリス・バワーズによる劇伴も印象に残る力強いものであって、とても良かった(ジョン・パウエル『ヒックとドラゴン』と比べると、ライト・モチーフのバリエーションが少ない気はするが)。 映像や音楽、直球の疑似家族物語には素直に感…