悲櫻館事件 23

悲櫻館事件 23

《 23 》「関谷さん。お休みのところすみません」右京を連れて再び三階に上がり、なんどか関谷夫妻の部屋をノックしてみたものの、応答はなかった。「やっぱり、もう眠っちゃったのかな……」困ったように右京を振り返ると、黙って部屋の中の様子を窺っていた右京、ふと何かに気づいたように無言のまま扉に手を伸ばした。「あ、待ってよ……」小次郎、あわてて右京を止めようとしたけれど「!」キイと音をたててあっけなく扉が開き、小...